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マーケティングから入った農業の世界

我が家は米農家だったけど、自分は次男だった。

と言うことで、高校を卒業して上京し農業とは関係ない大学を出てサラリーマンになった。

商品を企画する仕事をしたいと思い、パソコンの周辺機器を製造しているメーカーに入り、小さな会社だったのでプロダクトマーケティング(製品企画)からマーケティングコミュニケーション(広告・販促)まで経験させてもらいました。

元々、BtoB(企業向け)よりBtoC(個人向け)の商品に関わりたいと思っていて、理由としては、BtoBであれば製品の機能を主に評価され選定される中で、個人向けは機能だけでなく、デザインがかっこいいとか、筐体が赤いから、とか言う五感に響く理由で選ばれることがあり、そんな五感に響く商品を売りたいと思っていたから。

幸いにも入社した会社は企業向けも個人向けも両方扱っている会社で、楽しくお仕事してましたが、時代として、個人向けは価格競争がシビアになり、また大手メーカーの寡占になりつつある時代で、結果的には早々に個人向け商材からは撤退してしまったのでした。

とは言え、企業向けの商材のマーケティングもやってみると楽しく、特に某コンビニ向け専用の機械では、営業と共に顧客の要望をヒアリングし、専用商品の企画から行い、1回の注文で億越えの注文をもらえたのはいい思い出です。

そんなこんなでコンピューター周辺機器業界でマーケティングのお仕事を6年ほどしていたわけですが、気がつけば長男はまったく農業を継ぐ気もないことがわかり、親からのプレッシャーも自分に向きつつありました。

そんな時ふと思ったのが、我が家がお米の産直販売(通信販売)を行っている、と言うこと。

我が家では栽培したお米をJAや卸売業者に売るのではなく、自分のところで精米して、スーパーに売っているようなお米の袋に入れ「〇〇さん家のお米」として販売していました。

そう考えると、お米の栽培ではなく、お米をどう売るか?という点で言えば、今までのマーケティングの経験も生かせ、さらに、自分が望んでいた個人向けの商材で五感に訴えると言う点ではまさに「おいしさ」と言う五感に訴える商材(お米)という点で理想ではないか!と思って転職(就農)したのでした。

まぁ、そうは言いつつも、通信販売をやっているとは言え、社員も1~2名でほぼ家族経営。
毎日マーケティングや販促のお仕事をしていればいい、というわけではなく、基本的には農作業をしながら、空いた時間にマーケティングの仕事をするわけですが、それでもマーケティングの分野に関しては、今までの知識も活かせるので助かりました。

ちょうどネット通販も増えてきた時期で、また長年のお客さんも家族構成やライフスタイルの変化もあって購入量が減る中で、新たな展開をしていかなければいけない時期だったので、今までの経験、またマーケティングの視点と言うのが、その後の我が家の経営にとても役立っていると思います。

また、栽培面では素人で先輩の父親に対して何一つ勝てませんが、マーケティングの分野では自分も経験があるのでその部分では対等に渡り合えたと言う点でもよかったと思います。

#マーケティングの仕事

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