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補聴器購入費助成+聴力検査=シン・港区モデル

あれはいつのことだったでしょう。「ただ助成しろー助成しろーって言ってる政党あるけど、それはバラマキしろって言ってるに等しいよ。あんなのに乗っかっちゃダメ。自民党がもっとよい制度になるように頑張ってくれない?」とぶっちゃけた陳情を頂いたのは。



補聴器は正しく使おう

ということで自民党さんは頑張りまして、自分だけじゃなくて自民党のみんなにも協力してもらって、もうあまりにも色んなことがありすぎて時系列とか覚えてないくらいにアレですが、区役所のみなさんもひーひーいうくらい頑張っていただきまして、全国でもびっくりするくらいの良い制度ができたのは記憶に新しいこと。こだわりは「長く、正しく使う」をモットーに。


厚生労働省の研究事業にメンバーとして港区がジョインするところから始めてもらいました。そこで1年間の研究結果をもとにある程度の方向性を固め、しかも「適正使用を全面に出して考えてくれ」という我々の要望もあり、補聴器相談医は当然のこと、認定補聴器技能者という一般には正直あまり聞きなれない補聴器プロフェッショナルの存在に着目し、港区の頑張りが「港区モデル」と称して全国に知られるようになる制度が完成。


・まがい物を掴まされた
・勧められたものを断れなくて買っちゃった
・全然よく聞こえるようにならない

など、補聴器はとっても消費者相談が多いもの


そこをどうにか防げるものなら防ぎたいという目的もあるわけでして、また補聴器は個人のフィッティングがとても重要なものでして、プロの手がないとどちらもハッピーにならないやつ。メガネと違ってすぐに「はっ!よく見える!」と効果を即実感してもらいにくいものであるから、特に正しく継続利用を促してみんなハッピーになってほしいというのが願いの奥底に。


ここまで2年ですかね、約2年。決して議会の質問だけでトピックを振っての「いついつ質問しました!」のアリバイ作りではなく、あっちゃこっちゃの場外乱闘、色んなとこで激論交わしながらの成果物であります。港区の成果物。


既存制度の改善も必要かもね

港区モデルという制度が開始されたのが令和3年4月、日本全国で業界がざわついた(良い意味で)わけですが、それは決して助成額だけではなくシステムの方にあると、私はそう思ってます。港区もそう思ってます、多分。

補聴器助成の財源は、東京都が1/2です。今は「福祉保険区市町村包括補助事業」と、当時とは名称が変わった自治体向けの補助を使ってます(そのはず)。残り1/2は港区独自。助成上限13万7,000円(非課税世帯)の金額設定は、東京都事業の「中等度難聴児発達支援事業」と同額であることから、補聴器ジャンルとしてとてもリーズナブルと思います。


開始から2年とちょっと、毎年何百人という60歳以上の方にご利用いただきました。ご利用いただける年齢は60歳以上と、早期に難聴の気付きから補聴器装用をオススメすることで、QOL改善にも繋げてもらいたいという温かい港区のキモチ。実際の申請者の数ですと、80代>70代>60代と、当然ではありますが歳を重ねれば重ねるほど必要と判断される方は多いです。


もちろん、補聴器相談医がしっかり「アナタ、あった方がいいわよ」「アナタ、聴こえづらいのはひょっとして常用してるお薬のせいかもしれないわ」「アナタ、まだ大丈夫よ」と、医学的判断に基づいてしっかりみてくれているのが前提です。


ただ単に「補聴器なんでもいいので欲しいから助成金ちょうだい」を避けるために。もしくは、「補聴器助成金ウチで使ってもらうためにとりあえず申請してきてよ」も避けるために。


・申請書入手への道をもう少し優しくする
・区内で「認定補聴器技能者」のいる店舗を増やしたい
・利用者側で困ってることないか確認しなきゃいけないかな
・高額すぎる補聴器ばかり勧められていないかとか

