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水の声 水泳部員をぶっち抜く帰宅部員の奇跡の物語

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皆さんには水の声は聞こえるだろうか? 水の声は私を遥かに速い泳ぎへと導いてくれました。 そして、その水の声が私の人生を大きく変えたこと。 不思議な体験をさせてもらった事。 今まで…
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【No.1】水の声 水泳部員をぶっち抜く帰宅部員の奇跡の物語

皆さんには水の声は聞こえるだろうか? 水の声は私を遥かに速い泳ぎへと導いてくれました。 そして、その水の声が私の人生を大きく変えたこと。 不思議な体験をさせてもらった事。 今までの人生で、一番心に残っている出来事です。 その声を皆さんにも知っていただきたいと思います。 目 次 はじめに 全ては水の声に導かれた時からだった 小学校生活 中学時代 時間と空間を超えた世界 水泳大会までの出来事 別世界 約束 闘志 夢の中 校内水泳大会(前編) 校内水泳大会(坂本久美子 前編)

【No.2】水の声 水泳部員をぶっち抜く帰宅部員の奇跡の物語

小学校生活 俺にとって学校は遊びに行く場所に過ぎなかった。 勉強はできない人。 落ちこぼれ中の落ちこぼれ。 テストで30点行けば良い方の本当の落ちこぼれだった。 故に、クラスでもそんなに目立つわけでもなく、かといって人気者でもない、ごくごく普通の小学生だった。 好きな子? いたけど、こんな落ちこぼれにとっては雲の上の存在だった。 とにかく毎日が同じことの繰り返しで、これが後何年続くんだろうと毎日毎日どこかで何かが変わることを期待していた。 2学期が始まって、クラスで最初

【No.3】水の声 水泳部員をぶっち抜く帰宅部員の奇跡の物語

中学時代 学校は遊びに行くところ。 中学時代はその俺の勝手な常識を全く覆された場所だった。 成績の悪い俺は馬鹿のレッテルを貼られ、教師からもクラスメートからも見放されていた。 グレるしかなかった。 何かといちゃもんをつけ、人に言われた事を守ろうとしない単なるひねくれものになっていた。 かといって、集団行動が嫌いな俺は、徒党や誰かとつるむわけでもなく、かっこいい言い方一匹狼を気取っていた。 小学校の時に親友だった中田は家の事業がうまくいかず、その事が発端で 『中田の家は貧

【最終回】水の声 水泳部員をぶっち抜く帰宅部員の奇跡の物語【拡大版】

2008年 7月(最終章) 2008年7月。 俺が水泳から身を引いてから実に20年が経過しようとしていた。 7月21日 この日の新聞記事の地方版にある人が亡くなったことが記載されていた。 その人とは『清水永吉』。 そう。清水式泳法を編み出し、坂本久美子に教えたあの清水のオッサンの訃報の記事だった。 水泳に身を置いてオリンピックの選手を輩出したオッサンの記事が載せられていたが、そこに坂本久美子の文字はなかった。 水泳の普及活動の事が多く書いてあった。 記事を読み終えるなり、