【1話】 ドメインうぉーず! 〜EP1 空とNULLの虚構姉妹〜
3話までのあらすじ
3話までのざっくりな基本設定
3話までの主な登場人物
EP1 空とNULLの虚構姉妹
1話
〇マンションの外(深夜)
2035年
深夜のマンションの外。
大雨が降っている。
この日、少女のテラリウムのように小さな世界は砕け崩れた。
有海 空「……ごめんね、おねぇちゃん……玖弎のことを見て吐いちゃった……。でも、もう吐かないから大丈夫だよ……」
雨に濡れた黒髪ロングの少女、有海 空は虚な瞳に涙を浮かべ、地べたで血と水が混じり合い、あらゆる部位が歪み原型をとどめていない茶髪の少女、有海 玖弎の手を握っている。
有海 空「ふへへ、私が殺しちゃったんだ……。やっぱり、玖弎にとって役に立たなくて信頼も相談もできない姉だから愛想尽きて置いていちゃったんだよね?」
有海 空「…………もう……空っぽだし……いいよね……」
空はふらふらと立ち上がり、どこかに向かおうとするが、
突如、琴切れたかのように倒れて意識を失う。
すると入れ替わるように死んだはずの妹が壊れた人形のように関節を歪ませながらゆらりと立ち上がり、倒れた空を目から涙のような血を流しながら見つめるのだった。
〇病室
空は病室で目を覚まして、辺りを見回す。
そこであり得ないものを目にする。
有海 空「く……み……?」
瞳には五体満足の姿で眠る最愛の妹の姿が映る。
だけど、妹が目を覚ますことはなかった。
有海 空「(私は目の前で最愛の妹の完全な死を確認したはずだった)」
有海 空「(でも、その現実は幻のように覆されてしまった)」
〇学校の教室(放課後)
半年後
放課後の学校の教室
???「ていっ」
空の前の机にいる金髪ショートカットの少女が机で寝ている空にチョップする。
有海 空「きゅっ!?」
???「よう、彼女、ツラ貸せよ」
有海 空「…………」
空はジト目で睨んで、もう一度机で寝た。
???「おい、ツラを隠すなよっ!」
有海 空「……どうせ、黒霧さんのことだから、課題の答え見せろっていうんでしょ」
黒霧 陸「よくわかったな。さすが、ぼっち回避の協力者」
有海 空「次それ言ったら、二度と課題見せないし、口も聞かないし、泣いて家に引き篭もる……!」
空は涙目で顔を上げる。
黒霧 陸「わ、悪かったよ。てか、泣くなよ……」
有海 空「ん……」
面白くなさそうな顔で空は黒霧に数学の課題の紙を渡した。
黒霧 陸「へへ、サンキュー」
有海 空「……頭いい癖になんで人の課題の解答写そうとするのかな……」
空は自分の机で課題の解答を写している黒霧を見てため息を吐く。
黒霧 陸「そりゃ、人間楽したいからだろー」
有海 空「うわぁ……」
黒霧 陸「引くなよっ! ……せっかく、面白い話聞かせてやろうと思ったのに……」
有海 空「また変な都市伝説?」
黒霧 陸「変だからロマンがあっていいんだよ。別に話してるこっちも半信半疑だしな。それに前話した、人工超知能の話は面白かったろ?」
有海 空「技術的特異点は人類が滅亡と誕生を繰り返す輪廻で何度も到達していて、その過去の遺産である人工超知能の技術を某企業が持ってる? っていう話だっけ? 割と根拠のあるソース見せられてびっくりしたけど……」
黒霧 陸「だろ? まあ、時間以外減るもんはないんだから、聞いとけ」
黒霧はニヤリと笑い空にペンを向ける。
〇街灯に照らされた夜道
少女 「はぁ……! はぁ……! はぁ……!」
少ない街灯に照らされた夜道に制服を着た少女の足音が響き渡る。
だが、走っているのは少女だけではなかった。
少女を追いかけるように背後から離れた街灯は一つ二つと消えていく。
