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海外のインスタ「UGC」活用事情を調査してみた

こんにちは!SNSマーケターのおぐりんです。8月1日に、SNSマーケティングのトータル支援を行っている株式会社FinTへジョインしました。転職後も変わらずSNSマーケに関する情報をたくさん発信していくので、今後もTwitterやnote、Substackをチェックしていただけるとうれしいです!

私はSNSが大好きで仕事でもプライベートでもずっとSNSを見て過ごしています。SNSの中でもInstagramが1番好きで、最近は海外のInstagramアカウントの投稿を見るのが日課になっています。

海外アカウントから学ぶことは多く、日本でまだ行われていない投稿のアイデアだったり、UGCの活用事例が豊富にあるので、見ていてすごく面白いです!

そこで今回は、海外のInstagramの『UGC活用事情』をテーマにお話していきたいと思います。

ただUGCの活用事例を挙げるだけでなく、「なぜUGCが重要なのか」「UGCを生み出す方法」についても具体的な事例を踏まえてご紹介するので、UGC施策を行っていきたいと考えている方は、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

※UGCとは、「User Generated Content」の略で、一般ユーザーによって作られたコンテンツのことを指します。もし「UGCって何?」という方がいましたら、弊社大槻のnoteが参考になるので併せてご覧ください。


1.なぜUGCが重要なのか?

海外のUGC活用事例をご紹介する前に、なぜUGCが重要なのかお話していきたいと思います。UGC(クチコミ)が売上に寄与していることが、様々な調査結果で分かっています。

アジャイルメディア・ネットワーク株式会社が行った「クチコミ接触者の購買転換率調査」では、主要SNS(Twitter、Facebook、Instagram、LINE、YouTube、TikTok)の中でも、Instagramは幅広い分野においてクチコミによる購買転換率が高いことが分かりました。内容を抜粋してご紹介します。

今回の調査で、偏差値ベースで全体的に高い購買転換率を示したのがInstagramだった。元々Instagramならではの業種と言えるファッションや化粧品はもちろん、食品、飲食店、映画、テーマパーク、百貨店、旅行など、写真を見るだけで良さが伝わりやすい商品カテゴリーにおいては、ほぼ全て購買転換率が高い結果となっている。

また、横浜国立大学の鶴見裕之氏による論文で以下のように述べていて、「SNS上でクチコミが増えることで売上が増える」という、UGCと売上の相関関係があることが分かりました。

分析結果はツイート数が販売実績と正の有意な関係を有していることを示している。

その他にも、UGC活用を行ったことで売上が400%増加したという事例や、注文率が130%向上したという事例もあります。これらの事例なども踏まえて、SNS運用を行っていく上で「UGC」は重要な指標であることが言えるでしょう。

ただ、やみくもにUGC数を増やせば良いわけではありません。鶴見裕之氏の研究結果によると、「新商品発売時にTwitter上でキャンペーンを行った場合、自発的でないツイートが多数発生し、ツイート数が販売実績と非有意となった」という結果が出たそうです。

論文の内容をざっくり要約すると「SNSキャンペーンでの自発的でないツイートでUGC数を増やしても、売上は上がらなかった」というものです。

この論文から、UGCは量だけでなく質も重要であることが分かるかと思います。質の高いUGCの創出方法は、第3章でお話します。

2.海外のUGC活用事例

ここからは、海外のInstagramのUGC活用事例を厳選して3つご紹介していきたいと思います。

①Starbucks Coffee(@starbucks

海外のStarbucks CoffeeはUGCを積極的にフィード投稿でリポストしていて、注目したいのが「UGCをリポストした投稿」と「公式のオリジナル投稿」の見分けがほとんど付かない点です。

▼UGCをリポストした投稿

▼公式アカウントのオリジナル投稿

パッと見、どちらが公式のオリジナルで、どちらがUGCか見分けが付かないのではないでしょうか。

Starbucks Coffeeでは「商品を片手に持っている写真」を定期的に投稿しています。ユーザーが真似しやすいように、公式アカウントでUGCのお手本となるような投稿を行っているのではないかと推測しています。

上記のような構図なら、商品を購入したついでにスマホで手軽に撮影できますよね!UGCが生まれやすいように公式アカウントからお手本を提示し、UGCの投稿ハードルを下げている点は学ぶべきポイントだと思います。

その他にもUGC活用において注目したいのが、フォロワー数に関係なく良い投稿は積極的にリポストしている点です。

▼こちらの元投稿のフォロワーは約100人でした。

フォロワー数の多いユーザーの投稿のみをリポストしていると、ユーザーは「フォロワー数が多くないと投稿を取り上げてもらえないんだ...!」と、UGC投稿を行うモチベーションが下がってしまう可能性があります。

株式会社ジャストシステムの『SNSとCGM(消費者生成メディア)に関する実態調査』によると、SNSのフォロワー数の割合で最も多いのが100〜1,000人約6割がフォロワー1,000人以下という結果になりました。フォロワー数1,000人以下のユーザーにUGCを発信してもらうことは、UGCを増やす上でも重要なポイントと言えるでしょう。

