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Globe amaranthus

「よく笑う子」

それが私から見た彼への第一印象だった。

新社会人として2ヶ月余りが経った頃、慣れない生活に疲れ果てていた私は何のあてもなく"配信アプリ"を開く。

当時私は いわゆる"大手配信者"しか見ていなかったが、何を血迷ったのか"おすすめ欄"を漁る。

「あ!このイラスト可愛い!」

そんな理由で入ったのが彼の配信だった。

私は潜って彼の配信を聞くことにした。  
  
彼はリスナーさん達と「初見さんが来たらどうやって対応しよう!」などと、和気あいあいと話していた。

初見さんの話か……。
そういえば私、初見じゃん。

"今しかない!"と思った私は、気が付けば「初見です!」とコメントしていた。
脊髄反射だった。

「初見さんいらっしゃい!」

朗らかな声で彼は言った。その後 彼は簡単な自己紹介をしてくれた。
そして、彼の目指す"夢"の話、コミュ障の話、サムネのイラストを自分で描いてる話など沢山の話をしてくれた。

それから数週間後、私は今でも彼の配信に通っている。

理由はただ1つ、
"この人になら、このリスナーさん達となら、何があってもついていけるかも。リアルで何か辛いことや嫌なことがあっても心の拠り所になるかも。"
強くそう思ったから。

彼の配信に通う中で私は、彼の"人間性"に触れることが多かった気がする。

言葉の言い回しや伝え方。1人1人に着実に寄り添い、それぞれに投げかける言葉にはいつも感嘆させられる。

死生観が好きという話。誰にでもいつかは訪れる"死"に対して、老いは怖いものだという考えを持ち、"今"を大切に生きようとする彼の姿はアニメの主人公さながらの生き様だと私は思う。
悲観的な考え方を併せ持つ彼に私は"真の人間らしさ"を感じた。

自己解析能力も高く、自分自身の好き嫌いや得意不得意に留まらず、様々な事柄において自分なら○○といった解像度の高い自己分析をしているのが印象的だった。
(きっと面接とかで、自分のことを語れるタイプ。)

勿論、彼の魅力となるものは他にも沢山あるが、食べ物の好き嫌いが激しく漢字弱者とも呼ばれる彼が愛されているのには彼の"人間性"が深く関係していると思われる。

また、彼の"人間性"に惹かれて彼のそばに居るリスナーさん達も素敵な人達だということが分かる。類は友を呼ぶとはこの事だ。

今はまだ無名だけれど、いつか大きくなって彼がライブをするその日まで。いや、その後も私は彼を推し続けると思う。

ライブの夢を叶えた先には何があるのだろうか。

私は今、とてもワクワクしている。

何が起こるのか誰にも分からない未来だからこそ、何にでも挑戦出来る。それは彼に限らず、私達も一緒である。

冒頭で言った、「よく笑う子」。
よく笑う人はよく泣く人だと言われるように、彼の笑顔に隠された本当の感情があるのだとすれば それはそれで人間らしくて素敵だと思う。だが、外見ほど内面は見られにくく評価され難い。

彼がたまに口にする、"ネット上の僕は僕じゃなくて、僕の周りに居てくれるみんなだ"という言葉のように私達が彼となって、ホンモノの彼をいつか泣かせたい。

彼は自らの配信を「みんなの居場所」になるようにと願っている。
それと同じように「彼の居場所」でもあって欲しいと強く深く思う。



彼には色鮮やかな魅力が沢山詰まっている。




まるで 色褪せない、千日紅のような。




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