幻たちの動物

詩の雑誌「幻代詩アンソロジー」Vol.2（ライトバース出版、2024）に出てきた動物たちを、いくつか「」に引用。（　）作者、数字はページ
「鱗は言う」（黒崎晴臣）7
そして壁は、セミ（虫）のような昆虫だ・肩
「穴を掘ってただ尊顔をこちらに向けている獣には都の記憶がある」（佐々木漣）9
畳を、人形である恐竜が、背であると思っているカニ
「うまいと評判の牡蠣ラーメンを食べに行くことにした。」（鈴木奥）16
タラ（魚……）わたしと、犬が、元気だ・体操と健康とウニ
「いかるがは　そのはばたきを　やめる　空に」（ひだり手枕）18
このスポーツが、写真を見ているシーラカンスのようなものだ。シーラカンスではないのだとしても（瀞）、
「どうぶつビスケットが大量に送られてきた
部屋の中で開けたらどうぶつたちがわんさと出てきた」（草野理恵子）26
テレビが、たくさんあったアメーバと城と、寿司を思い出しているだろう生きもの（そしてマジック、出てくるだろう鳩）はと
「動物ビスケットなのに私が入っているのが不思議ですと言った
そうなの？　魚って動物じゃないの？」（草野理恵子）27
私は公園だ、と、アライグマになりたいキツツキは、ワニに言いたいだろう。それは話を聞いてくれるクラリネットだ・アコーディオンであるだろう飴
「空を見上げて鳥を見ながら鳩たちが言う」（藍眞澄）29
この金属は、石を知っているネ
「幸せそうなナマケモノが笑う」（都圭晴）32
オーケストラが、思っている。お菓子という、透明なものが、列
「聞いたことがある、鳥にはクチバシがあった」（妻咲邦香）41
私は今
「半透明の窓ガラスは青々として
二本の足を逞しく見せた」（杉山直弘）43
これは鳥である（砂が多い公園で、青い動物であると机のように思った）そして緑。
「大通りを渡り細い路地を曲がって老舗のうなぎ屋を右に曲がる。」（井上正行）44
映画で見ていたトカゲが、花を見ているだろう。布・（そして）布、
「そこにいて
公園を踏む、孔雀が立つ」（柳坪幸佳）47
テニス（線がある。いろいろな星の象）象
「ビーチボールを追いかけるシロクマ」（うたもも）50
ペンギンがいれば、（ピアノは）楽譜になることが、できるだろう（くだもの）
「僕は冷静だった　こわいくらいに
象と目が合ったような気がした」（西川真周）53
宇宙をアライグマは、それから、サンショウウオであると言っている（思った）思った。鵜
「巨大アンモナイトの化石を
なでまわしたところまでは覚えているのですが」（高橋加代子）60
イグアナは、いつも、である。
「雪に残る狼の足跡から蔓が芽吹き、蛇となり、」（鳥井雪）62
庭と、それから金魚（そこにいるフラミンゴだろう。フラミンゴ、）木
「青ざめた魚と黴の生えたステーキ、色の変わった果物。」（灘奏子）66
動物はフジツボであると、チョウザメも思っているだろう（ペンキと板が、屋根を見ているだろう）
「小鳥たちは一斉に空へ飛び立つ
恐竜の後ろ姿が緑の中に消えてゆく」（でおひでお）71
ふくろう（遠いところにいるアザラシ）それからゴム
「中空を舞う鳩の一羽ずつに、アイスクリームの結晶が付着しました」（山田真佐明）72
どのような蛙と、ボールを使っているボウリングが、怪獣と牛。建物と建物と色
「アマノジャク
おたまじゃくし」（犬伏カイ）80
……メダカの図鑑が全
「鳴いていた蝉たちが一斉に飛び立つ
路は見えているか」（児島成）90～91
豆腐が喜んでいるテーブルと、層
「トカゲがいて、小さいけれど怖かった、」（宮永蕗）95
サメの、種類が、多いのだろう（バウムクーヘンが言いたい。それがケーキだ）。面
「駅のない小さな街でひっそりと生息する猫の召使いです。」（藍眞澄）103
ヴァイオリンと蛾なのだろう壁が、ホームズ（シャーロック、）と松（それは木だ）を、言って、来る