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書籍【わけるとつなぐ これ以上シンプルにできない「論理思考」の講義】読了



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◎タイトル:わけるとつなぐ これ以上シンプルにできない「論理思考」の講義
◎著者: 深沢真太郎
◎出版社:ダイヤモンド社


数々のビジネスフレームワークは存在するが、これぐらいシンプルに考えて実践してみることが大切だと思う。
「わける」と「つなぐ」と言われると、あまりにも単純すぎて真剣に実践しようと思わないかもしれない。
しかし、単純であるが故に、実はものすごく奥深い。
その効果を、分かりやすくするために小説風に表現しているが、どこまで伝わっているだろうか。
本書を読んで私自身、日常的に「わける」を実践していたことに改めて気が付いたのだが、意外にもこの行為は一般的とは言えないようだ。
業務上で悩んでいる後輩から相談されて「まずは要素を分解してみたらいいじゃないか」と何度となくアドバイスしたが、結局今に至るまで彼は一度も要素分解していない。
というか、要素分解をしようとも思っていない。
どうも「わける」という行為が、どれほど効果的なのかということが信じられていないということなのだ。
今でも私は一番最初に行うべきことが「要素分解」だと信じて実践している。
出来ればデータが揃っていることが望ましい。
ファクトに基づいて要素に分解すれば、自ずと問題点が見えてくるからだ。
もしデータが揃っていなくても、思考実験でもいいと思う。
可能なら、本書内のように複数人集まって議論をするのもいいだろう。
本書内の主人公たちは、グラウンドでいきなりサッカーの練習を開始するよりも、議論のために教室に集合した。
この教室の議論も「練習」と表現したのは大切な点だ。
仕事でもいきなり実践をするよりも、一度立ち止まって議論してみるのは必要なことではないだろうか。
出来れば適切な人数で当事者が集まって、様々な視点で検証すればより分析が深まるだろう。
1人だけでは気が付かない角度から見ることが必要だ。
正しく状況を調べ、その上で出来るだけ細やかに分解して調べることが大切だと思う。
私は意外にも本書を読む以前から、「わける」と「つなぐ」を実践していたことに気が付いた。
しかし私の社内では、「わける」と「つなぐ」は全くと言っていいほど浸透していない。
雰囲気だけで仕事をしているケースが圧倒的に多く、全く科学的ではないし論理的でもない。
業務が上手くいっている時は良かったのかもしれないが、実際当事者たちは「上手くいっている理由」すら理解していなかったのではないだろうか。
こう記載すると何も考えてないで仕事をしているようだが、意外にもそれが現実だったりする。
特に高度経済成長期に、儲かる仕組みが出来上がってしまい、それに則って粛々と業務を実行するのみだった人は、改めて自分たちのビジネスモデルについても考える機会がない。
当然、要素を分解したこともないから、やり方も分からない。
月次の数字の報告はされているが、いつも聞いていてピントがずれていると思うことも多かった。
本書を読んで、改めてここが一番の問題点だと気が付いた。
どうやって、まずは「わける」という行為を根付かせるのか。
実は一度分けてしまえば、その後に「つなぐ」ことは、そんなに難しい話ではない。
イノベーションとは、既存知と既存知の組合せとは、よく言われているフレーズだ。
そもそも要素分解できれば、自ずと問題の本質が見えてくる訳で、打ち手についても当然ながら浮かび上がってくる。
その上で、さらに「つなぐ」を意識してみれば、新しいアイディアに気が付くかもしれない。
ものすごく単純な事であるが、「わける」と「つなぐ」は本当に大切なことだと思うのだ。
シンプルだからこそ、奥深い。
この思考のクセが付けば、論理的思考力が自然と身に付くはずだ。
結局は本質をどう見極めるのかということだと思う。
さらに、既存知と既存知の組合せを意識する。
これだけで相当様々な課題の解決策が見出せると思う。
後はどうやって実践するのか。
机上の空論で終わらせないためにも、この「わける」と「つなぐ」を使って、何か実績を残してみたいと思う。
(2023/11/19日)


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