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境界線の天使

階段の先を行く天使を見つけた
青い翼が背中に描かれている
話しかけようと一段進んだけれど
前によこしまな人が立ちはだかる
わたしは眉を寄せ口をとがらせて
青い翼の美しい背中を見送る

景色がマーブル模様に溶け出しても
あなたの立つところは変わらない
ハイスピードで人が流れても
あなたの像はくっきりしている
不意にあなたはAの残響のように
わたしの耳にそっとささやく

そんなに誰かのフリがしたいの
変化に乗っからないと不安なの
我慢ができないと欲望をばらまくの
そうすれば望むところに行けるの
あなたが心から欲しいものはなに
あなたはもうあなたでしょう

駅の雑踏から見える空を見上げて
もう見えないあなたにつぶやく
あなたがわかっているように

わたしはもうとっくにわたしなの
あのひとにもそう伝えよう
青い翼の天使を見つけたと

・ー・ー・ー・ー・

きょうの帰りに駅で見たパンキッシュな方からインスピレーションをいただいた詩です。きれいな翼でした。
返歌かな。

さて、原稿に戻ります。

尾方佐羽

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