人を殴ったことありますか?思いっきり殴らないと呪われますよ◆加害【ぷろおご伊予柑の大預言】
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今回はスペシャルゲストにトリさんをお招きしております。
こちらは動画;ぷろおご伊予柑の大預言を加筆編集したものです。
加害
その人は僕のなかに長らく眠っていた、眠りながら大きくなっていた怪物を連れ出していった。
「きみのなかには、なにかがいるね?」
厳重に隠していたつもりだったけど、僕のなかにいたそれが見抜かれてしまった。だから怖くなって咄嗟に拒絶した。だってこれは僕を脅かす秘密で、見られてはいけないものだと思っていたから。
「あぶないよ、そいつはとってもわるいやつなんだ」
僕はその人が怪物に近づいて傷ついてしまわないように、警告をした。みんなこいつの姿を見たきり、どこかへ遠ざかってしまう。まるで見てはいけないものをそこに見たかのように、僕自身がそれであるように、嫌悪するんだ。
だけど、「私のなかにもきみと似たようなものがいるよ。そしてそれは私にとって重要な私の一部なんだ」と見せてくれたから、この人は僕のことがわかる唯一の大人だと思って、怪物の眠るところへ連れていったんだ。
それきりさ。怪物が僕のなかから連れだされてしまえば、僕のなかには空洞ができた。大人になるということはこのぽっかりとあいた空洞に、なにかを詰め込むことなんじゃないだろうか。
暴力にさらされずに生きることはできるか?
伊予柑:今回のテーマは加害。人を殴ってもいいんですか?という話
ぷろおご:だめでしょ
伊予柑:でも、なんか知らんがリングっていう台の上だと殴ってもいいんですよ。すごくない?
ぷろおご:すごいよね
トリさん:たしかに。あれおかしいですよね
ぷろおご:京口さんっていうボクサーと会っていろいろ話を聞いたことがあるんだけど、すごいまともな人なんですよ。社会性があって、ちゃんとした人なんです。
でもさ、よく考えたら人を殴って生計立てようとしたことがある人ですよ。狂ってるじゃん。で、おれのことをまともじゃないとかって言うんですけど、おれはただ一緒にご飯を食べてるだけだよ。
どういう倫理観なんだろうな、全然わかんないよね。人を殴って生計立ててる人が普段はすごいまともって、いちばんこわいじゃん。
トリさん:文字にするとめちゃくちゃおもしろいんだよな〜
ぷろおご:ほぼヤクザじゃん、っておもうんですよ
伊予柑:人を殴る欲を適切に解消しないと爆発するんですよ
トリさん:まちがいない
培われた能力はなんのために?目的を持たない力は行使されることができない?
伊予柑:最近の僕は法律的なトラブルの渦中にあって、知り合いの法律詳しいマンにちょっと相談に乗ってください、一緒にジュンク堂で本を選んでくださいってお願いして、デートしたんですね。
で、今どういう状態にあって、どう困っているのかを話をしたんです。まあ、ひたすら困ってて〜と言って説明していたんですけど、そうすると、だんだん向こうがのってくるんです。まるでリングに立たなきゃいけない僕の手元に、どんどん武器が投げられてくるみたいに
伊予柑:いやあ、人間仕事しているといろんな能力を培うけど、それを使う機会って案外なかったりするんですよね。防御には使うんだけど、攻撃には使っちゃいけませんって言われてるから、お、人助けだな。これは正義だな、相手を全力で殴り倒していいんだな、って力を行使することが許される場面になると、人間たのしくなっちゃうんですよね
トリさん:すげえおもしろい話ですよね
ぷろおご:なるほどな
伊予柑:だって、攻撃しない方が不自然なわけで・・
ジムってなんなのあれ?筋力で120㌔あげられるようになって、で?っていう・・で?じゃん。それは使うためにあるんじゃないの?
その筋肉は岩とか落ちてこないかぎり要らんわけで・・
トリさん:みんなオファー待ってんだよ
伊予柑:積み重ねたんだったら、適切に発散させたほうがよくない?
