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探究活動事例3 ~「将来の顧客へ届け! 学校購買部お弁当を・・・」~

2020年4月~2021年3月 前の職場にて

「なぜ、地元の飲食店に行かないの?」
高校生5名がテーマ探しをしていたときに、ふと、この疑問が出てきた。

学校と自宅との往復の日々。田舎の学校。
そうであれば、昼のお弁当もあるのだし、飲食店に行くまでもない。
加えて出てきたのが・・・
「高校生は個人経営の飲食店には入りづらい」
という気づき。

そして、そもそも10年後「その店は存続できているのか?」という高齢化が進む地区ならではの悩み事も出てきた。

そこから話は盛り上がり、「食べハードルを下げよう」というテーマを掲げて、チャレンジする内容を考えることになった。
さて、10年後の顧客も確保しよう・・・・ん? 高校生は10年後の顧客になり得るのではないか?
→ 「子供のころに一度行って味わったお店の味は、案外覚えている。(マクドナルドのハンバーガーとか?) その子らが大人になっても継続して顧客になってくれる。」とか聞いたことあるね。
→ では、高校生の私たち自身が、私たち自身を探究して仕掛けてみては?
→ 高校で、食・・・・。 購買部のお弁当!

「購買部と連携してのチャレンジ」
 地域の個人経営飲食店の看板メニューを、お弁当として販売していただくように、”飲食店” と ”購買部”・”購買部への卸業者” さんと ”学校事務室” とを交えた四者とのお打ち合わせ。生徒自身が中心になって日時・会議内容・セッティングした。(裏では、会議一般的な準備・運び方などは、私が事前にレクチャーはしたが、当日の会議については全て任せた。)
 結果として、2週間の限定で、2店舗がお弁当を出してくれることとなった。事前注文制・事前代金支払い制にして高校生・教職員への販売を行った。アンケートも添えて、「お弁当を食べたことによって、またお店に行って食べてみたいか?」 の意識調査も行い、「また行きたくなった」が多数を占める結果が出てきた。

 地域との連携、は割とよく聞くが、まさか、自分の高校購買部をイノベーションするとは、初めて聞いた。私にとっても、探究アドバイザーの方にとっても、前代未聞のチャレンジになった。

 集金、支払う前のお金の勘定作業はすさまじく大変であった。でも、まぁいろいろ困難はあったが、高校生が自分たちで企画した弁当販売をやり遂げたこと、その後のアンケートによる検証までやり遂げたことに、大いに自信を持ってくれていた。

 身近な学校にも、改革できる場所はいろいろ残っている。テーマを探すときには、地域だけでなく学校自体にも目を向けると、探究活動ネタが転がっていることを身をもって経験したテーマであった。


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