少女 「何なのよ……!? 一体私が何をしたって言うのよ……!?」
恐怖と怒りが混じった声を漏らす。
でも、立ち止まってその恐怖と怒りを与えた対象に立ち向かうことはしなかった。
立ち止まれば死ぬ。
それだけはわかる。
心臓が激しく打ち鳴り、それにより、怒りよりも焦りと恐怖が加速する。
後方を振り返りながら走っていても誰もいない。
ただ街灯が少女を闇に呑みむように消えていくだけ。
けど、後ろなんて振り返ったのが間違いだった。
何もない水平な地面につまずき転ぶ。
少女 「っ……!」
転んで立ちあがろうとするが体が動かない。
少女 「だ、誰かーー」
助けてと言おうとしたが、声が掠れて言葉が出力されることがない。
息遣いが乱れ始める。
そして、息遣いのスピードと共に街灯がどんどん雪崩のように消えた。
目の前は真っ暗になった。
全身から嫌な汗が流れ始める。
そのときだった。
???「ごきげんよう、社会のゴミの悪人さん♪」
耳元から甘く冷たい声が流れる。
少女 「ひっ……! ど、どうして……!」
その声を聞いた少女の体は震える。
???「あなたの天命を教えてあげる♪」
??? 「答えはー……███に捌かれること♪」
その言葉と共に何かが飛び散る音と抉る音が闇夜で共演する。
断末魔の叫びが消えるまで。
〇学校の教室(放課後)
有海 空「なんか、唐突に謎のサイコホラー作品のワンシーン聞かされんたんだけど……!?」
黒霧 陸「まあ、最後まで聞け。この話だがこの市内の不特定多数の人間に神の視点の鮮明な記憶として刻み込まれているみたいだぜ」
有海 空「き、刻み込まれる……?」
黒霧 陸「謎だよな。しかも、殺された奴は記憶が拡散されたタイミングと同じ時間に交通事故で亡くなっている」
有海 空「……な、何それ……」
空の顔が少し青ざめる。
黒霧 陸「さらに、その記憶が移植された人間のOSには身に覚えのない謎のクロ背景の赤目のアプリがインストールされてる」
黒霧がそういうと黒霧の目の前にホログラムの長方形の画面が現れる。
画面にはアプリのアイコンが並んでいる。
その中でカメラのアイコンをタップすると、空中からホログラムのカメラが現れる。
黒霧はそれを掴むと空に向けてカメラを向ける。
黒霧 陸「そのアプリは悪人をカメラに映して、そいつがどんだけ悪人であるかのテキストを添えて送るとそいつを殺してくれるらしい」
フラッシュ音が響く。
有海 空「……!?」
黒霧 陸「お前も殺されるかもな。あの記憶の少女のようにな」
有海 空「なっーー」
黒霧 陸「なーんてな♪ 幸薄そうな美少女の写真ゲットー」
有海 空「ば、ばかにしてるのかな……!? というか、写真消してっ!!」
黒霧 陸「どうしよっかなー」
有海 空「すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ」
黒霧 陸「わ、わーたって、ほら消したっ! 持ってたら呪われそうだわ!」
有海 空「…………」
空は虚な目で黒霧を見る。
黒霧 陸「こ、こえーよ……。お前、ほんとに撮られんの嫌いなんだな……」
有海 空「……うっさい」
黒霧 陸「へいへい……。……よし、課題写し完了ー。なんで、この時代になっても相変わらず紙なんだか」
有海 空「……デジタルだとズルするのがもっと簡単になるからじゃないの? ……あっ」
空は教室の時計を見ると椅子から立つ。
有海 空「そろそろ、行かないといけないとこがあるから帰るね」
黒霧 陸「あー、了解お疲れ。達者でなー」
有海 空「勝手に長い別れにしないで……!?」
〇校門
外に出ると空は快晴だった。
でも、空は死んだような目で空を見上げる。
有海 空「(こんなに晴れてるのに、全然晴れないや……)」