これらのことから、フォロワー数の少ないユーザーでも素敵な投稿であれば積極的に取り上げることで、UGC数アップに繋がっていくのではないかと考えています。

②Burger King(@burgerking

海外のバーガーキングのアカウントは、日本では珍しいUGC活用を行っていて、Twitterで発生したUGCをInstagramのコンテンツとして利用しています。

▼実際の投稿がこちら

バーガーキング以外にも、海外のナショナルクライアントのアカウントでは似たような投稿が行われていて、海外では割とポピュラーな投稿手法なのかなと感じています。

この投稿手法は、1ユーザーのリアルな意見を取り上げ、それに対し公式アカウントが回答を行うことで、ユーザーとの双方向コミュニケーションの活性化を狙っているのではないかと推測しています。

また、TwitterにはInstagramにない拡散機能(リツイート機能)があるため、Twitterと上手く連動させることでInstagramの拡散力を高めることができる可能性があります。

最近だと、「現実を生きるリカちゃん」というInstagramアカウントがTwitter上で話題になり、Instagramのフォロワーが一気に増えたという事例がありました。

ある美容商品が一般の方のツイートで話題になり、そのブランドのInstagramのフォロワーが1,000人増えたという事例もあります。これは、Instagramを「ホームページ」のように認識しているユーザーが一定数いて、Instagramを見にきてくれたユーザーがフォローをしたのではないかと推測しています。

Twitterで発生したUGCをInstagramで活用する投稿手法は、日本ではまだあまり見たことのないUGC活用事例だと思います。他社とのクリエイティブの差別化のためや、双方向コミュニケーションの活性化、Twitter上での拡散を狙うなどの目的で試してみても良いかもしれません。

③Corona(@corona

企業アカウントで「UGCをフィードでリポスト」「UGCをストーリーズでシェア」といったUGC活用事例はよく見受けられますが、「リールのUGCを活用しているアカウント」は多くないのではないでしょうか。

インスタメディアなどのメディア型のアカウントではリールのUGC活用事例はあると思いますが、ナショナルクライアントなどブランドのアカウントではリールのUGC活用は少ない印象です。

海外アカウントの「Corona」では、ほぼ全てのリール投稿をUGCのリポストで賄っています。

▼リールのUGCをリポスト

企業アカウントがリール投稿を行うときにハードルとなるのが「縦長動画の制作が難しい」といった点が挙げられるのではないでしょうか。UGCを活用することで、制作の工数をかけることなくリール投稿を行うことが可能になります。

先日Instagram責任者のAdam Mosseri氏から、フィード(タイムライン)をフルスクリーンのおすすめ動画にしていく計画が発表されました。リールの強化は今後行うべきなので、UGCも活用しつつリール投稿を定期的に行っていくことが、今後のUI変更などの対策に繋がるのではないかと考えています。

▼Mosseri氏の発表の詳細はこちら


3.UGCを生み出す方法

海外のUGC活用事例をご紹介したので、ここからは実際にUGCを生み出すための方法をお話していきたいと思います。

まず、Instagramにおける質の高いUGCは「①世界観共感系UGC」「②参考系UGC」の2種類に分類することができ、それぞれUGCを増やす施策が異なります。

①世界観共感系UGC

世界観共感系UGCとは、自分と同じ趣味趣向・世界観を持つコミュニティの人たちが発信するUGCのことを指します。特徴として、基本的にはクリエイティブに文字が入っていません。

このUGCは、ブランドとして確立している商材使用シーンをSNSに投稿できる商材(ライフスタイルに馴染みやすい商材)でUGCを創出したい場合に向いています。

例えば、先ほどご紹介した「Starbucks Coffee」はブランドとして確立されていますし、使用シーンをSNSに投稿できるため、世界観共感系UGCを生み出しやすいと言えるでしょう。

世界観共感系UGCを生み出す上でのポイントとして、切り取れるシーンや訴求を意識的に増やし、一つのブランドで様々なライフスタイルに馴染むことをアピールすることが重要です。

例えば、コスメ商材でUGCを生み出したい場合、Starbucks Coffeeのような片手に商品を持っている投稿だけでなく、「バッグの中身」など別のシーンを想起させるような投稿を行うのが良いでしょう。

▼バッグの中身


では、世界観共感系UGCを生み出すために、具体的にどのような施策を行えば良いのでしょうか。施策を3つご紹介していきます。

1つ目は、「公式アカウントでUGCのお手本となる投稿を行う」です。

▼UGCのお手本となる投稿

これは、Starbucks CoffeeのUGC活用事例でもお話しましたね!先ほどご紹介した「世界観共感系UGCを生み出す上でのポイント」を意識しつつ、公式アカウントからUGCのお手本となる投稿を行っていきましょう。

それに加えて、Instagramで流行っている構図を意識することも重要です。例えば、「バッグの中身を正方形に並べる投稿が流行っているから真似しよう!」と、ユーザーが真似したくなるようなキッカケを作ることで、UGCが生まれやすくなると考えています。