伊予柑:だいたい俺の話でいうASDタイプの人って、過去に人を言葉で殴り殺したことがあるんですよ。そして、クラスで人を殴り殺すなんてひどいって糾弾されて、殴っちゃいけないんだっていうことを学習した。
そうすると学習性無気力というか、暴れない人間になっていくんですけど、そいつの攻撃性はそいつのなかで沸々とたまっていってるんです。そうしてキャスターを泣かせたり、DaiGoをいじったりするわけですけれども
あなたの性癖は、あなたがこれまでに培ったものによって方向づけられる?
ぷろおご:おれの攻撃性はデュエルで発散されていますね。デュエルってまじでハラスメントなの。言論ハラスメントみたいなもので、いちばんうざいデッキをつくったら勝ちになるから、攻撃性を十分に発揮できる
伊予柑:スポーツもそうなんですよ。ロジカル系の人はクイズに行くとか、ポーカーに行くとか、遊戯王に行くとか、そっちのほうで自分の能力を発揮する。将棋に行ってもいいですね。
で、フィジカル系の人はバスケとかサッカーに行くわけです
ぷろおご:もっと高度な話だと、殴り方にもみんなこだわりがありそうだね。おれはUFCのゲームをやるんですけど、総合格闘技のゲームをPS4でやるときもそう。とにかくおれは相手の脚を壊したい。
いろいろ倒し方はあるわけです。顔面を殴ってK.O.するのと、寝技で絞めるのと…、いろいろあるんだけど、おれは脚をだめにしたい人。
相手の脚がだんだん立たなくなってきて、どこかでヴァ!ってなるんです。それがきもちいい。そういうこだわりがある。勝ちたいとかじゃなくて、脚を壊したい。殴るのも脚を蹴るためみたいな
伊予柑:そういう性癖なんだ
ぷろおご:脚を壊すには、相手の注意をそらすために上にもあてなきゃいけない。決定的に脚を壊したい
トリさん:めっちゃわかる。おれ引きこもりで、元吹奏楽部なんですけど球130キロでるんですよ。
伊予柑:いま、まったく関係のない単語が3つあったよね。
「吹奏楽、130キロ、引きこもり、」
トリさん:スポーツ経験は小学生終わってるんです。で、引きこもる3ヶ月前までは太鼓を叩いてて、いまは130キロだすんです
伊予柑:お、おう、すごいね
トリさん:めっちゃすごいでしょ。
僕も自分の能力を発揮してるときはめちゃめちゃ気持ちいい。なにが気持ちいかって、球に体重をのっけて切ってる感覚もそうなんですけど、なにより音なんですよ。
パァアアン!ってキャッチャーミットが立てる音が、強ければ強いほど、いい…ってなるんです。あの音が好きすぎて。
だから、僕はキャッチャーボールが好きだし、対戦ではバッターなんてまったく眼中にないんです。キャッチャーミットだけを見ている。お前!打つなよ、邪魔すんじゃねえっていう感じなんです。音を奏でろ!!って感じです
伊予柑:それでカキーンっていったらどうなるんですか?
トリさん:それはもう屈辱ですよ。俺はグローブを鳴らすために投げてるんだから。性癖ですね
発散されにくい欲望が人々を歪にさせる。その解消方法を知った者だけが変態になれるのだろうか
伊予柑:遊戯王も特定のカードで勝ちたい、このペアで勝ちたいみたいなの、めっちゃありますよね
ぷろおご:いちばん攻撃性を発揮するやり方があるんですよね。その人なりのこだわりのやり方じゃないと、殴ったといっても発散されないというような
トリさん:討ちとって勝っちゃダメなんですよね。三振じゃないと
伊予柑:もう完全に黒ソックスじゃないとオナニーしないみたいな感じの、それぞれいろんなこだわりがあるんですね
ぷろおご:たとえば、女は男にどれでもいいじゃんって言うじゃん。男は、は?ってなってるよね
ぷろおご:そういうことなんだよね、攻撃性って結局そういう欲望をどう発散させるかみたいなところと近いじゃないですか。発散させるっていうのがだいじ。おもしろいな。
法的なハラスメントで発散される人がいるし、殴るのが好きな人もいるし。そう考えると殴れば気が済む人って攻撃性が低いよね
伊予柑:法的な蓄積を10年して殴りたいやつの欲望ってなかなか発散されないじゃないですか
ぷろおご:ほんとうの意味でくらってくれないと
伊予柑:プログラミグとかはわりと発散しやすいと思う
加害欲求をひとりで完結させて、発散することはできないのか?
