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ウェールズ人とイングランド人、日本人にお手を拝借される

多くのウェールズ人が日本に訪問に来ている2019年ラグビーW杯。そういえば、俺は去年、ウェールズ人とイングランド人を連れて、東京に来たのだった。そのときのおれの「よ う こ そ」をまとめてみる(成田空港風表記)

観光で来日する英国人ってのは...なんつうか、いろんな意味で余裕がある層だと思う。比較的異文化に興味があって、挑戦することに知的な楽しさを感じるような。   今回の俺が連れたメンツは、正直日本文化に積極的な興味はないメンツである。会社から、無理やり日本に送られたのに等しい。   だから今回は日本にそんなに興味あるわけでは無い人を連れてきた話なので、決して英国人はすべてこう、とは思わないでね。


<ヒースロー空港>

そもそも、みんな日本に英国土産でショートブレッドとか紅茶とか酒とか持ってくから、「オガさん、やっぱ英国でアフタヌーンティーやってんすか?」とか誤解をされるわけである。そういう質問を阻止するために、違うお土産を持っていくべきだ、と伝える。これは日本の担当者にダメージを与える意図も含んでいる。

もちろんイングランド人マネージャーは俺の意見を無視し、空港でショートブレッドを買った。俺の目の前で


<羽田空港>

なぜか彼らは羽田空港と言えない。ハニダ・エアポートである。そのあとこの発音は俺に伝染してしまい、直すのにちょっと苦労した。彼らは出張もプライベートも、欧米しか行ってないメンツで、どうもハニダは勝手が違うらしく緊張してた。だから色々ふっかけてビビらせておいた。

さてさて、彼らの日本滞在記がスタートである。

<ココイチに連れていく>

当時はまだロンドンにココイチは無かった。だから俺の英語が毎度Japanese English=Janglishと言われるので、それに習ってココイチはJapanese Indian=Jindian Curryと説明した。日本式カレー。

彼らが異常に気にしてたのが、ハンバーグカレーである。なんでその2つが一緒になるのか、ものすごい不思議らしい。てかお前らも、カレーにライスとチップス半々で食うだろ!

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ただ、ハンバーグカレー、味はすげえイケてると喜んでいた。基本的に典型的なブリティッシュは、食いなれてないものは徹底的に嫌がる傾向にあるのだが、そんな彼らでも食えるとは大したものである。さすが俺たちの☆誇りココイチ。


<Hubとドトール大好き>

今回のメンツは、日本語を学ぶ気はゼロである。そんな彼らの日本の風景は、自分が理解できる文字情報の英語だけが目に入ってくる感じなのだろう。だから、異常にHubを見つけるスピードが早い。そして、何かにつけては、すぐに行きたがるのである。

だいたい米国出張にみんなで行くと、英国式パブを掲げている店に行っては「英国のパブはこんなにサービスが良くない。飯も良すぎる。てか、なんでパブのカウンターの姉ちゃんの愛想がいいんだよ!ゆえにここは英国式でない。ヤンクスは英国をわかってない」と文句をつけるのだが、Hubは本当に楽しそうにするのである。

おそらく、あまりにも東京がウェールズと違いすぎるので、彼らにとってはこれで十分なのだろう。カウンターでお金払って一杯、って方式だけで泣けるレベルかもな。

滞在後半は、コースターと、足が置ける椅子(スツールみたなの)が欲しいとうるさくなってきたのだが、どうも無いとムズムズするらしい。俺らにとって、生で箸をテーブルの上に置かれて、座布団なしに畳に座らされる感じなのかもしれない。

とにかく俺は日本滞在中、連夜彼らのゲヘゲヘ話を、立ちっぱなし+ツマミなしで聞かされることになった。しかしながら、彼らのこの特訓により、俺は彼らのスタイルが好きになってしまった。


ドトール以外にも、マクド、スタバ、タリーズに連れてったのだが、みんながお気に入りだったのはドトールである。これは朝食のセットが、彼らが頼みやすかったのと、その内容があんまりヘンテコでなかったのが大きかったと思う。