???「空っ……!」
有海 空「……蓮……花っ……!」
校門を出て、右を向くと白地の制服を着た茶髪のポニーテールの小柄の生徒が空に向かってきた。
空は目を逸らして逃げようとすると腕を掴まれた。
龍上 蓮花「待ちなさいよ……!」
その掴んでいる手はなぜか震えている。
有海 空「……何か用?」
龍上 蓮花「……何か用がないと会っちゃダメなの……? 幼馴染なのに……」
有海 空「別にもう接点とかないと思うんだけど」
龍上 蓮花「どうしてそんなこと言うの……? 私、もしかして空の嫌なことしちゃったのかな……?」
有海 空「別に……」
龍上 蓮花「じゃあ、どうして去年からずっと私のことよそよそしく避けてるのよ……! 何があったの……!? 前だったら些細なことでも相談とかしてくれたのに……」
有海 空「今更それを聞いて何か変わるのかな。適当に共感して、綺麗事だけ並べても何も進展なんてしないと思うよ?」
龍上 蓮花「……確かにそうかもしれない。 だけど、辛いことや悲しいことがあるならーー」
有海 空「やめて!!」
蓮花の空を見る目は純粋で真っ直ぐな瞳でそれは太陽のようで、影に落ちた惨めで陰湿で滑稽な自身を焼き殺しかねないほどだった。空にとってそれは暖かな救いなんかではなく地獄そのものだ。
龍上 蓮花「……え」
掴む手の力が弱まった瞬間を見逃さずに空は蓮花の手を振り解いた。
有海 空 「もう私に関わらないで……! その軽率な優しさで傷つく人がいるって、どうしてわからないの!? ねぇ、私をそんなに苦しめたいの……!?」
龍上 蓮花「……わ、私、そんなつもりじゃ……!」
有海 空「……さようなら。私ような人間ほっといた方が有意義だと思うよ……」
これでいいんだ。
これでいいんだ。
これでいいんだ。
その言葉を何度も反芻させながら、全てに背を向けて空は走り出した。
だって、人と深く関わることが怖くなった私があの子と一緒になんていられるわけがない。
それに蓮花には私なんかより相応しい友人なんて山ほどいるだろう。
そう言い聞かせて、空は首にかけてあるヘッドフォンで耳を塞ぐ。
それでも、幼馴染の涙混じりの声が聞こえてくる。
止まるな無視しろと自分の奥底にあるものに言い聞かせながら、声が聞こえなくなるまで空は走り続けた。
機械音声 「交友関係のトラブルでスコアが低下しました。ランクがDに降格しました。ランクがFになるとーー」
有海 空「うるさいっ!!」
ヘッドフォンで塞ごうが脳内再生される空気の読めない機械音声と自分に空は苛立ちを覚える。
そして、声が聞こえなくなった先で息を切らせながら、ヘッドフォンを外す。
澄んだような青い空を見上げて空はため息を吐き、「サイテーだ……」と呟いた。
〇ゲームセンター
空はゲームセンターの建物を通り過ぎると足をぴたりと止める。
有海 空「(……少しだけ、気晴らししよ……)」
空は引き返し、ゲームセンターにあるガンシューティングのある場所に向かう。
???「(妹よりもゲームを優先するとは中々に鬼畜)」
空の脳内に少女の声が響く。
その声は空の妹と同じ声だ。
有海 空「(ぬ、ヌル……。違う……モヤモヤしたままあの子のところに行きたくないから……。さっきのどうせ盗み見してたんでしょ)」
ヌル「(別に空が何を考え何をしようが自由だから好きにすればいい)」
有海 空「(なんで、ちょっと不機嫌なの……? あと、150回以上言ってるよね。この声と口調で私に話しかけないでって……)」
ヌル「(では、これだとどうかな?)」
声がダンディなイケおじのような声に変わる。
有海 空「(変なトンチ効かせないで……!? ……ジィにそういう風に玖弎の性格も声も似せてプログラムされたのか知らないけど、もうほっといてよ)」
