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DIGIDAY BRAND LEADERS 2021

ソーシャルディスタンスの時代にエンゲージメントの重要性は、ますます高まっている。しかし、デジタル化の加速によって、接触手段がさらに分散していくなか、「絆」構築に至るまでの道のりは、かつてないほど険しい。そんななか、いま求められているのは接続性(Connectivity)だ。ただ、ユーザーへ「リーチ」するのではなく、いかに「コネクト」するべきか? また、ユーザーと接続しているからこそ積み重ねられる「経験価値」とは?

DIGIDAY BRAND LEADERS WEBより DIGIDAY 日本版編集長 長田さん

遅くなりました。今年も参加させていただきました。学び多き一日に感謝です。インフォバーンの皆さまありがとうございます。さて、今年のメモ開放していきましょう。

TownHall(朝会的なやつ)
今年は分島副編集長と手島執行役員のオンステージ。朝の顧客いじりから始まるが、割と固め。2021年、今年の成果や課題は何かを各位に問う。

  • 社会課題と事業を紐づけて継続性

  • 顧客をより知るための活動

  • 自社の立ち位置をハブとすること

  • 今までと前提が異なってくる中で顧客体験をどう提供するか

  • 部がどうのこうのではなく、企業全体の活動にいかに繋げるか・etc

各々が自分達の1年をちょっと早いけど振り返る。絶対指されるからなーと思って準備してきたらちょっとテーマ間違えた私は、何のためにコネクトするのかを考えていました。

Sandbox Presentations
Legoliss  中嶋 ケニー 賢さん

ポストクッキーの時代における動画コンテクストターゲティング
Braze  菊地 真之さん
リアルタイムに返すパーソナライズ。効率重視ではなく効果重視へ。つながらなければ意味はない。
パブマティック 粟飯原 健さん
デジタル広告ビジネスのコスト構造の複雑さとマージンの多さ。不明の多さ。透明性はつながるための大前提。コスト構造を最適化して無駄をなくしてWin-WInの広告ビジネスへ。

Opening Remarks - Biggest Trend in the Industry
長田編集長の開始ゴング。一日の濃度の高さに対して覚悟を決めろと。そして分島さんからの問いかけ。
今年、不確実性がさらに増した。コロナは終わったか?終わらなかった。今さらに深く考えるキーワード
・柔軟性 
 VUCAに対応できる速さと柔らかさ
・さよなら3rdCookie
 プライバシーもまた次のステージへ
・ダイバーシティ&インクルージョン
 社会性を問われることは必然に。
・持続性
 一部の意識高そうなブランドがやっているではなくなった。
・気候変動
 若いユーザーや新卒採用の価値基準の一つにもなっている

改めて「社会とユーザーと世界とどうつながるのか」問われている。

人々は、なぜレゴブロックに魅了されるのか?:Joy of Building, Pride of Creation.
レゴジャパン株式会社 長谷川 敦さんと音部さんのセッション。まず配布されていた6ピースの赤と黄色のレゴブロックを開封。お題は「アヒル」を作ってください。しばし無言になるテーブル。私レゴ大好き。出来上がったアヒルは全員違う組み方だった。羽ばたいているもの、泳いでいるもの、足があるもの。そして「レゴには正解はない全部正解」との解説。痺れた。
レゴ大好きな子供と知っているけどやったことない子供を調査し違いを見た。親のレゴに対する見方が違う。レゴ好きな子供の家は、親がレゴをほめている。嫌いな家は散らかる、片付けろと言われている。組み立てる喜び、創造する達成感は教科書で教わるものではなく、こういった体験から生まれていく。LEGOは「子供たちが私のロール」というブランドフレームワークを持ち、いかにして子供たちの目をキラキラさせるのかに取り組んでいる。
そして驚いたのがLEGOの構造的な特許は実はすでに切れている。それでも強いこの独自性は、その達成感を味合わせ、成長へとつなげることができる難易度(対象年齢)のデザイン設計にあるということ。

ユーザーアテンションを高める「Cookielessターゲティング」の有効性
TEADSの今村さんより。ビューアビリティとアテンションがトレードオフの関係性にあることに対してどう最適化していくか。
強制視聴はスキッパブルに対し同じアテンションをとるために2倍のコストがかかるという分析結果。視聴可能時間が長く、選択権がユーザーにあり、クリエイティブの質はしっかりと環境最適し、関心に沿う。この4つが必要であるということ。TEADSは質高くコンテクストターゲティングができる。

