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No.534 小黒恵子氏の詩-1 (木曜手帖から)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回からは、また少し、小黒恵子氏の作品(詩) をご紹介します。
まずは、「木曜手帖」から詩をご紹介します。木曜会について、次の様な説明が載っています。

 ・木曜手帖を半年分以上お申し込みくださった方は、木曜会会員と認めます。会員は、詩作品を投稿なさることができます。
 ・木曜会の詩の勉強をする会は、毎週火曜日と土曜日サトウハチロー先生宅において、午後六半から開いております。

「木曜手帖」より


1966年(昭和41年)8月25日発行 木曜手帖113

かくれんぼしたビー玉
                   
小黒恵子

ビー玉を ―
犬がのんで了ったんです

コロコロと逃げるのが得意なビー玉
追いかけるのがうれしい犬
鬼ゴッコの大好きな仲良しでした

透き通った黄色いあめ玉みたいなビー玉
レントゲンを撮ったら
梅の実くらいの影になって
胃の中にかくれていたんです

真っ白い繃帯をお腹に巻いて
手術台に眠ってる大きなボクサー
ハスみたいな上向きの黒い鼻を
ヒクヒク動かしています

今 わたしの手に冷たく光ってる
シッコリと重たいビー玉

フトみた壁の鏡に
セーターを裏返しに着た私がいました

1966年(昭和41年)8月25日発行 木曜手帖113

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回も、「木曜手帖」から、ご紹介します。(S)

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