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31w4d 仕事納めと産休のあいさつ、そして盲腸

朝から夫が腹痛で呻いていた。こんなことは出会ってから始めてである。

あまりに辛そうなのでとりあえず、温かいものをいれてゆたんぽと体温計を手渡す。色黒過ぎるため顔色は全く判断材料にならないが、爪には赤みがある。熱もないし一過性の腹痛だろう。昨晩、布団をかけずに寝ていたらしい。

私はというと、とうとう最後の出社をしてきた。しばらく在宅勤務しているうちに面白すぎることが社内で発生していたが、ここでは割愛する。平たく言うと、謀反である。

残業などして挨拶をしまくり、社会人生活史上一番の軽やかさで退社。帰りには美味しいパフェを食べてきた。

ゆっくりお茶でもと思ったが、夫のこともあるので早々に帰宅する。

大人の体調不良なんて子供のそれに比べたら大したことはない気がしたが、なんとなく落ち着かず早く帰らなければと思ったのだ。

帰宅してみると、夫はベッドでぐったりとしていた。額に触れると熱を持っている。測ってみると朝よりも熱が1度も上がっているし、なんのきなしに手を置いた右下腹部がピンポイントで痛いという。

確か、朝はお腹全体が痛いと言っていた。熱も上がっている。これはもしや盲腸かもしれない。わたしも以前になったことがあるが、全く同じプロセスを辿っているのである。

放っておくと腹膜炎になってしまうかもしれないが、朝よりも痛みがひいているし、このご時世で夜間外来が回っているのだろうかとも思い、とりあえず明日朝一で病院に行くように促したが、なんと本人が今から病院に行くと言うではないか。

どうやら自ら盲腸について調べてみて、思うところがあるらしい。さっきから言っているのに‥と微妙な気持ちになるが、人ってそういうものである。

その後、あなたは本当に病人か?という明瞭さで電話をかけまくり無事にマッチする病院を捕まえて、夫は寒空の下向かっていった。

普段であれば私も付き添うが、身重の今はさすがに厳しいものがある。できたことと言えば、もっと病人らしく弱々しく話したほうがいいかもよ?という浅はかな入れ知恵だけである。

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