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お布施って何だ?

新興宗教による悪徳霊感商法やお布施の強要が社会問題としてクローズアップされています。

仕事柄多くのお寺さんとお付き合いさせて頂いている僕の立場からすると、色々と思うところがあり、あらためて考えさせられる機会になりました。

そもそも、お布施って何だ!?

そんなことをぼんやり考えていた時に、友人たちとのグループチャットでお布施の話題が出ました。
「お布施は、資本主義的文脈での『対価』ではなく、『感謝の気持ち』として提供して頂くことが大事だよね。」

確かに。

でも、『感謝の気持ち』であるからには、感謝する理由が欲しいと思うのは煩悩にまみれる在家の人間にとっては自然な発想ではないでしょうか。
例えば、お坊さんに拝んでもらったら病気が治ったとか、亡くなったウチのじいちゃんや御先祖様をいつも供養して頂いているとか。

あれ?
こういう理由に対してお布施を納めるのであれば、これは『感謝の気持ち』なのか、それともお寺さんから何かしらお世話になったことへの『対価』なのか?どっちになるんでしょう??

たぶん、この問いにぶつかる時点で、在家(一般の人々、出家の対義語)の僕たちの寺や仏教(さらには神社や神道)に対する知識が足りないのだと思います。

お参りの時にするお賽銭もお布施の一つですが、お参りをする時、たぶん多くの人は仏さまや神様に『お願い』をしているのではないでしょうか。

勿論それがダメということではないようですが、なんだかんだありながらも今日も無事に過ごせていることに感謝したり、自分の願い(=それを叶えるために努力をしようと思うこと)を仏前や神前で誓い、仏様や神様のお力添えをお願いしたりすることも大切なことです。

そう考えると、お布施は『対価』ではなく、見守ってくださっている仏様や神様への『感謝の気持ち』と理解することができそうですね。

良いお布施をして、陰徳を積んでいきたいものです。

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