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座位での股関節屈曲

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主に働く筋肉:大腰筋
(腸骨筋も共に働くが、腸骨筋は股関節の屈曲・外旋に働く。)

大腰筋の働きで主なものは、
①下部腰椎の安定化
②遊脚初期の下肢の振り出し

ですが、なんといっても大事なのが①です。

大腰筋は、腰椎の椎体の前方から仙腸関節の前面に「這うように」起始していて、前方からの「腰椎の押さえ」を担当する、唯一の筋です。

下位腰椎の疾患には、「腰椎すべり症」や「腰椎分離すべり症」がありますが、そういう患者さんは、たいてい大腰筋の筋力低下があるようです。

下肢が固定された場合には、大腰筋は、股関節屈曲および腰椎の前弯に作用します。大腰筋が「腰椎伸展の主動作筋でしょ?」とおっしゃられている、超有名な某先生もいらっしゃいます。

②の遊脚初期の下肢の振り出しについてですが、振り出しに大腰筋が使えないと、大腿直筋を下肢振り出しに多用するような印象があります。
その場合、「あしがつっぱって、足先が引っ掛かる」(特に片麻痺の症例)ようになってしまうので、片麻痺で随意性が落ちていても、この筋を賦活することは重要です。

方法:床から10センチくらい、下肢を持ち上げる。

大腰筋:
起始:浅頭:第12胸椎~4腰椎までの椎体および椎間円板 深頭:全腰椎の肋骨突起
停止:大腿骨の小転子
支配神経:腰神経叢の枝 L1~L4
主な働き:股関節を屈曲、わずかに外旋

<石井直方監修 左明・山口典孝共著 筋肉のしくみ・はたらき辞典 西東社>


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