ペイディが実践する、究極の「デザイン思考」:やりたいことを実現できる、ブランドづくりとは?
コバリ・クレチマーリ シルビアさん。日本5社目のユニコーンとなったPaidyは一気通貫したブランド体験作りに心底こだわる。顧客中心は組織変更から始め、直感性と透明感あるUX/UI。足し算ではない引き算の設計。金融アプリであるからこそ、透明性にとことんこだわっている。企業姿勢としてもDE&Iは当然であり、夢を持てる日本を取り戻すために日本発で突破していく。ユニコーンすごい。

ブランドビジネスを促進するSDGs戦略とは?:「L’Oréal for the Future」のローカライズ事例
ロレアル 楠田 倫子さん Glossy 山岸 祐加子さんのブランドパーパス論。「地球の限界を尊重する」「社会・環境問題に貢献する」というパーパスからKIEHLSブランドでは、循環型モデルを作るため、木からつくるショッピングバッグに始まり、空き容器の再利用や木を植える森づくりなど、パーパスを体現することは全てのブランドの前提条件である、それぞれのブランドが個性を持ち同じパーパスに向かって表現をしている。社会課題などはそれこそ国や地域によって異なる。一様ではなく、そのパーパスの表現の仕方も含めてブランドとするのはさすがのロレアルである。

ブランドと築くオムニチャネル戦略
magnite原田さん。3/4の人はテレビ画面でストリーミングビデオを利用している。米国インターネットユーザーの60%はテレビを見ながらスマホをいじる。オーディオコンテンツのYOY200%。OTT広告リクエストは234%
こんな状況。オムニチャネル戦略が必要。確かに。

パブリッシャーデータ再考:その「接続性」における真価とは?
ハースト婦人画報社須藤 摩耶さんと講談社村松さん長田さんのパネルトーク
月間7500万ユーザー/4.6億PV。閲覧記事から取得した属性でのターゲティングが可能。メディア側もクッキーレスの時代において長期的なパートナーシップをとれる量と環境・体制が整ってきた。

クッキーレス時代のコネクティビティ - メディアクオリティの確保と良質なユーザーエンゲージメント
DoubleVerify 武田 隆さん
パンデミックと同時に起きたインフォデミック(不確かな情報の拡散)
拡散力(速さ)は68倍であった。情報があふれる中で信頼性のある広告を出すために、従来型のKPIであるクリック、CVを超えて、ユーザーの存在とエンゲージメント、アドプレゼンテーションの3つの指標を加え、インパクトを計測すること。行動だけではなく、心を動かせたかを計測できたらいい。DVではリアルタイムで計測される50以上のデータポイントを持っている。

新業態「RaaS」がもたらす、次世代コネクティビティとは?:そごう・西武「CHOOSEBASE SHIBUYA」の挑戦
株式会社そごう・西武事業デザイン部 伊藤 謙太郎さん
西武の始めた新業態 CHOOSEBASE SHIBUYA https://choosebase.jp/

美術館のような余白を持ち、メディアとしてのストア。オンラインでの発信がオフラインで確認できる。店内ではスマートフォンを用いてWEBカタログからウォークスルー決済。配送も持ち帰りも自由。店頭とECの完全リアルタイム在庫連動を実現している。店頭店内の動きから購買までをすべてデータとして保有できる。それを用いて例えばテストブランディングができる。このようにデータを開放していくことで新たな価値を作っていく店舗。小売がデータを価値にする形として、斬新な全く新しい切り口である。なんて頭がいいんだろう。

ファーストパーティデータ、いかに最大活用すべきか?:LiveRampのソリューションで紐解く
LIVERAMP JAPAN 株式会社 鳥井 武志さん
3rdの延長、改正保護法等休まる時はない。メールアドレスをHASH化+加工し、復元も指定環境下以外での照合も不可能にしたIDでデータエクスチェンジを可能にするRAMPIDはGDPRにも対応できている。3rdクッキーに頼ることなくセーフティに他社とデータを接続することが可能なソリューション。確かに法的問題はクリアしているかもしれないが、コンプライアンスと理解をどう得ていくかが難しい。それでも他社とデータを混ぜて行くことはオープンイノベーションの礎になるはず。同意を得て顧客のためになるサービスとして(あまり広告方面ではなく)利用できたらよいと思う。

お客さまは「神様」なのか?:カスタマーサクセスとコネクティビティ
株式会社βace(Minimal -Bean to Bar Chocolate)取締役COOの緒方 恵さん。https://mini-mal.tokyo/

