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ウォークマンの気遣い


高校生のときから使っている10年もののウォークマンを引っ張り出してきた。


昨今はYouTubeなんかで検索すればシングル曲だったら大抵の曲のミュージックビデオが出てくる。

わざわざウォークマンで聴く必要がなかったのでクローゼットの奥に放ったらかしになっていたのである。


存在を忘れていたわけではない。充電が面倒だったからさ…


ふと以前はまっていた曲を聴きたくなってそういえばとウォークマンの存在を思い出した。結局忘れてたんかい。



高校生のときは音楽が好きだった。


登下校の電車も、勉強するときも、いつも音楽を聴いていた。


軽音部に入って放課後も土日も毎日練習していた。



そのくらいこのウォークマンと、ウォークマンに入ってる曲と一緒に過ごしてきた。



ドリカムやコブクロみたいな、ザJ-POPを聴くこともあれば
ポケモンやけいおん!のアニメソング、
ホルモンやslipknotといったヘビーなロックを聴くこともあった。



そんな私の奇想天外な選曲にも一切動じることなくいい感じにシャッフルして流してくれたウォークマンには感謝の念が込み上げてくる。というとこれは過言である。



このウォークマンは、曲調からその曲に合うシーンを識別して、シャッフルで曲を流してくれる機能があり、通勤中に「朝のシャッフル」というプレイリストを聴いてみた。



4000曲以上入っているうち1000曲は「朝のシャッフル」に該当するらしい。


初っ端からSuperflyのアルバム曲というチョイスだった。


確かに朝の爽やかな感じにSuperfly、しかもマイナーな曲とはなかなかツウである。


嫌いじゃないぜ✨


何曲かそれっぽい曲が流れたあと、

クリープハイプの声が聴こえた。



クリープハイプは夜なんじゃない?

まあ声は高いしテンション上げてこうぜみたいな朝に合うと判断されたんかな?



私はウォークマンの判断を疑った。





でもウォークマンの画面を見て目を疑った。



「寝癖」


そう、その曲のタイトル。



私は心の中でウォークマンに全力で土下座した。



ウォークマン様、申し訳ありませんでした。




私より曲のことをよくご存知なのに、慢心でした。


この気遣いはきっと日本企業だからこそ出来ることなのだろう

(たぶん違う)

朝からとっても素敵な気持ちになったというお話。

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