3日前まで生きていたおじいさんのこと

おじいさんが3日前亡くなった。

大正生まれ御歳94歳、享年96歳だった。

戦争を経験して帰ってきて、一男一女に恵まれ家を構えていた。

晩年の穏やかな祖父しか知らないが、いつもニコニコと笑顔で祖母の隣で笑っている人だった。出しゃばることはなく照れ屋で穏やかな印象は周りの人も同じようで、しかしながら若い頃は力持ちでお酒も強いため血気盛んな豪傑だったのだとか。

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祖父は兄弟の5番目で長男は陸軍、次男三男は海軍に入っており、兄達の真っ白なセーラー服姿に憧れて海軍に入ったと聞いた。

またその昔、体を大きくするためにご飯をたくさん食べさせられる=いっぱい食べられるという理由からボート部に所属していたそう。その丈夫な体で夏は海に、冬はかまくらを作ってくれた孫煩悩なおじいちゃんでもあった。ここ数年は動きこそゆっくりではあったが一通り自分でこなし、本人もまだ数年は生きるだろうと話していたようについ昨秋まで元気に過ごしていたが、3日前穏やかにその生涯へ幕をおろした。

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今回驚いたのはその綺麗に整理されたアルバム。白黒やセピヤに焼けた写真や葉書を状況やメモと共に几帳面にまとめてある。若い頃からこつこつと自分や身の回りの人の歴史をきちんと記録していたようだった。

毎日付けていた短い日記。そこにはちょっとやそっとで動かない確固たるものを持って生活をしていた祖父の人生が記録されていた。どんな思いで毎日記録していたのか。ルーティンのお手本のような生活をしていた。筆跡を目でなぞると涙が出てくる。

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知れば知るほど粋な人生を送っていていて、本人に話を聞けないのが寂しい。祖父の骨は、今までみた誰よりもしっかりとした大きく丈夫なもので悲しみの中さすがだなと感心してしまった。

私のルーツがこの人にあることを誇らしくあたたかく思う。いつまでも心にその笑顔を留めていたいと願う。自慢の立派なおじいさん、よく休んで、いつかまた話を聞かせてください。

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