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10月の消費者理会のゲストは高橋浩一さんです。

株式会社秤の小川と申します。10年以上の総合広告代理店でのコミュニケーション支援の経験とデジタルマーケティング会社とPR会社でのコンサルティング経験を経て、2018年にマーケターに有用な効果検証法をメインテーマとして統計や因果推論の知識をまとめた「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」を出版、2019年12月に法人を設立し、今は業務委託でアドバイザーやアンバサダーなど複数の役割で活動しています。

本noteとイベント告知のキービジュアルで秤と書かれたグラサンを私がかけているのは、昨年2020年末に作った、インタラクティブ動画MILで作らせて頂いた「複業マーケター『秤貴史』」からです。平成の名ドラマ、大好きな只○仁のオマージュ企画です。


【更新情報2024年5月26日】

「その決定に根拠はありますか?」

確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング

戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。

消費者理会

JX通信社の松本健太郎さんのお声がけから、同社の新たなチャレンジをサポートする役割も担っています。同社は、「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーです。

私は、FASTALEART for Marketingというツールのアンバサダーとしても活動しています。これは、マーケター向けにユーザーの興味がある1テーマに分析対象を絞り込み、そのテーマでのツイートの抽出と分類までを機械学習によって行い、人間が行うと膨大なリソースがかかるデータの前処理を効率化し、ブランドの消費者動向や仮説のタネをいち早くキャッチすることを可能とした先進的なツールです。以下がサービスサイトです。(β版の分析イメージなど、本note後半で詳しくご紹介)

JX通信社について
「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーです。同社が主に提供するサービスは2つです。ひとつめは「FASTALERT」(ファストアラート)です。これはAIを用いて自然災害・事件・事故・情報漏洩・SNS炎上・新型ウイルス最新情報など様々なリスク情報を提供するサービスです。共同通信のほか、NHK、日本テレビ放送網、テレビ朝日をはじめとする全ての民放キー局と全国の多くの報道機関や当局に緊急情報の配信を行っています。ふたつめは、「NewsDigest」(ニュースダイジェスト)です。これは、一般消費者が「スマートフォンで最も速くニュースを知る手段」となることを目指して開発されたアプリです。ニュース速報や地震・災害速報のほか、鉄道情報など生活に必要な情報を最も速く伝えるライフライン型のニュースアプリ(無料)です。Google Playベストアプリ2019 生活お役立ち部門賞や、アジアの優れたデジタル報道に贈られる「アジア・デジタルメディア賞2020」の特別賞も受賞しています。

松本健太郎さんについて
龍谷大学法学部卒業後、データサイエンスの重要性を痛感し、多摩大学大学院で統計学・データサイエンスを学び直し、デジタルマーケティングや消費者インサイトの分析業務を中心に、さまざまなデータ分析を担当するほか、日経ビジネスオンライン、ITmedia、週刊東洋経済など各種媒体にAI・データサイエンス・マーケティングに関する記事を執筆しており、テレビ番組の出演も多数あります。noteやTwitterなど、SNSを通じた情報発信も積極的で、noteで活躍しているオピニオンリーダーの知見をシェアする「日経COMEMO」メンバーとしても活躍中です。 『誤解だらけの人工知能』『なぜ「つい買ってしまう」のか』(光文社新書) 『データサイエンス「超」入門』(毎日新聞出版)『グラフをつくる前に読む本』(技術評論社)など著書多数です。

このnoteでは、松本さんと素敵なマーケターのゲストをお迎えして行っているウェビナー「消費者理会」についてご紹介します。

消費者理会(10月26日火曜日20時~21時)

FASTALEART for Marketingや、それを展開するJX通信社について皆さん(マーケター)に知ってもらう活動から始めています。

そこで松本さんとはじめた無料ウェビナーが「消費者理会」です。「消費者『理解』」のための『夜会』的なイベントで、毎月1回開催しています。ホストは松本さんで、ゲストと私が消費者理解をテーマに松本さんが出した問いに対して回答しつつ、参加者の方の質問も交えて皆で議論しています。現段階では、まずは参加者の方に学びを得て頂くことを目的にしているので、ツールの宣伝はしていません。

