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\国民生活センターが適合マーク未表示ヘルメットの調査結果を?!/【ゲストコラム】自転車用ヘルメット緊急事態宣言! 「(その4)

オートバイ用/自転車用ヘルメットのメーカーとして、各シーンで頑張っている「人」を通じ、ご本人によるレポートやコラムなどを掲載しています。
今回は自転車ジャーナリストの浅野真則さんによる、自転車用ヘルメットを取り巻く危惧すべき現状レポートの4回目。「国民生活センター」の調査発表について解説していただきます。



「自転車用ヘルメットとして販売されているヘルメットの中に、自転車用の安全規格をクリアしていないヘルメットがある」という問題についてレポートしてきた緊急連載。今回は国民生活センターが公表した適合マーク未表示の自転車用ヘルメットに関する調査結果について概要をお知らせします。

🔬国民生活センターが適合マークのないヘルメットについて調査

消費者問題をはじめ、国民生活に関するさまざまな調査を行う独立行政法人・国民生活センターが7月、適合マーク未表示の自転車用ヘルメットに関する調査結果を公表しました。今回の連載に関係する内容なので、概要をまとめてお知らせします。

https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230712_1.html

👇報告文書PDFはこちら( 項目;7 )

https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230712_1.pdf

🗒️上記PDF報告文書の
7.規格等への適合マークが表示されていなかったヘルメットに関する調査
より

同センターの発表によると、テスト対象やテストの方法、テスト結果は下記の通りです。

【テスト対象】
2023年4月に大手ECサイト(アマゾン、ヤフーショッピング、楽天市場)で扱われている自転車用ヘルメットのうち、以下の3つの条件に当てはまる9銘柄。

「自転車用ヘルメット」および「自転車用ヘルメット 子ども用」で検索した際に上位に表示された商品
●「自転車乗車時に使える」旨の記載あり
●WEBまたはヘルメット本体に安全性に関する企画の適合マークが表示されていない

【テスト方法】
SG基準を参考に、
1️⃣衝撃吸収性
2️⃣保持装置の強さ
3️⃣保持装置の性能
4️⃣表示

の4項目について調査

⚠️適合マーク未表示のヘルメットの多くはSG基準を満たしていない❗

【テスト結果】
1️⃣衝撃吸収性

→9銘柄すべてで SG基準を満たしていない
「SG基準では、ヘルメットを人頭模型に装着し、所定の速度(≒高さ)で落下させる衝撃吸収性試験を行い、衝撃加速度(G)の大きさと継続時間で衝撃吸収性の高さをテストします。衝撃加速度が大きいほど頭部へ傷害を発生するリスクが高いと考えられます。今回テストした9 銘柄すべてで、SG基準の衝撃吸収性を満たしていませんでした。」

2️⃣保持装置(締結具を含むあごひも)の強さ

→9銘柄中8銘柄がSG基準を満たしていない
「SG基準では、装着状態のあごひもに負荷装置を取り付け、あらかじめ下向きに一定の荷重をかけたうえで負荷装置の落下重すいを所定の高さから落下させる試験を行い、あごひもやバックルの強度をテストします。保持装置の強度が足りないと、事故の際にあごひもが切れたりバックルが破損してヘルメットが脱げる可能性があると考えられます。
試験の結果、6銘柄では、保持装置が破損し、1銘柄はあごひもの強度が不足、1銘柄は、あごひもがないため、SG基準を満たしていませんでした。」

3️⃣保持装置の性能(脱落しにくさ)

→9銘柄中6銘柄がSG基準を満たしていない
「SG基準では、ヘルメット後端にフックをかけて、ワイヤを介して前向きに所定の荷重で引っ張ったとき、ヘルメットが人頭模型から脱落しないかテストします。これは事故の際にヘルメットが脱げないか、保持装置の性能を確認するためのものです。
このテストでは6銘柄がSG基準を満たしていませんでした。」

4️⃣表示
→9銘柄中4銘柄でヘルメット本体に使用上の注意などの表示がみられない
「SG基準では、ヘルメットに1)自転車用ヘルメットであること、2)使用年齢範囲、3)製造業者、輸入業者等の名称等、4)製造もしくは輸入年月、5)大きさ、6)使用上の注意といった項目を表示することとされています。9銘柄のうち、4銘柄のヘルメット本体には上記項目の表示がみられませんでした。」

→9銘柄中7銘柄で取扱説明書などが付属していない
「SG基準では、使用上の注意などを取扱説明書に記載して添付することが求められています。商品への取扱説明書の添付の有無と記載内容の調査では、7銘柄には取扱説明書が付属していませんでした。」

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⛑️自転車用の安全規格をクリアしたヘルメットを試着して購入しよう

これを受けて国民消費生活センターは次のように呼びかけています。

自転車用ヘルメットは、自転車用の安全規格をクリアしたことを示すマークが表示されているものを選びましょう
「自転車で使用できる旨を記載し販売されていたヘルメットのうち、安全規格の表示がされていないものでは、衝撃吸収性、保持装置の強さ、保持装置の性能が低いものがみられました。自転車の乗車用ヘルメットを選ぶする際は、SGマークをはじめ、自転車用ヘルメットの安全規格をクリアしたことを示すマークが表示がされているものを選ぶと良いでしょう。」

●購入時は実際にかぶってフィットしているか確認を
「頭囲の形状は人により異なり、ヘルメットの頭囲の形状もさまざまです。可能であれば実際にかぶってみて、自分の頭にフィットしているかを確認するとよいでしょう。」

●取扱説明書を読んで正しく使用しましょう
「自転車の乗車用ヘルメットは、頭部に適合した大きさ・形状のものを正しく着用することで最大の効果を発揮します。SGマークをはじめ、自転車用ヘルメットとしての安全規格をクリアしていることを示す適合マークが表示がされている製品であれば、取扱説明書には、正しくサイズ調整すること、高温・高熱になる場所への放置や保管を避けること、一度でも大きな衝撃を受けたら使用しないこと——といった注意事項のほか、購入後の有効期限年数などが記載されています。よく読んで正しく使用しましょう。取扱説明書が付属していない場合は、販売事業者等に確認しましょう。」


国民生活センターはこれらの検証結果を、消費者庁・こども家庭庁・経済産業省に報告し、さらにインターネット・ショッピングモール運営事業者への協力も呼びかけているそうです。
さらに先日は、ヘルメット製造業者で構成されている「日本ヘルメット工業会」からも「衝撃吸収ライナーの入っていないヘルメット」に対する注意喚起がありました。消費者の勘違いを誘発する恐れのあるこれら製品に対して、注意が必要ということですね。つまり自転車用ヘルメットを購入する際は、自転車用の安全規格をクリアした製品選びに対する知識を持ち、必ず試着して自分に合うものを購入しましょう。

👇リンク

https://www.facebook.com/writerandriderasano

👇(その5)

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