有海 空「(あなたが悪いわけじゃないよ……。悪いのは音信不通のくせに、こんなことするあの人だよ……)」
ヌルは玖弎がああなってしまってしまった日に私に接触してくるようになった。
ヌルという名前は名前を聞いた時にそんなものはないっていうからその時につけた適当で酷い名前。
自身のことを一切語らないけど、なんとなくARゲームを開発している会社でAIエンジニアをやっている祖父が作ったものだと思った。
そして、同時に大好きで尊敬していた祖父に強い嫌悪感を抱くようになった。
ヌル「(あなたの祖父と私は関係ない)」
有海 空「(じゃあ、どうしてあなたは何者なのか、誰が作ったのか、何が目的なのか教えてよ?)」
ヌル「(…………)」
有海 空「はぁ……」
脳内の声が消えるとちょうど、ゲームセンターのガンシューティングのあるエリアに辿り着く。
しかし、先客がいた。
有海 空「(……語彙力壊滅的だけど、すっごい人いる……)」
空の目の先には着物纏った青みがかったハーフアップのお団子の髪型の少女が、優雅な立ち振る舞いでハンドガンで画面の敵兵を撃ち抜いている。
それは無駄のない動きで攻撃も回避しながら撃ち漏らしも一切なかった。
終了してスコア画面が表示されると少女はゲームを終了され、くるりとその様子を見ていた空に笑顔を向けてお辞儀をする。
空もそれつられて慌ててお辞儀をする。
少女は頭につけているダークヒーローのようなお面を被ると、空の横を通り過ぎる。
着物の少女「明日の月はきっと綺麗でしょうね。ソラさん」
有海 空「……!?」
空が振り返るとそこにはあの少女がいなかった。
額に嫌な汗をかきながら、空は首を振って、ガンシューティングの画面のスコアを見ると1位だったソラと記載されている自分のスコアが2位になっていた。
有海 空「(マキナ……。さっきの人の名前? それにあの人なんで私の名前……)」
空はせっかく気晴らしに来たのにと首をもう一度振ってプレイを始めて、
1位の座を取り戻した。
〇病院
有海 空「(結局、あんまり気晴らしにならなかったな)」
空は小さくため息を吐くと視界にポップアップが表示される。
有海 空「……」
ポップアップに表示されたのは友達との仲直りの方法とか都市伝説系のネットのおすすめ記事や動画の一覧だった。
ポップアップを消して、病院の自動ドアを抜けたときだった。
ヌル「(……!? 待って……!!)」
有海 空「なっ……!? 」
空の視界がアナログテレビの砂嵐に切り替わる。
しばらくすると砂嵐から解放され現実の光景が広がる。
それはよく知る病院のエントランスホールだった。
だけどそれは空の知る日常の光景とはあまりにもかけ離れていた。
床に転がる赤い鎖で縛られて悪夢か何かにうなされる人達。
その人たちを受付台の上で座り込みながらその様子を静かに眺める二人の仮面の何か。
一人は黒いフードを纏った涙を流す赤い目が描かれた白い仮面、
片方は赤いローブを纏った2本の角を生やした生物の頭蓋骨のような仮面だ。
2本角の仮面の方は首や腕がロボットのような金属の機械で明らかに人間ではない。
2本角の仮面は空を見ると受付台から飛び降りる。
???「夢裏殿……もう、狩ってもいいですかねぇ?」
2本角の仮面は機械のような声で怪しげなハンドガンを手のひらで遊ばせる白い仮面を夢裏と呼んでゆらゆらと空に近づきながら尋ねる。
夢裏 悦「いいや、イケロス、一流の狩人ってのは獲物を確実に絶望まで追い詰めて確実に仕留めるんだよ。わかるかなぁ〜」
イケロスと呼ばれた2本角の仮面は「ああ!」と手のひらを拳で叩く。
