2024/04/05 初恋の人へ。
オガワ、生きています。どうもこんにちは。
人生、色々ありますね。色々ありすぎて収拾がつかなくなったりして、あばばばばとなっていた数ヶ月を送っておりました。
ついっ……Xですね、失礼いたしました。そちらも更新できず、そろそろ息絶えたか? と思われるような状況。
そんな中ではありますが、唐突に初恋の人のことを日記にしたためるオガワ。
実は今日、初恋の人の誕生日なのです。
毎年0時になるとメッセージを送ります。
勘違いしないでいただきたいのは、ずっと好きだから……とか「やましい想い」はこれっぽっちも持ち合わせていないということです。
ここから、ちょっぴり長い戯れ言にお付き合いください。
◇
私が初恋の人と出逢ったのは、中学1年生の時。
2つ年上の生徒会で会計を務めている先輩でした。
文化祭直前のリハーサルで、演劇部だった私は端役。下手(しもて)で様子を伺いながら、自分にできることをしておりました。
その近くでマイクを揃えている先輩が、私に向かって(周りに誰もいなかったので、間違いなく私に言いました)
「マイク、食べるなよ?」
は、はあ!?
何を言い出すんだ、この人は? どこの世界にマイクを食べるやつがいるんだ。
変人だ、変人。あんまり関わらないでおこう。うん、今決めた。
中学1年生の私は、この奇妙な先輩の言動に素直にそう思いました。
翌日、文化祭本番。
私の出番までもうすぐ。下手のカーテンをぎゅっと握りしめて出番を待っていると、昨日の奇妙な先輩がストップウォッチを持って現れました。どうやらタイムキーパーの役割を担っているようです。
「緊張してるだろ」
「し、してません!」
「いやしてるな、俺にはわかる」
下手で小声の会話。不思議と緊張が解けていく感じがしました。
私の出番です。さあ走るぞ! とその瞬間――
「いけ!」とばかりに、その先輩が私の背中を押したのです。
その押された背中が妙に温かく感じたのは、気のせいではないはず。
きっとその時に私は恋に落ちたのでしょう。
中学生の頃の私は、恋愛に積極的な面がありました。
先輩の教室は2階、私たちの教室は1階。
先輩がいつ近くの廊下を通るかも把握していたので、偶然を装って何度も先輩に声を掛けました。今でいうストーカーです。学校内犯罪ダメ絶対。いや、どこでも犯罪ダメ絶対。
人生で初めての手作りバレンタインチョコは、その先輩にあげました。
人生で初めての告白は、その先輩にしました。
望みがないことは分かっていましたが、先輩は優しく断ってくれました。
ここで終わるお話だったら、最初の「現在の私たちの関係」は成立しないでしょう。
終わるかと思いきや、これがお話のスタートだったのです。
先輩とは年賀状を送りあっていたので、住所は把握済み。
先輩が中学を卒業した後に手紙を送りました。
すると、先輩から達筆な字でお返事が届いたのです。
私、びっくり。
――それから「失恋した相手との文通」が始まったのです。
先輩は高校生で忙しいだろうからと、2ヶ月に1通程度手紙を送り、先輩がお返事をくれれば即返信していました。
そんなちょっと奇妙な文通は私が高校生になってからも続きました。
先輩の進学した大学のオープンキャンパスに参加して、大学を案内してもらったりもしました。
短大を卒業して社会人になってからは頻度は減りましたが、手紙は時々送り合っていました。
でも、本当に頼りたい時に頼れませんでした。
私が病気になってから、何年も手紙を出さずにいました。
先輩にはいい恰好をしていたかったからかもしれません。
◇
SNSって便利だな、と思ったのは手紙のやり取りが途絶えて約15年の歳月が流れてから。
きっとあの先輩はSNSをやっているはずだと、Facebookを頼りに探したら、すぐ見つかりました。すぐに友達申請を出して、友達になり、LINE交換をしました。
そして今年も「先輩、お誕生日おめでとうございます」と無事言うことができました。
「毎年一番最初にメッセージをくれるのはヒカリちゃんだよ」
そう言ってくれる先輩は、いつまでもあの頃のままの優しい先輩です。
お誕生日、おめでとうございます。