こんな感じでしょうか、次の進捗確認は


助成の次は、接続をよりスムーズに

自民党さん、制度設計やってる時から、制度が開始される前から、より一層みんながハッピーになるようにしていかないとということで、「聴力検査をセットで必要な方を拾い上げていくことも忘れずに」と申し伝えてきたわけです。


こちらもとうとう港区が着手してくれまして

イチ自治体がここまでやるのは全国でも稀なケースと思います。でも港区は聞き入れてくれたし、制度と制度を連動するところまでやり遂げてくれた、まだ始まってないけれども。ありがたい話ですよねえ。そして素晴らしい。


元々港区では港区医師会が高齢者向けの聴力検査を独自事業として行なっていただいていた、ということがとっても大きいです。ゼロからのものでなかったというのと、スムーズな接続のために医師会事業を区に移管というカタチも取れるし、とても良い個々の事業をひとまとめにがっちゃんこすることができた、ということになるんでしょうか。そういうことにしましょう。


こっちこそ、表立っては言えないけれども、補聴器助成の前から連動を視野にいれた検討をしていたわけですから、学識枠と医師枠とたくさんの方々で検討を何年も何年もしていただいて、対象年齢とかそういうのもしっかり医学的な根拠とかエビデンスとか、そういうのきっちり。


これまで補聴器助成の申請者の中では、60代のご利用はとても少ないということがわかってます。いや、少ないのは良いとか良くないとかそういうレベルの話ではなくて、「ゼロではない」と、こう考えるとしましょう。そして正直にいいますと、80代はもうみんな難聴というか、耳が遠くなったと自覚する方は多いですよね。定期検診しても多分みんな何らかのレベルで難聴診断ですよ(くらいの勢いで、という感じで取ってください)。


なので、「既存の制度に必要な方を繋げるシステムを作りましょう」とするには、多くの人が難聴であろうという年代を抜いて、「そうなりつつあるんだけどまだ自覚がない」という層に向けた検査というのが一番リーズナブル。


表現は良くないかもしれないけれども、わかりやすくいうと、

えっ、自分まだそんなの想像もしたことなかったけど、聴こえづらくなってるの?補聴器とかまだ世間では早すぎる(ような気がする)年代じゃね!?


と思うかもしれない方々に向けた、60歳、65歳、70歳、75歳を対象とする制度はとてもリーズナブル、気付きのきっかけ。毎年毎年やって数値の変化を追ってくものではありませんし、どのみちスクリーニングのような検査の後に精密検査でもう一度補聴器相談医のところでしっかりと調べてもらう必要はありますので(別途)、本当に難聴で困ってて補聴器を考えている方は、こういう検査を心待ちにするより申請書を持った上で指定の医療機関で調べてもらう方が、早くて確実。


質の高い検査体制の確保、連動させることによって難聴&補聴器必要な方を拾っていく、そして補聴器購入助成で装用に繋げるという、シン・港区モデルとして新たに始まる予定です。予算賛成であればね。


港区モデル改、シン・港区モデル。私が勝手に言ってるだけなので、全然正式名称でもなんでもないです。ガンダムを嗜む身からすると「改」とか「式」とか付ける方がテンション上がるんだけど、最近は「シン」の方がなんだか新しいっぽいイメージあるし、悩みどころであります。いや、ネーミング全然関係ないから。


ともあれ、たくさんの方に使われて聞こえの支援の手が届けば良いと思い、補聴器一連の流れはできたのでこれにて一旦自分の取り組みは完、なのかしら。たくさんの方々のがんばりとご協力に感謝いたします。


国会議員の方々にもご協力をいただいておりました

武見敬三参議院議員、今は大臣


自見はなこ参議院議員、今はこちらも大臣

なんか補聴器制度で長年アドバイスを頂いてきた国会議員の方々、お二方とも今は大臣におなりに。今後とも医療政策のアドバイス含め、よろしくお願いします。


年イチでお声がけ頂いていた会合


永田町からもお声かけていただいた港区

港区は全国に先駆けて聴力検査とセットの制度ができますので、何かありましたらまたお声がけください。

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