伊予柑:人間、10年ぐらいやると発散したくなるもんなんですよ
ぷろおご:たしかに、それはそうだな
伊予柑:俺が付き合っている人は20歳前後のクリエイターが多いんですけど、そういう人たちはわりと早熟なので、20歳前後でもすでに10年ぐらいノウハウを蓄積してるのね。そうすると、殴りたい時期なんですよ。
でも、世間的には殴っちゃだめなんですよね。あたりまえなんだけど、ハラスメントだめだよね。それで停滞してグルグルしちゃってるっていうのがけっこうある。
だから殴って大丈夫だよっていうふうに接して、彼らの加害欲求をまず俺が受け止めるんですよ、ミットするんです。スパァアン!スパァアアン!って。
そうするとまだいいの?って活き活きしてくるんですよ。俺が受け止められるミットってかぎられてるんですけど、少なくともロジカルに論破するとかはほぼ受けとめられる。
人を論破してはいけない、という規範を持っていても、欲望を発散させるという動きが暴力にならなければ、安全に受け止めてる相手がいれば、たのしくなってくるんです。
ぷろおご:そうね、発散ってけっこういいですよね
伊予柑:ぷろおごはいま、ちょっと余っていて、だんだんあぶなくなってきてますね
ぷろおご:ソムリエからするとね
伊予柑:ミットがない。耐えられるミットが
傷つき傷つけられることを避けると、人は孤立する
ぷろおご:さいきんツイッターもなあなあになってきた。なんかあんまり。おれがまだマシなのは、マシっていうか、ほかのそういうのとちょっとずれているのは、人とちゃんと会っていて、見えないところでちゃんと発揮できてるところがあるからだとおもう。やっぱり一対一がいちばん発揮しやすい。それがなかったらやばいですよね、たぶんね
伊予柑:友達のひとつの定義が傷つけあうことの同意なんですよ。お互いに傷つけあってもよいっていうのはかなり親友というか、それこそセックスというか、
ぷろおご:みんな傷つけあいたいんだよね
伊予柑:傷つけることそのものが悪みたいに言われてて、それはつまりオナニーは悪みたいな話。それだとたまっていっちゃう
ぷろおご:ね
伊予柑:このあいだ、会うのが2回目の仕事相手と一対一の会議のときに、あなた念能力使えますね?って聞いたんです。
操作系の念能力を使う人で、「人を支配したご経験ってあったりしません?」って言ったら、「はい、実は大学時代に13人彼女がいまして・・・」というのがでてきた。それは仕事相手に言う話じゃないじゃん。聞いた俺も悪いけどさ
伊予柑:この瞬間、相手の特性を引き出せたときってすごく気持ちいのよ
ぷろおご:わかる
自分の限界を知る人が強いのは、限界を知るまでの試行回数に支えられているから?
ぷろおご:あんまりこういうところで喋ることじゃないんだけど、まあいいか。おれって人んちに泊まったりするじゃないですか。最適解は女の人の家の家に泊まる、なんですよ。
なんでかっていうと、男の部屋って基本、超必要最低限、ひとりしか寝られない部屋か、女呼ぶようにでかいやつなんですよ。で、泊まれるような家のやつは家にいなかったりとか、家に女を呼んでたりするから全然行けない。
対して、女の子は基本的にみんな一人暮らしでも7畳とか8畳とかの部屋できっちり文化的に暮らしてるからちょうどよくて。男女関係なく泊まっていっても結果的に残ったのは全部、女の家だった。家は定期的に行かないと回路が消失するんです。最終更新みたいなかんじで
伊予柑:ルート営業だ
ぷろおご:そうすると、それぞれの家に定期的に行かないといけないから大変っていうのがあって、家ってたくさんあったほうがたいへんなんですよね
トリさん:平安時代と同じことしてるじゃん
ぷろおご:ちゃんと維持するほうが大変。あ、そろそろココが切れる、1ヶ月行ってないやばい、みたいな。そういうのを考えるコストが発生したりする
伊予柑:俺が話したその仕事相手も、自分に洗脳できるという能力があることがわかったから限界までやってみたくなっちゃうんだよね
無意味な遊びがあなたにとって重要なのは、なぜか?
