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フルブライト奨学生になるまで③

みなさんこんにちは。
今日はフルブライト奨学金を受けるにあたり、どのような準備をしてきたか、受け入れ先大学へのアポイントをどのように取ったか、の2点についてお伝えします。

フルブライトの選考日程

選考は、①予備審査 ②書類審査 ③面接審査の3回です。
例年、予備審査の申し込み締め切りが5月末、書類審査の締め切りが7月末、そして、書類審査に通過した場合、10月〜11月頃に面接審査が実施されます。
私の時もこの日程で審査が進みました。
最初の応募から、最終審査の終了まで半年がかりの長期戦ですので、ゴールを見据えた上で逆算して準備を進めていくことがおすすめです!
選考スケジュールについて、詳しく知りたい方は公式サイトをご覧ください。

受験までの準備

私は、先輩からスケジュール感をあらかじめ聞いていたので、予備審査(5月末申し込み)の準備を2月ごろから始めていました。具体的には、必ず聞かれるであろう「志望動機」や「アメリカでどんなことがしたいか」「なぜ他国ではなくアメリカなのか」「日本に帰って来て、その経験をどのように活かすか」といったことです。こうした質問に対する答えは、すべて「なぜ自分がフルブライト奨学生にふさわしいか」を伝えることにほかなりません。この問いに応えるためにも、まずは、「フルブライト奨学金の理念」を一読してみてください。

さて、私の場合、「留学に行きたい」という漠然とした思いは強くあったものの、具体的な中身まで落としこめていませんでしたので、自分のキャリアやスキルの見直しから始めました。(もし私の経歴に興味のある方はこちらをご覧ください)
要は現在の自分を理解するということです。やることは、新卒採用時の自己分析や転職活動おける職務経歴書づくりに似ていると思います。
次に、「なりたい自分」を想像します。
私は、まず公式ページに載っているフルブライトの先輩方のストーリーを読みました。今の自分には到底及ばない素晴らしい方々ばかりですが、読んでいくうちに「留学すればどんな経験ができそうか、どんなスキルが身につきそうか」がなんとなく浮かんできます。
ありきたりですが、あとは「現在の自分」と「なりたい自分」を比べて、「足りてない部分」を見つけます。
あとは、
現在の自分+留学で得られる経験や知識=なりたい自分
となるように、留学先や研究テーマを決めるだけです。
この点について、私は留学中の生活のイメージがつかなかったので、最近、行かれていたお二人の方にお話を聞かせていただきました。ストーリーに名前と留学先が載っているので、そこから調べて連絡先を入手し、コンタクトをとりました。また、もうお一方は、日米教育委員会主催のフルブライターのウェビナーに参加した際にコンタクトを取らせていただきました。
リンクトインを活用するのも良い方法だと思います。

書類審査

書類審査の分量は膨大で、仕事と並行しながらだとかなり大変です。
いきなり英語で書くのが難しい方は、なるべく早いうちから、自分で想定質問を作り、回答を用意しておくことをおすすめします。
私の場合、DeepLを活用したのと、高校のラグビー部の同期であり、10年来の親友でもあるフリンが相当助けてくれました。(彼は通訳・翻訳の国家資格をもつYouTuberです)
彼のYouTubeも、グローバルに活躍したい人には、とても有益な情報を発信しているので、ぜひみてみてください。

推薦状3通は高いハードル

応募には、推薦状3通が必要なのですが、このうち1通は会社の上司、2通は専門家からもらう必要があります。会社に受験を隠している場合は、上司の推薦状をもらうのがかなり難しいので、相談しながら進めることをおすすめします。(ここで断念する人も多いようです)私は幸いにも上司に恵まれ、後押ししていただけました。
また、専門家にについて、私は当時通っていたグロービス経営大学院でお世話になった先生お二方にお願いしました。お二方とも大変お忙しい方なのですが、ご対応いただいき本当に感謝しています。
私の場合、運良く大学院に通っていたので、専門家を見つけることができましたが、なるべく早くから準備したほうが良いです。
というのも、推薦状は英語で提出する必要があるので、書いてもらえたとしても、そこからさらにそれを有資格者に翻訳してもらう必要があるからです。
締め切りがタイトなので、予備審査が通過したらまずこれらに取り組むのがよいと思います。
今振り返っても、私は、本当に色々と幸運でした。

面接審査

書類審査を通過すると、次は面接審査です。こちらもあらかじめ想定質問を考え、何度もフリンに練習してもらいました。このころ、大学院の授業も佳境を迎えていたので、仕事終わりに22時まで授業を受けて、その後24時ごろまで面接の練習をするといった生活で、かなりハードでした。ただ、就活の面接と同じで、ある程度繰り返すと、慣れてきます。(これは英語で面接する場合も同じでした)自分の言いたいことや伝えたいことが、頭の中で整理され、洗練されていく感覚です。面接の練習に関しては、数を繰り返すことをお勧めします。また、発音のチェックは、iPhoneのSiriを活用しました。
例えば、right とlightをうまくSiriが認識するか、といった具合です。周りにネイティブの知人がいなくても、Siriが強い味方になってくれます。
※「すみません、よくわかりません」と連呼されることもあります

受け入れ先大学の決定

試験と並行して進める必要があるのが、受け入れ先大学探しです。
ジャーナリストプログラムの場合、自分で受け入れ先の大学を見つけ、アポイントをとる必要があります。実は、ここが1番難関です。奨学金に合格したものの、受け入れ先が決まらずいけなかったという人も結構いるようです。私は、4月頃からCV(履歴書)とカバーレター(履歴書の要約)の準備をはじめ、5月頃から、研究テーマに沿う各大学の教授にメールを送りまくりました。私の場合は、「企業と行政のサステナビリティ戦略」をテーマにしていたので、各大学のビジネススクールで「サステナビリティ戦略」の講義を担当している教授や、それに関連する論文を執筆している教授に連絡をとりました。(海外の大学はHPに教授のメールアドレスが大体載っています)しかしながら、当たり前ですが、基本的に返事は帰ってきません。それでも落ち込むことなく送り続けることが重要です。
私の場合、本当に幸運なんですが、スタンフォード大学で日本企業やスタートアップを研究しているダッシャー教授から返事を頂きました。
正直、その時が奨学金に合格した時よりもうれしかったです。
結果論ですが、「日本人」としていく以上、日本に関連するテーマを研究している教授の方が、興味を示してくれる可能性が高いかもしれません。
いずれにしても、この段階では「数を打つ」ことが何より重要です。
また、興味をもってもらうためにも、CVやカバーページは作りこむ必要があります。こちらも時間がかかるので、早め早めの準備をお勧めします。

ここまで、私がフルブライト奨学金の試験に際し、準備してきたことを
お伝えしました。なるべく公式HPに載っていない、経験した人にしかわからない情報を盛り込んだつもりです。
これが正解だというつもりは全くありませんが、私のやり方や経験が少しでもお役に立てれば幸いです。

次回は、趣向を変え、私がこれまで取材してきた日本のサステナビリティに関する取り組みについてお伝えしようと思います。



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