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「オリンピック」を含むツイートから影響力が大きいものだけを調べる

(株)秤の代表の小川と申します。意思決定に役立つマーケティングサイエンスなどの知識を個人や企業に共有するコンサルティング支援をしています。2018年にはマーケター向けに統計や因果推論の分析を共有する「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」という書籍を出版しました。

かねてより、プロ仕様のツールを使ったツイートの分析業務やnoteも書いてきましたが、実はツイッターのデフォルトの検索ツールや、検索結果を抽出できる無料のアドインソフトでも本格的な分析は可能です。

このnoteでは、誰でも簡単に無料で行うことができるツイッターによるリサーチ方法を紹介します。

即時性のある「ツイート」の活用

電車が止まった時など、グーグルで検索するよりも、ツイートを検索する方は多いのではいでしょうか?即時性があるからです。

本日(2020年7月24日)時点、賛美両論ありますが、皆さんが気になっているのは昨日開会式だった「オリンピック」だと思います。

プロ向けのツイート分析ツールを使わなくても、ツイッターのデフォルトの検索だけでも、実は色々な軸で調べることができます。CSVでデータを吐き出してさらに詳しく分析することもできます。

話題のツイートのみを条件設定して検索する

「オリンピック」という単語をツイッターの検索窓で打ち込んで検索して調べます。「話題のツイート」のタブは、ツイッターが独自のロジックで順位づけされたものです。(いわば恣意的な表示です)私は、普段、「最新」のタブでツイートを見ていきます。

「オリンピック」の単語で検索して「最新」のタブを表示すると、膨大なツイートが表示されますが、こんな時、知りたいのは影響力のある内容、皆が話題や共感しているツイートの把握です。

リツイート数やいいね!数を指定することで反響が大きい投稿のみを検索する方法があります。

min_retweets:10000 オリンピック

【】内のテキストをコピーして、ツイッターの検索窓で分析してみてください。「最新」のタブを観ましょう。

これは、「台風」を含むツイートのうち、10,000以上のリツイートがされたものを検索するものです。

【min_faves:10000 オリンピック】

これは、「オリンピック」を含むツイートのうち、10,000以上いいね!がされたツイートを検索するものです。

単語や条件数を変えれば、自分が知りたい条件で影響力の大きいツイートのみを検索結果として表示できます。

指定した座標と半径を指定して検索する
位置情報付きでツイートされている内容から、場所(経度緯度)と半径を指定してツイートを調べることもできます。

【geocode:35.678044,139.714508,0.5km オリンピック】

この座標はオリンピックスタジアムの座標です。グーグルマップの地図上で右クリックをして、「この場所について」というのを選択してクリックすると、座標情報が分かります。代々木のオリンピックスタジアムの座標を中心に0.5kmの範囲で「オリンピック」を含むツイートを検索できます。


さらに、先に紹介したいいね!数の検索条件との併用もできます。オリンピックスタジアムの半径0.5km以内で「オリンピック」を含むツイートのうち、いいね!数が10以上ついたものを検索してみます。

複数の検索条件は半角スペースでつなぎます。下記をツイッターの検索窓に張り付けて検索してみましょう。

【min_faves:10 geocode:35.678044,139.714508,0.5km オリンピック】

普段、マーケティングの簡易的なリサーチとして行う業務では、こんな形で、エリアに絞り込んで調べたりもしています。また、下記のページでは、ここで紹介した以外にもツイッターで調べられる検索方法が網羅的に紹介されています。


さらに、検索結果をCSVで吐き出して分析する場合

さらに「ついすぽ」という無料を使うことで、ツイッターの検索結果からCSVでツイートデータの抽出を行うことができます。自動スクロールのアドインと併用することで、よりスピーディにツイート抽出ができます。

私は「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーのJX通信社の「FASTALEART マーケティング・アンバサダー」も担っています。FASTALEARTはTwitter社との提携により、報道機関に向けたテーマで情報収集をしているものですが、マーケター向けに、AIを用いて自動で投稿内容を分類することができる「FASTALEART For Marketing」というブランドリサーチ機能も提供しています。

過去、カップヌードルを題材に、「ついすぽ」と無料のテキストマイニングツールで行う分析法と、「FASTALEART For Marketing」のベータバージョンで行った分析例を紹介しています。

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