2022年1月〜3月印象に残った映画
早いもので2022年も4分の1が終わりました。ゾッとしますね。
さて、私は去年の暮れ頃から映画をたくさん見るようになりました。何をしても続かない私としては、信じられないのですが月間10本の映画を(配信含め)見ています。
その中で、印象に残った何本かを上げていこうと思います。
今まで超話題作以外は見ていなかった(年間10本くらい)もので映画の知識はほぼ皆無なため、何言ってんだこいつと思う内容かもしれないですがご容赦ください。
ベルファスト
まず、冒頭の俯瞰したカメラワークでおそらく現代のベルファストを写してから段々と視点が下がっていき、壁越しに白黒の画面に切り替わる。そのカメラが写しているのはサッカーをしたり思い思いに遊んでいる子供たち。このシーンだけで引き込まれた。
そこから程なくして不穏な出来事が起こるのだがその落差が連続性の中で生じている分、起こっていることへの主人公の混乱が身に迫ってくる。
背景の北アイルランドの紛争については全くと言っていいほど知識がなかったのは恥ずかしい限りだが、韓国映画の傑作「タクシー運転手」や「はちどり」のように、世界のどこかで起こった出来事をあくまで庶民の目線から知ることできるような映画だった。
そして、多くの人が感じていることだと思うが、3月の下旬の公開ということで、どうしてもロシアのウクライナへの侵略を想起せざるを得ない。身に迫る危機を前に、地元から逃れることが子供にとって、または大人にとってどういう意味を持つか考えさせられる。
それは、この映画が単なる監督の自伝的映画にとどまらず、現在と地続きの問題を照射できていることの証左かもしれない。
フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
ウェス・アンダーソンの映画は「ムーンライズキングダム」と「グランド・ブダペスト・ホテル」しか見ていない。
とにかく情報量が多く、フランス映画に対する造詣が深くないのでこの映画の内容を存分に楽しめているかというと難しいところだが、ウェス・アンダーソンの作り上げる世界を楽しむことができた。
雑誌の内容を映画で表現する構成は、箱庭的と形容されるような、細部まで作り込まれた映像を監督の作家性とマッチしている反面、巻き戻しができない一回性を特徴とする映画で、保存や読み返しを前提とした雑誌をどう表現するかと言う、自由と制限のせめぎ合いのようなものが面白かった。
インターネットの隆盛によって立場を追われている雑誌とコロナ禍以降、大きな岐路に立たされている映画、この2つの文化へのまなざしが胸を打った。
ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男
現実社会を反映した、社会ドラマ。主演はMCUでハルクを演じたマーク・ラファロ。ハルクといえば怒りの象徴だが、この作品でも怒りの演技が随所に登場する。
大企業を相手に単身で戦う弁護士という、本質的には負けが決まっているような戦いを続ける主人公の姿は、見ていて苦しくなってくる。
序盤にはあちら側のストーリーとして展開されていた物語が、劇中に明かされるある事実をきっかけにこちら側にも迫ってくる展開には恐怖を感じざるを得ない。また、「カントリーロード」が流れるタイミングなど随所に見られる演出がとても効果的だった。
最初は、依頼主が「狂っている」ように描かれているが本当に狂っているのは誰なのかを問いかけてくる映画。
映画の感想って難しい
何を書いても陳腐な感じになってしまったり、情報と感想の塩梅とか難しいなと思いました。面白かったのは間違い無いです。
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