ボルダリング「うまさ」は落ち方で決まり、「強さ」は人間性で決まる
手書きマンガ
シューズをたくさん持っているとうまいのか?
シューズをたくさん持っているクライマーを見かけることがあります。なぜたくさんの種類を持っているのか?岩の種類や壁の傾斜、ムーブと呼ばれるクライミングの動きなどによって、それぞれに特化した登りやすいシューズがあります。経験者はそれらを使い分けて登っているのです。ですから、たくさんシューズを持っているとボルダリングがうまくみえますよね。もちろん経験者だからこそですが、ボルダリングが「できる」のと、ボルダリングが「うまい」は別物だと思っています。それを使い分けられてこそですし、持っている道具の見た目だけでは判断できませんよね。
筋肉があればうまいのか?
ボルダリングが「登れる」のとボルダリングが「うまい」とで、また別物だと思っています。筋肉が基礎体力でついているクライマーは、やはり力強く登っていきます。例えば、ボディビルダーの選手にボルダリングを教えたことがありましたが、一般のビギナーさんと比べてある程度のレベルまでは、やはりスイスイ登ることが出来きました。単純な動きで腕力的なボルダリングの課題は登れるのですが、ホールドが小さくなったり、丸くなったりと持ちづらく、複雑なムーブを要求される課題になると、途端に登れなくなりました。同様に、ムーブを習得したボルダリング経験者でも、ずっと腕力だけで登り続けている人はたくさん見かけます。難しい課題でも腕力的な課題はこなすことができますが、テクニカルなものになると簡単な課題でも一気に登れなくなってしまう。そういった点がやはり「うまい」とは言えない理由だと思います。
高難度のグレードをトライするのはうまいのか?
いつもは3級くらいしか登らないのに、岩場に行くと三段、四段と言った高難度のグレードにチャレンジしているクライマーはよく見かけます。何日、何ヶ月、はたまた何年か掛けて登ろう、とチャレンジしている人もたくさんいるので、岩に取りついているグレードの数字だけで、その人のボルダリングの「うまさ」を判断するのは難しいです。また、逆を言えば、三段、四段を登れる人であっても、その人がボルダリングの「能力は高い」と言えますが、ボルダリングが「うまい」と言えるかどうかも難しいところです。
ボルダリングが「うまい」とは何が「うまい」のか?
岩場のボルダリングは室内のボルダリングジムよりもっと危険が伴います。地面も斜面だったり、岩や切り株があったりします。マットもポータブルのもので室内のものと比べると厚みもそんなにありません。それにもかかわらず、尻もちをついて落ちたり、落ちる余力を残さず限界まで登って非常に危険な落ち方をするクライマーを多く見かけます。そういった人たちの登り方を見ると、筋肉に頼って腕だけで登っていたり、登ることばかりに集中して危機回避の意識が薄れていたりしています。
ボルダリングが「うまい」人は、落ちた時に非常にきれいにすとん、と落ちます。落ち方のきれいな人の登り方をみると、やはり、無駄のない動きで全身を使ってきれいに登っていきます。
つまり、ボルダリングか「うまい」とは、動きに無駄がなく登り方も落ち方もすーっと静かにきれいなことが、「うまさ」だと思います。
その無駄のない落ちる「うまさ」の中には、洗練された登り方、危機管理能力、観察力、いろんな要素が含まれていると思います。
人間性も備われば、「強さ」になる
私も自分で肝に命じて気をつけたいと思っていますが、やはり、ボルダリングは「うまい」だけではなく、人間性も必要だと思います。
周りに挨拶をきちんとする、自分のゴミはもちろん落ちているゴミも持ち帰る、駐車場やトイレなど決められたルールをきちんと守る
といったことがしっかりできているクライマーは「強い」クライマーだと思います。
強さのなかにうまさがある。
強いクライマーは、上記の「うまさ」も備わってる人が多い気がします。そう思っています。
私も、まだまだ未熟ですが、うまいクライマーであり、強いクライマーでありたいと思って過ごしています。
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