【過去開催回のゲスト】
・2021年4月 ニューバランスジャパン 鈴木 健 氏
・2021年5月 リサーチャー 菅原 大介氏
・2021年6月 プリファードネットワークス 富永 朋信 氏
・2021年7月 ソフトバンク 井上 大輔 氏
・2021年8月 才流 栗原 康太氏/ブランディングテクノロジー 黒澤 友貴氏
・2021年9月 ファミリーマートCMO他 足立 光氏

事前打ち合わせでは、「ぶっつけ本番でお願いします」とゲストの皆さんにお伝えしています。独自の経験知見をもつゲストの皆さんの生っぽいお話をお聞きしたいからです。

2021年10月26日(火)20時~21時のゲストは、高橋浩一さんです。書籍出版や日経ビジネスなど寄稿も多数です。

高橋 浩一氏 プロフィール
TORiX株式会社 代表取締役
外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、アルー株式会社に創業参画。2011年にTORiX株式会社を設立。4万人以上の営業強化支援に携わる。2019年『無敗営業「3つの質問」と「4つの力」』、2020年に続編となる『無敗営業 チーム戦略』(ともに日経BP)を出版 、シリーズ累計7万部突破。2021年『なぜか声がかかる人の習慣』(日本経済新聞出版)、『気持ちよく人を動かす 〜共感とロジックで合意を生み出すコミュニケーションの技術〜』(クロスメディア・パブリッシング)を出版。年間200回以上の講演や研修に登壇する傍ら、「無敗営業オンラインサロン」を主宰し、運営している。

上場企業を中心に50業種3万人以上の営業強化を支援されてきた「営業のすごい人」、いや超絶すごいです。私も広告会社などでの営業経験が長い(15年程度)ので、もっと早く氏、または氏の書籍に出会いたかったと思っています。

読ませて頂いた書籍のうち、プレゼンしたコンペの勝率は8年間で100%を誇ったファクトから執筆された氏の書籍「無敗営業」をご紹介します。

本書冒頭では、氏が独自に営業される(お客様)側と営業する側(営業サイド)の双方に対するアンケートなどから、決まらない原因の根幹にあるお客様と営業の情報ギャップの存在から詳しく解説してくれています。

たとえば、下記は自由回答の記述のキーワードを抽出し整理したものですが、一番多かった回答が「わかってくれる・意図を把握してくれる・的確・明確」の32%で、注目すべき点は「提案力」「迅速さ」「誠実さ」といった数々の項目よりも「ちゃんとわかってくれること」へのニーズが際立って高いことです。

アンケート参照

氏のツイートより参照引用

これ以外にも本書で紹介された数々の調査から、お客様と営業の間に起こり得るズレを浮き彫りにしており、お客様はわかってくれる営業を求めているが、実際にはそれが少ない裏返しから32%の数字になっていることが分かります。

多くの営業組織では、「お客様第一主義」や「お客様を理解すること」を教えていますし、営業ノウハウの書籍もほとんどがその観点です。では、なぜズレが起こってしまうのでしょうか?

書籍で用いられていた例え話ですが、たとえばスーツやネクタイなどを選びに行くと、すぐに店員さんが「試着できますよ!」と迫ってきて、慌ててその場を離れた経験はないでしょうか?