みんなドトールにジャパニーズ・コスタとあだ名をつけて、親しみを込めて毎朝通っていた。ああ、さすがよその土地に、英国式の名前を付ける民族である。第2次大戦後、英国がメインで日本を占領してたら、伊豆とか多分ブライトンとかいう地名になってるぞ。武雷遁か?男塾の三号生にいそうだな。

でも、ドンキはASDA派とTK MAXX派に分かれた。

ASDA: 英国のちょい安いスーパー。俺はモリソンズの方が好き。
TK MAXX: 英国でよく見るアウトレットストア。野郎はあんまり行かない。


<日本のテクノロジー>

あれなー、ホテルのリモコン、あれ英語つけてあげないと、副音声にみんなできないんだよな。おかげで俺が全員分の部屋のリモコンをいじる羽目になった。

外国人が日本の電車で騒いで閉口することがあると思うのだが、あれは調子に乗ってるわけでなく、”変なカルチャーの中にいるが安全”なので、単にテンションがあがってるだけである。許してやってほしい。

”お前ら、日本では電車の中は静かにしろ!”と何度も言ったが、コーフンして、ちっとも言うことを聞かない。多分、ガキの遠足のバスみたいなもんで、大人しくしろと言われても、そうはいかんのだろう。


彼らには日本の電車とゲロ吐くサラリーマン、はかなりテンションがあがることが判明した。めっちゃ日本なのだろう。シティ・エティハド・スタジアムでオアシスが流れ、マンチェスターだ!と感動する日本サッカーファン、のようにだ。


<日本の洗礼>

これは個人的にホントにツボで、いまだにとろろをみると思い出し笑いしてしまう。ベビーフードか、ああ、わかるわw

とにかく、俺の周りの英国人は内蔵系が超苦手である。これはいまだに根に持たれている。

彼らは、コップの英語を[シャレオツなデザイン]とは全く読まず、ガチで意味を取ってしまうのである。だからこのデザインを見てレタスジュースだと思ったらしい。

あんまり洗礼ばっかしてると、ウェールズ帰りたいと泣きそうになると思ったので、TGIフライデーズとかアウトバックとかを2・3日に1回は連れてった。でもまさかサブウェイでウェールズ人が泣きそうになるとは思わなかった。

<楽しいこともあるよ>

焼肉は本当に喜んでた。バーベキューをコンパクトなエリアで、室内で食う、かつ人が配膳やら網の交換だのやってくれる、ラグジュアリーなバーベキューだもんなそりゃ。ビールキンキンに冷えてるし。

あ、あとトンカツも楽しいつってたな。ゴマを擦るのが楽しかったそうである。


俺は六本木は何が楽しいかサッパリわからなかったのだが(この日も、俺はとっとと帰った)、彼ら曰く「クレイジーだけど安全でクリーンなとこって、滅多に無いんだよ。かつ店で、ある程度英語通じるし」で、ああ、そういうこと、と初めて分かった。

そうそう、みんな言うの。日本のいいところはSafe, clean and polite.

安全でクリーンで礼儀正しい。

”まあ住んでると色々あんだけどな”、と思いつつ、彼らにとって、安全でクリーンなのは確かである。

<旅の終わり>

最初のフレーズは「最後の一杯な!」のこと。この旅で覚えた。

てかお前ら最初から最後まで飲んでたな!

だいたい彼らなりにお辞儀したりして、紹介するジャパニーズには気を使って、話しかけるのだが、おおよその人は何言ってるのかよくわからないので、俺が通訳する必要がある。

その時に、だいたい訳したあと、「このクソッタレな国には二度と来たくねえって言ってます」とか「お前ら戦争に負けたなら英語話せって言ってます」とか「ファッキン・ブリティッシュくらいわかるよこの野郎って言ってます」とか、だいたい余計なことを付け加えた。

やつらが日本語がわからないことをイイことに、そんな風に奴らをおとしいれたり、ひどい目に合わせたりしたのだが、そんな彼らも、これはかなり気に入っていた。

てなわけで、イングリッシュとウェルシュと、カーディフではチャイニーズ扱いされているジャパニーズの日本の旅もこれでおしまいです。

それでは皆様、お手を拝借。
よーおっ!

(END)


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