ぷろおご:ある程度まではそこの能力だけでいけるよね。そこからはやっぱり現実的な問題が発生してきて、これ以上スケールしたらほかの部分で埋め合わせしないといけなくなる。オレはどこまでいけるんだろう、まだいけたはずなんだよ、みたいに。純粋に「このゲームがやりたい」とかある
伊予柑:そう、常識的に彼女は3人以下でいいでしょ。13って意味がわからん。1週間は7日だよ?
ぷろおご:そうだよね、全部違うなら彼女にする必要ないよね
伊予柑:だけどやってみたくなっちゃったらしい。増やすことに快楽を感じてるんだよね
ぷろおご:おれも一時期、合鍵何個つくれるんだろうってのはふつうにあった
トリさん:おなじじゃん
伊予柑:男ってそういうところにハマっちゃうんですよね
ぷろおご:スコアゲームに見えると、これはどこまでいけるんだろうってなる
伊予柑:性癖ですよね
トリさん:そういうのは女には理解されない。
伊予柑:合鍵、そんな何個も要らないんだよ
ぷろおご:意味はないんだけど、どこまでいけるんだろう?って
伊予柑:今は人を傷つけてはいけません、意味のないことをしちゃいけません、みたいな風潮がある。でも男はやりたいんだよ。人を傷つけたり、意味のないことを
ぷろおご:それはときに加害性になるよね
欲求を昇華させるとは、それを満たしうる可能性を限定するということ?
伊予柑:そういう欲望を一回全開にしてあげたほうが相手もスッキリして、大人に一歩近づけるんですよ。大人になると完全に自分の加害性をコントロールできるようになるんですけど、青年から大人になるのに、一回加害性は解放してあげたほうがいいんだよな
ぷろおご:なるほどね、思いきりやった経験がないとね
伊予柑:いちど限界までやれば、もうやらないわけよ
ぷろおご:やっぱり部活っていいよね、限界がわかるから
伊予柑:オレのサッカーはどこまで通用するのか、県大会何位なんだみたいな。自分の限界がわからないままモヤモヤしちゃうと、オレは本当は全国までいけたのに、みたいな気持ちをずっと持つことになっちゃう
ぷろおご:みんなどうやって発散させるんですかね。大人になった人はどうしたんだろう
伊予柑:発散しきれないと呪われるんですよ
トリさん:僕は呪われまくってます。けっこう自分に暴力性があると思っていて、兄貴をボコボコにして殺したいんですけど、とにかくそこに一点の恨みがある。それもなんか別のかたちで発散できないかな〜と思ってます
伊予柑:どうしたらいいんだろう
トリさん:池袋になにか、ものを壊すテーマパークがあるらしくて、そこに行ってみたらいいんじゃないかと
伊予柑::行ったことあります。おもしろいですよ。粗大ゴミがいっぱいあって、好きなだけ壊していいという
トリさん:解体前の家みたいなかんじですよね。瓶とかあって、死ねや!って壊すってのをフィッシャーズがやって、一時期流行ってた
ぷろおご:一時的にはいいよね。まじで衝動に駆られたときとか
ぷろおご:なにで発揮するのか、発散させるのかっていうのはけっこう大事なんだよな
伊予柑:こだわりはありますからね
ぷろおご:加害性に関するひとつの理論というか、さいきん毒親についておもうことがあって・・
伊予柑:おお、それは次回にしましょう!加害性はだいじだし、ちゃんと発散して昇華したほうがいいよっていうのが言いたいことでした。今は社会的に、加害性が過剰に抑えられてしまっているが、オナニー禁止は健康のためによくないという話。加害はオナニーでしかないんですよね。
じゃあ次は毒親でいきましょう
(加害性 完)
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