2つ目は、「ストーリーズでお手本となるUGCを取り上げる」です。

Starbucks CoffeeはフィードでUGCを取り上げていましたが、ブランディングの観点から、フィードでUGCのリポストを行いたくないアカウントも多いのではないでしょうか。

日本は「ストーリーズ大国」と呼ばれているくらいストーリーズのアクティブユーザーが多いため、ストーリーズで取り上げることもフィードと同様に効果的です。

UGCをストーリーズでシェアすることでユーザーとのコミュニケーションにも繋がりますし、UGC投稿を行うユーザーのモチベーションを高める効果も期待できます。ぜひ公式アカウントで、UGCを積極的に取り上げましょう。

海外のKITKAT(@kitkat)は、ストーリーズでお手本となるUGCを積極的に取り上げているので、ぜひ参考にしてみてください。

▼KITKATのストーリーズ

https://www.instagram.com/stories/highlights/17900517803009215/


3つ目は、「狙いたい世界観を投稿しているコミュニティのトップインフルエンサーにアプローチする」です。

トップインフルエンサーからUGCのお手本となる投稿を行っていただき、それを見た一般ユーザーは真似をしてUGC投稿を行う、といった流れを作ることができます。

インフルエンサーマーケティングによって、公式の投稿だけではリーチすることができなかったユーザーにUGC投稿を行うキッカケを作ることができるでしょう。

②参考系UGC

参考系UGCとは、レビュー要素が強く、商品購入前の比較検討材料となるUGCのことを指します。特徴として、基本的にクリエイティブに文字が入っています。

このUGCは、機能性に目立った特徴があり、それが実際にユーザーにもウケている商材でUGCを創出したい場合に向いています。

例えば、KATEのリップモンスターを例に挙げると、「リップが落ちにくい」という目立った特徴があり、ユーザーにもウケているため、参考系UGCを生み出しやすいと言えるでしょう。

参考系UGCを生み出すには、熱量の高い投稿をしているユーザーにアプローチをかけることがポイントとなります。

どのようなユーザーにアプローチをかけるかというと、例えば、コスメ商品でUGCを生み出したい場合、いわゆる「コスメ垢」のような常日頃からコスメに関する投稿をしているユーザーにアプローチを行います。

ここで注意したいのが「フォロワー数のみで判断しない」という点です。商品名でハッシュタグ検索を行ったときに、フォロワー数の多いインフルエンサーばかりがUGC投稿を行っていると、「この投稿はお金をもらってPRしているのかな?」「商品を本当に良いと思って投稿してる?」とユーザーは不信感を抱いてしまう可能性が高いです。

なので、フォロワー数の多いインフルエンサーだけでなく、フォロワー数は少ないが熱量の高いユーザーにも同時にアプローチをかけることが重要となります。

上記の内容を踏まえて、参考系UGCを生み出す施策として「シャワー戦略とボトムアップ戦略を同時平行で回すこと」が効果的であると考えています。

(編集OK)美容 _ コスメメーカー様向け 良質なUGCを増やす!Instagram運用セミナー.pptx (17)

具体的に「シャワー戦略」と「ボトムアップ戦略」で、どのようなことを行うのか。

シャワー戦略では、インフルエンサーマーケティングによって、トップ〜マイクロインフルエンサーにアプローチを行い、一般ユーザーの方々のUGC投稿を促進します。

(編集OK)美容 _ コスメメーカー様向け 良質なUGCを増やす!Instagram運用セミナー.pptx (11)

ボトムアップ戦略では、ギフティング施策によって、ナノ〜マイクロインフルエンサーにアプローチを行います。

(編集OK)美容 _ コスメメーカー様向け 良質なUGCを増やす!Instagram運用セミナー.pptx (16)

先ほどもお伝えした通り、フォロワーの多いインフルエンサーからのアプローチのみでは不十分であるため、「シャワー戦略とボトムアップ戦略を同時平行で回すこと」がポイントとなります。

弊社は、インフルエンサーマーケティングやギフティング施策でUGCを生み出すことを得意としており、特に「コスメ商材でのUGC創出」が強みです。

インフルエンサーマーケティングでは、Instagramのトレンドに精通したメンバーが、直接目で見て確認しながらインフルエンサーのピックアップや写真構図の選定を行うことで、UGC投稿の質を担保しています。

ギフティング施策では、弊社が運用しているSNSメディア「Sucle」のコミュニティを活用した『シュクレポ』を提供しており、コスメ好きユーザーによるUGC投稿を創出することが可能です。

良質なUGCを生み出したいと考えている方は、ぜひ弊社へお気軽にご相談いただけますと幸いです。


さいごに

今回は、海外のUGC活用事情をテーマに「UGCの重要性」や「UGCを生み出す方法」についてお話しました。今後もInstagramを中心にSNSマーケティングに関する記事をたくさん更新していくので、ぜひnoteのフォローをお願いします!

株式会社FinTでは積極的に採用活動に取り組んでいます!
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