冷静に考えれば「そんなに売り込まれたらお客は引くでしょ!」と多くの方は思うと思いますが、こうした接客や営業はなくなりません。氏がこうした売り場の接客研修をされていた方から聞いたお話では、接客スタッフの新人研修では「試着してもらえれば、お客様が買う確率は〇%上がる」といった情報が提示されるそうです。そういった情報から、積極的に試着を促すのも頷けますが、えてしてこうしたデータには、「その試着はお客様が望んだものかどうか」という観点が含まれていません。

お客様は、なぜスーツやジャケット、あるいはネクタイを買いに来たのでしょうか?たまたま立ち寄っただけかもしれませんし、大事なプレゼンのための勝負服を買おうとているかもしれませんし、以前から目をつけていた服を買おうか迷っていたけれど、給料日でお金が入ったので買うモードになっている可能性もあります。

営業側は、接客や営業を開始する時点では、お客様の背景に対して相当な情報不足に置かれている一方で、売る側には、会社側からの売る方針や目標、売るためのノウハウといった膨大な情報が大量にインプットされており、お客様の課題やお悩みに耳を傾けようと努力していても「達成すべきこと」へ意識が傾きやすくなってしまいます。

「売る側」と「買う側」に分かれると、膨大な情報ギャップが生まれることを大前提として、これを解消するための具体的な方策として、情報ギャップを乗り越えて接戦を制する「3つの質問」と、客さまとのズレを解消する「4つの力」に分けて、氏が培ってこられた体系的なノウハウが解説されていきます。

私もこれまでの営業経験(15年)では1,000社を超える担当者にお会いしてきました。当時の諸先輩などから叩き込まれたノウハウがありました。今、その経験に感謝する一方で、営業組織として教わることは「売る側の都合」や「営業成績を管理する側らの論理」で構成されているものも多く、固有の会社でしか通じないものも含まれます。お客様に寄り添うノウハウは自ら模索し、お客様から学んできた部分が多かったです。そうしたノウハウは普遍的にどのお客様との向き合いでも有用なものです。高橋氏の書籍では、そうしたノウハウが体系化されています。自らが模索してきた中で体系化してきたものを、氏の豊富かつ整理された知見から整理して教えてくれるような内容でした。

もう一冊の「気持ちよく人を動かす」も秀逸でした。

私も、マーケティングのコミュニケーション施策などの実行施策の支援がメインでしたが、ある時期から論理的に組織や相手を説得するコンサルティングにシフトしました。論理的にご納得いただくためのシナリオ作りなどに拘ってきましたが、

それは「説得」を試みるアプローチになっていて、本質的な合意形成を難しくしており、重要なのは「納得」して頂くためのプロセスではないか?そんなことに気づいてきました。

本書では、合意形成を導くためのノウハウをより、詳しく体系的に整理してくれています。

営業もコンサルティングもどちらもビジネスマンには必要なスキルです。特に営業が重要な方には「無敗営業」を、特にコンサルティングが重要な方には「気持ちよく人を動かす」をおススメします。この2つのノウハウはベン図で書くと重なる部分も多いので、両方読んで頂くのが良い!と思っており、2つに共通する要素として「お客様理解」の必要性を改めて実感することができました。10月26日(火)20時からの「消費者理会」で営業のプロとしてのお客様理解を実践されてきた氏との語らいが楽しみです!

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スクエア



FASTALEART for Marketingによる「ブランドリスニング」とは?

既存からあったソーシャルリスニングに内包される概念として「ブランドリスニング」という新たな価値をマーケター向けに提供するサービスです。炎上監視とも重複します。主に自社ブランドにまつわる言及を察知する炎上監視の視点に加え、そこから得られる消費者の声をマーケティング活動に活かすものです。

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ソーシャルリスニングとは?
マーケティングにおけるリサーチ手法の一つで、ソーシャルメディア(SNS)上に投稿された消費者の生の声を収集して分析し、示唆を得ることで、自社のマーケティング意思決定に活かすものです。ネット上に公開されているビッグデータから特定のテーマを絞り込んで、データを集め、観察または分析することで示唆を得るものです。SNSの中でも利用者が多く、投稿も(鍵アカを除いて)公開されているTwitterのデータが特に活用されています。FASTALEARTもTwitter社との提携により、報道機関に向けたテーマで情報収集をしています。

ファミチキで「ブランドリスニング」

私もユーザーとして契約しているFASTALEART For Marketingのβ版を使って調べてみました。テーマは、ファミチキです。(9月の消費者理会のゲスト、ファミリーマートCMO足立光さんだったのを機にテーマにさせて頂きました)