キマシタ。今日の一番の注目コマ。
ミニマルがサブスクを実施したのは、別にサブスクはやってるからでも安定的に儲かるからでもなく、”悪いユーザー体験をなくしたかった”から。ミニマルのチョコはすぐに売り切れてしまう。いっぱい作れない。ロイヤリティ高い顧客に届けることができない。そんな感覚を味合わせたくなかった。
サブスクにすることで月に一度、強制的にワクワクさせる日を作る。妻と会話が弾むとか、チョコが届くことで少しでも閉塞感を打破できるんじゃないかとか。
MINIMALが実現したいUXは購買行動も消費行動もどっちも感動体験にしたいということ。実際にお店行ったらジブリみたいな雰囲気になっててコアなユーザーも1STユーザーも楽しめる。当然商品は脂を足さぬ引き算の哲学で作られた世界一のチョコレート。商品体験も購買体験も楽しいような世界観がMINIMALのブランドになっていく。
MINIMALのブランドとして、お客様との間に不便と”?”(はてな)がない状態を作っていく。それは、悪いUXを与えないことはもとより、すべての接点で同レベルの高いUXが必要。そして顧客とより深いつながりを作り、双方向型になっていくこと。パートナーシップに近い。
それには、届いた先の体験がまずシフトしているか。足腰がしっかりしているか。弱いところを埋めなければ積み上げていくことはできない。

EMPATHY・・・他者理解
SYMPATHY・・・共感
COMPATHY・・・他者の立場を理解して助け合いたい
これらがしっかりとした足腰の元で積みあがった先にCOMPASSION(思い合える)関係を持てるのであって、そもそもが積みあがらない状態では(マイナスの引力は強いから)だめ。
最終的にはFAQやCSなどがないくらいの世界を目指していきたい。

今はスタートアップ。成長するにしたがって希薄化標準化していってしまうことはある意味仕方ないが、テンプレ化しない人間を作り続け、どういうレベルで高めていくのかが鍵。大きくなっても心はスタートアップでいられるにはどうしたらよいか。そこはしっかりと考えていきたい。

お客様は神様ー 三波春夫はお客様を神様と思って歌うということを言った。崇めるのではなく、お互いを思い合うパートナーであり対等に、お互いに幸せを分かち合える関係性を築いていきたい。

んーやっぱりこの方の思考回路は群を抜いている。本当に尊敬に至ります。そして気持ちがとても分かりみ。

体験のデザインが生み出す接続性
株式会社グッドバッチ 大山 翼さん
ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させるというビジョンでデザインの力を証明するミッションに取り組むデザインスタートアップ。デザインとは姿形の話ではなく、ビジネス課題を解決することができる。それも作りながら、形作りながら、見せながら。クリエイティブな力を持っている。ブランド体験はまさにデザインされていくものであり、注目している。

潜在顧客が動く「TikTok売れ」。その正体とは?
駒﨑 誠一郎さん
モバイルの視聴時間遂に1位になりそうですTIKTOK。(個人的にはもう1位になったわ)TIKTOKは次に好きなものを探すことができるプラットフォームになっている。

”おすすめの魔法”と語っていましたが、おすすめは確かにすごいんですね。絶妙なエンジン。ついつい見てしまう。15秒制限がなくなった後でもこのテンポを維持できるのは本当にすごいと思う。

儲け続けるための「実務家ブランド戦略」
ダイキン片山さん
「ブランドづくりの目的は儲けることである」というメッセージから始まる片山さんのお話。
モノからコトへという経営課題に接して企業は何をするのか。
ブランドの価値向上しなければいけないとなって何をするか。
ロゴマーク変えてみるとか、スローガン作り出す。こうして決まるスローガンは「人と地球と未来にチャレンジ」。ブランド力が足りないとなったら、ブランド広告を実施する。おしゃれでカッコいい雰囲気のCMを出す。。。んで?
儲かってないわ。それで儲かるんか。カッコいいCM流して未来にチャレンジして儲かんのか。自分が知らないものにはブランドはない。ブランドは自然にできるもので、勝手になるもの・・・・AppleやStarbucksをマネしてもだめ。あれは結果であり、なるべくしてなったのだ。

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Key Takeaways
WRAP UPも分島さん。つながる”Connectivity”に関して今回学んだこと

  1. まずは自分達がつながる
    人より先に自分に問う。ちゃんとつながる姿勢を持てているのか。

  2. なぜ、何のために誰とつながるのか
    目的はなんなのか。つながってどうしたいのかを決めてから。

  3. デジタルの先にいる「人」を見よ
    解像度高くても実像を見なければイケナイ。

  4. 待て、しかし希望せよ
    面倒なことは多い、疲れることも多い、でも期待できるから頑張れる

いや、実は今回初めてチームで参加させていただいたんです。RAY、YUICHIは刺激が強すぎて鼻血でそうだったみたいですけど。毎回学び、去年よりもまた先を見てつながっていきたいと思った一日でした。ありがとうございました。





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