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詩のご紹介271 馬鈴しょの花(小黒恵子作)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今日は、歌曲集「花ものがたり」(三木稔作曲)から、第5作目は「馬鈴しょの花」をご紹介します。
 前書きには、次の様に書かれています。

 花にはそれぞれの思い出があります。
 そして花には物語があります。
 この歌曲集《花ものがたり》の詩のなかには、私の花への思いが、織り込まれています。
 歌曲集《花ものがたり》は、私にとって2回目の芸術祭参加作品です。1回目は日本ビクターの委嘱による昭和47年度の芸術祭参加作品、童謡《ハダシとハダカ》--野原のなかまたち--でした。
 花は人生に彩を与えてくれる、なくてはならない美しくやさしい友達です。
 花には心があります。生命があります。
 私はときどき花と対話することがあります。
 そのとき互いに心のベルが響きあうのを感じるのです。
 この歌曲集《花ものがたりは》は、花たちに贈る私の愛の讃歌です。
 三木稔先生の作曲は、それぞれの花の詩に色とりどりの、きらめく生命を与えて下さいました。14編の花々と共に深く感謝してやみません。

                         1996年10月16日
                            小黒恵子
馬鈴しょの花
小黒恵子作詞/三木稔作曲

うす紫の 雨が降る
馬鈴しょの花に 雨が降る
慈悲(いつくしみ)の花言葉が よくにあう
うす紫の 星の花
ましろき御影石(みかげいし)の 観音像に
若き日の 母が供えた 花のいろ

馬鈴しょの うす紫の
花にふる
雨を思へり 都の雨に

六月の雨は うす紫
うす紫の花は 馬鈴しょの花
微笑みやさしい 観音像に
母の面影(かげ) 重ねなつかし 花の雨

馬鈴しょの 花咲く頃と
なりにけり
君もこの花 好きたまうらん

 最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。
 次回は、歌曲集「花ものがたり」 の中より「さつまいもの花」をご紹介いたします。(S)

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