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お別れのために(日記83)

火曜日から、就労移行支援に通う日々に戻った。

実習後、どんなことをどんなふうに取り組んだのか、気づいた課題はなにか、担当職員さんと面談する時間があった。


やり遂げたことを見てもらいたくて、自分が取り組んだ課題一覧を、表にまとめて持っていった。


担当職員さんは、目をまんまるにしておどろいて、


「ほんとうによくがんばりましたね!」


と、言ってくださった。


これまでのわたしを知っている職員さんにほめていただけると、ことさらに嬉しくて、ちょっと泣きそうだった。


面談もそろそろおしまい、というときに、担当職員さんが、実は、と、切り出した。


「8月1日から産休に入ります。」


もしかしたらそうなのかなあ、と、考えたことはあったのだけれど、ご本人の口から言われると、正直、びっくりした。


とても細身な方なので、おなかが目立つということがなくて、そうなのかも?と、思ったり、気のせいかも、と、思ったりしていたのだった。


「おめでとうございます。そりゃめでたい!」


と、間髪入れずにわたしが言うと、担当職員さんは、顔を綻ばせて笑った。


8月1日から産休に入って、そのまま育休に入るとのことだったので、それはつまり、7月末でわたしとはお別れということだ。


就労移行支援は、2年間しかいられない決まりになっているので、わたしが卒業するまでに、担当職員さんが戻ってくることは、ないのだった。


これから本格的に就職活動がはじまるのに、とても信頼している職員さんがいなくなって、別の方に担当していただくというのは、正直なところ、とても不安だ。


わたしは慣れることに人より時間がかかるような気がしているので、なおさらのこと。


でも、と思う。


大好きな担当職員さんが、お子さんを産むのだ。
これがめでたくなくて、なにがめでたいと言うのだろう。
これを、笑顔でお見送りできなくて、どうするっていうんだろう。


これまで、担当職員さんがわたしにしてくださったことを、ここでお返しできなくて、どうするって言うんだろう。


だから、産休に入ることを告げられたとき、間髪入れずに、「おめでとうございます」と、言えた自分を、誇らしく思おうとおもった。


ほんとうは、泣き出してしまいたいほど、不安がある。
それはそれとして、ないものとしないで、受け止める。


けれども、そのきもちと、担当職員さんを心の底から祝福したいきもちは、両立するはずだ。


7月末まで、あと2週間ないくらい。
カウントダウンは、始まっている。
担当職員さんと過ごせる日々を、1日1日大切に過ごして、最後の日には、笑顔でお別れしたい。


もらったものを、返せるように。
笑顔で送り出せるように。
残りの日々を、過ごしてゆこうとおもう。

投げ銭?みたいなことなのかな? お金をこの池になげると、わたしがちょっとおいしい牛乳を飲めます。ありがたーい