イケロス「なるほど、理解できしたよぉ。ええ、よくわからないので後で3000字程度で説明してくれませんかねぇ?」
夢裏は受付台から飛び降りて助走を付けてイケロスを殴る。
イケロス「ぐはっ!!」
夢裏 悦「フォアああああああああ!?」
びくともしていないのにイケロスはダメージを受けたような声を上げ、夢裏は殴った拳を押さえながら床に転がり絶叫する。
夢裏 悦「やっぱお前、日本語も頭もおかしいだろ!! くそくそくそくそくそくそくそくそ!!」
有海 空「(……玖弎っ……!)」
空はその様子を見て恐怖に怯えながら、逃げようとせず妹の玖弎の病室に行こうとする。
夢裏 悦「おいおい、イカれてんなぁアンタ……! まあ、出口はもちろんロックで塞いでるけどなぁ……!」
夢裏はフラフラと拳を押さえながら立ち上がり、空の行手を阻む。
有海 空「な、なんなの……!? それにどうしてこんな酷いことするの……!?」
夢裏 悦「酷い? それはお前だろ有海空。この社会のゴミが」
有海 空「ど、どうして私の名前を……! あ、あなたたちは一体ーー」
夢裏 悦「ちょうどいい、地獄に行く前に自分の罪を教えてやんよ」
夢裏はそう言って指を鳴らすと、空の目の前にホログラムの画面が表示される。
その画面には
殺害依頼
ターゲット
有海 空
彼女は自分より弱いもの、立場の下の人間を痛ぶって悦楽に浸る悪魔です。
私は彼女に苦しめられていますどうか裁きを下してください。
それは複数枚の画像と依頼文らしきものだった。
それは恐怖で涙を流している女の子を人通りの少ない場所で暴力で傷つけていたり、足で踏みつけたりしているものだ。
それは空にとって一才身に覚えがないものだった。
夢裏 悦「俺たちは掃除屋だよ社会のゴミをこの世から無くすためのな」
有海 空「ご、ゴミって、こんな人を縛り付けたりする人たちなんかにーー」
夢裏 悦「あぁーこれは必要な犠牲だよ俺たちの正義を実行するためのなぁ」
夢裏は片手で仮面を押さえて、乾いた笑い声を漏らす。
有海 空「何を言ってるの……? それに私はこんな風に人を傷つけてなんか!」
夢裏 悦「じゃあ、お前は今日に至るまで誰一人傷つけたことが無いと言えるのか……?」
有海 空「……っ!」
空の脳裏に妹と友人だった少女の顔が脳裏をよぎる。
夢裏 悦「へっ……所詮そんなもんだろうな……」
有海 空「ち、違う……! こんなのディープフェイクにーー」
夢裏 悦「それはねーよ。なぜなら、これはMによる啓示だからだ……」
有海 空「え……む?」
夢裏 悦「Mはイルミゲートの創設者であり、新世界の神から写真に写った人間の全てを知ることができる恩寵受けた選ばれた存在……!」
夢裏 悦「Mは俺の絶対なんだ俺の正義なんだ俺の存在意義なんだ。だから、お前は絶対悪だ……。……それで十分だろ?」
有海 空「…………そんな、盲信で……」
夢裏 悦「……あぁ? 今なんつった……?」
有海 空「そんな盲信で人を簡単に殺すの……?」
夢裏 悦「……はははははは……! なるほどねぇ……ははは、ウゼェし、つまんねぇなお前……!! ……イケロス、もう狩っていいぞ」
イケロスはひひと笑いながら、空に向けて手を向ける。
イケロス「いいのですかぁ? 狩りと正義にエンターテイメントを求めているあなたが?」
夢裏 悦「エンターテイメントなんかじゃねぇ、これは俺の美学であり、存在証明の証だ。けどなぁ、一番嫌いな俺の絶対を否定するクズだった場合はその全てを捨てる……!」
イケロス「なるほどぉ。よくわかりませんが、理解しましたよぉ。では……さようなら……お嬢さん」
2話
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?