上記の記事には2021年8月10日からファミリーマートが創立40周年を記念したキャンペーンとして、ファミチキやサンドイッチ、サラダ、お菓子など人気商品20種類を値段据え置きで「40%増量」する取り組みにおいて、とくにファミチキがTwitterのトレンドに入るほどの話題となっていて「とにかくデカすぎる!」と、写真を添えてツイートするユーザーが急増したとあります。

私の自宅周辺のコンビニは、家から近い順に、セブンイレブン(徒歩3分)ローソン(徒歩5分)、次がファミマ(徒歩10分)なのですが、わざわざファミマに行く回数が増えています。増量キャンペーンを見て、まずお店に確かめにいきました。一人で食べてみたりもしましたが、共働きの家内と今日の夕食はラクに済ませようか?「ファミマ40%増量だからそれを食べよう(ファミチキ&焼き鳥)」と提案して実際に、我が家でファミマ40%増量ディナーが開催されたこともあります。

そんな私も(家族も)大好きなファミチキでブランドリスニングしてみました。FASTALEART For Marketingのβ版の分析画面を少しご紹介します。(画面はβ版なので、今後変更される可能性はあるみたいです)

これが、分析画面の一部です。ここでは「施設に関する反応」のツイッター投稿の抽出を選択した画面をキャプチャしました。

キャプチャ1

機械学習によって、ファミチキに関する投稿を文脈から抽出分類してくれています。

投稿個別に、フォロワー数、感情の判定フラグやリツイートの予測数といった値も紐づいています。

通常のソーシャルリスニングでは施設(ファミマ店舗)に関する言及を見ていきたいと考えた際は、「ファミチキ」というフレーズに加えて、どんなフレーズ(たとえば「店」)などと一緒に言及されているか?フレーズを仮説して投稿を抽出をしていくステップが必要です。一緒につぶやかれているフレーズを何度も追加したり、除外すべきフレーズを考えて、店舗に関連する言及を抽出していく膨大な作業が必要です。

一方で、FASTALEART For Marketingのユーザーは、その作業をする必要がありません。機械学習のフィルタ機能によって、投稿(ここでは「ファミチキ」)の分類をしてくれるからです。ここから任意に指定したフィルタ内容に応じてファミチキの投稿を見ていくことができます。

フィルタ

人気がゆえに混んでいたり、「増量のファミチキが売り切れていた(涙)」などクレームじみた投稿もありますが、ファミチキ好きであるが故のポジティブな投稿と捉えられるものが多かったです。

こうした店舗に対応するクレームはマーケティングで大きな意思決定につながる場合もあります。ツイッターは匿名アカウントも多いので店舗スタッフに直接は言わないけれども、ネガティブなホンネをネタっぽく投稿する方も多いと思います。

そんな声(ホンネ)が店舗の運用改善の大きなヒントとなります。投稿の抽出や分類といった前処理の手間を省いてスピーディに把握することは、小売りや飲食、商業施設など、多くの店舗業種のマーケターにとって大変重要なことではないでしょうか?

投稿データを抽出して人力で、先に示したフィルターで分類するには膨大な工数がかかります。その投稿に含まれる単語や、含まれない単語などを細かく考えて指定してそれぞれ抽出する必要があるからです。FASTALEART For Marketingの分類用フィルタの粒度で投稿を私が分類しろと言われたら、白旗を上げたくなるレベルです。

FASTALEART For Marketingは、特定のブランドをテーマとして機械学習によって学習データから(≒文脈などから)分類してくれるので、前処理のリソース浪費を避け、マーケターが意思決定に役立つヒントを素早く得ることができるものです。自らが手掛けるブランドの消費者動向や仮説のタネをいち早くキャッチしたい!と思う方は、ぜひサービスサイトをご覧いただきたいと思います。

以上となります。ここまでお読み頂きありがとうございました。

【更新情報2024年5月26日】

「その決定に根拠はありますか?」

確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング

戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。