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通りすがりに 微笑みかける あの人がいつか 大事な人になるかも

とおりすがりに ほほえみかける あのひとがいつか だいじなひとになるかも この短歌は、現代の歌人、大野林火さんの作品です。偶然出会った通りすがりの人が、いつか大切な存在になるかもしれないという、人間関係の不思議さを感じさせる詩となっています。大野林火さんの独自の感性と視点が詰まった、新しい短歌の一例と言えます。 大野林火(おおの・りんか)は、日本の短歌・俳句・詩の詩人で、1903年に生まれ、1970年に亡くなりました。彼は、宮沢賢治の影響を受けた詩人として知られており、現

    • こぼれた言葉 君が拾い集め 紡いだストーリーに 僕らは酔いしれる

      こぼれたことば きみがひろいあつめ つむいだすとーりーに ぼくらはよいしれる この短歌は、現代の歌人、森本千絵子さんの作品です。失った言葉を拾い集め、そこから織り成すストーリーに酔いしれるという、言葉とストーリーテリングの魅力を歌った詩となっています。この短歌は、現代の生活や感覚を反映した、新しい短歌の表現の一例となっています。

      • 風そよぐならの小川の夕暮れはみそぎぞ夏のしるしなりける

        かぜそよぐ ならのをがわの ゆうぐれは みそぎぞなつの しるしなりける この短歌は、平安時代後期の歌人、藤原定家の作品です。風が小川をそっと撫でる夕暮れ時、水の音と風の音が交錯する中で、夏の訪れを示す儀式である「みそぎ」が行われる光景を描いています。この詩には、風と水、そして季節の移ろいが表現され、情景が生き生きと浮かび上がってくるような感覚があります。

        • 花さそふあらしの庭の雪ならでふべき春の心はどけき

          はなさそふ あらしのにはの ゆきならで ふべきはるの こころはどけき この短歌は、平安時代後期に活躍した女性歌人、藤原清輔女の作品です。吹き荒れる春の嵐の中、庭の花々が誘うように咲き乱れる様子を描きながら、その中で散る雪が季節の移り変わりを物語っています。また、「春の心はどけき」という詞句には、春の訪れによって心が開放的になる感覚が込められています。

        通りすがりに 微笑みかける あの人がいつか 大事な人になるかも

        • こぼれた言葉 君が拾い集め 紡いだストーリーに 僕らは酔いしれる

        • 風そよぐならの小川の夕暮れはみそぎぞ夏のしるしなりける

        • 花さそふあらしの庭の雪ならでふべき春の心はどけき

          草の戸も しばしのあらしに たちどまり 身をまかせて 春を待つなり

          (くさのとも しばしのあらしに たちどまり みをまかせて はるをまつなり) この短歌は、平安時代中期に活躍した女性歌人、権中納言敦忠の作品です。春を待ちわびる季節の中で、草戸に立ちどまっているという情景を描いています。一見すると静かな情景ですが、あらしにたち向かう草木の生命力や、春の到来を待ちわびる心情が含まれているように感じます。

          草の戸も しばしのあらしに たちどまり 身をまかせて 春を待つなり

          春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山

          (はるすぎて なつきにけらし しろたえの ころもほすてふ あまのかぐやま) この短歌は、平安時代中期の女性歌人、紫式部の作品です。春が過ぎて夏になる季節、天の香具山で衣を干している情景を描いています。白妙な衣を干すことで、夏の暑さに対する対策をしている様子がうかがえます。また、「天の香具山」という表現は、当時は貴族たちが行楽に訪れる場所として知られていた地名であり、雅な雰囲気を感じさせる詞句となっています。

          春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山