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㊗バスケ男子日本代表 パリ5輪2024出場権獲㊗

FIBAバスケットボールワールドカップ2023が8月25日から9月10日にかけて日本とフィリピン、インドネシアで行われました。男子日本代表・AKATSUKI JAPANも参戦しました。結果は惜しくも1次ラウンドで敗退し、2次ラウンドへは進めませんでした。順位決定戦を含めて通算戦績は3勝2敗で、最終順位は19位の結果となりました。ワールドカップ前身の世界選手権を含めて初めてこの大会で3勝を挙げた日本は、前回大会の31位から大きく順位を上げる結果となりました。
今大会は来年のパリオリンピックの出場権がかかっていて、アジアの6チームの中で1位となった日本は自力では48年ぶりに出場権を獲得しました。
フィンランド戦を勝利した日本は、2006年の世界選手権1次リーグでパナマ戦以来17年ぶりの世界大会での勝利であり、世界大会での連敗を11で止めたこと、ヨーロッパ勢に世界大会で初勝利をしたこの大きな1勝に、日本中が歓喜に沸いた瞬間でありました。1Q~3Qはずっとフィンランドがリードしていて、3Qで最大18点差まで広がってしまった。この点差を3Qでは富永選手、4Qでは河村選手の若き22歳コンビが起爆剤となり、アウトサイドとインサイドのバランスの良いオフェンスとなったこと。ディフェンスのバテない体力と絶対に負けない・諦めない気持ちの強さが相手を上回ったこと。派手なプレーではない日本のバスケットボールの純粋なスタイルで勝利を勝ち取ったことが見る人に感動を届けたのではないでしょうか。
日本人のバスケットボールのレベルが上がっていることを実感する今回のワールドカップでありました。渡邊雄太選手や八村塁選手といったNBAの第一線で活躍する日本人が出てきていることがその証明でもあると思います。ネブラスカ大学でプレーしている富永選手も、現ゴールデンステート・ウォリアーズのスター選手であるスティフィン・カリー選手の和製版と呼ばれており、NBAでプレーする姿が見れる日も近いのではないでしょうか。
今回の日本代表が世界大会で3勝することができたのはなぜか、考察してみました。
「ヘッドコーチ」
東京オリンピックで女子バスケットボール日本代表を銀メダルに導いた、トム・ホーバスヘッドコーチです。とても怖いとして知られており、中継で流れていた通り熱の入った檄が印象的です。ただ、厳しいだけではなく愛情深いヘッドコーチであるとも感じました。緻密な戦略と選手たちのやる気を起こさせ、チームの団結力を高めることのできる、素晴らしいヘッドコーチであります。理想の上司、上司になってほしいとも言われるている所以です。
「練習」
ホーバスヘッドコーチの練習は厳しいことで有名です。それは上背のない日本が2m超級の選手が大勢いる海外相手に勝つために、走り負けない平面のバスケを徹底するためです。オフェンスでは走り負けないために必要な体力づくりと瞬発力・判断力。ディフェンスでは上背で負ける海外選手に当たり負けしない下半身と体幹、フィジカル。これらを強化するということは、経験者である私も想像するだけで逃げ出したくなるようなキツイ練習であっただろうと思います。
ただ、一昔前の精神論的な練習メニューばかりではなく、ホーバスヘッドコーチの人柄から見て取れるように、選手たちのやる気を鼓舞させるような言葉をかけたり、練習の意味であったりとアメとムチのような内容であったのではないかと推測できます。また、最年長で世界大会の経験豊かな比江島選手はじめ海外選手とプレーしている選手が多く、日本が世界で勝つために何をするべきかを良く理解している選手がいたことも、キツイ練習でもモチベーションを落とさずに有意義な練習となっていたことも想像できます。
「試合」
フィンランド戦を例にすると、世界ランキングでも平均身長でも格上な相手に勝てた最大の要因は、練習の成果を発揮できたからだと思います。当たり前のことですがこれができないと勝つことはできません。お互いに戦略を練って試合に臨みますが、大概戦略通りにはいきません。最終的には選手達の力に頼ることになります。特に後半の終盤では明らかに体力と集中力が日本がフィンランドを上回っていました。疲労がピークに達するこの時間で本来のパフォーマンスを発揮するためには日々の練習で基礎体力や忍耐力、厳しい局面で正しい判断ができる力を養っていくしかありません。個々の力とチームの全体練習の積み重ね、選手達個人個人のやるべき仕事への理解と実践力、諦めない気持ちの強さにおいて日本がフィンランドを上回っていたことが勝利の要因であると思います。練習でできないことは試合でもできない。これに尽きるのではないでしょうか。バスケットボールで圧倒的なアドバンテージとなる身長で不利な日本が、世界大会で3勝することができたことは、個々の力と一流の指導者によって、低身長という苦手を薄めて体力とフットワーク、諦めない気持ちという得意を伸ばすことを具現化したからだと思っています。
今回のワールドカップで日本のバスケットボール界が更に盛り上がることを期待しています。競技人口が増えて気軽にバスケットボールができる環境が整えば、更なる日本バスケの底上げになります。既にプロリーグのチケットがワールドカップ前よりも入手しにくいという話もありますので、このワールドカップで確実に日本バスケへの見る目が変わってきたと感じます。これからも日本バスケ界を応援していきます。


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