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VCに関する考察 ~事実&提案~

こんにちは、おふとんです。

majorが終わりましたね~。決勝は接戦の末、Rogueが優勝という小説のような激アツ展開でした。(僕はリアタイしていないですが、、、)
前回のnoteでRogueのVCについて書いたので、Rogueが優勝したときにはちょっぴり誇らしい気持ちになりました。
(↓まだ読んだことがない方はよければ読んでみてください)

Rogueから学ぶVC術|おふとん|note

今回のmajorにてRogueのようにコミュニケーションに強みを持つチームが優勝したという事実は今後のシージのメタにおいても大きな意味を持つと思っています。そこで今回はメタに対する理解促進もかねて、VCに関しての考察をしていこうと思います。

是非最後までお付き合いください。



1.VCの種類

VCで話されている内容は大きく分けると事実と提案の2種類に分類されると思います。以下、それぞれの詳細について書いていきます。

1-1.事実のVC

「事実のVC」とは文字通り試合の中で得た事実に関する情報を共有するVCのことを指します。具体的なVCの内容としては以下のようなものが挙げられると思います。

  • 敵の位置情報

  • コントロールできているエリアの情報

  • ロックしている射線

  • 自身のガジェット状況

などなど

例を挙げればキリがないですが、こうした情報をチームに共有することで現在の状況に関して共通認識の形成を図ることができるため連携をとるためには非常に重要になります。

1-2.提案のVC

「提案のVC」とは試合の中で得た事実を基に自分たちの今後のアクションを提案するVCです。

基本的には「○○だから、××したい」というような形のVCであり、具体例としては以下のようなものが挙げられます。

  • ここに敵がいるから、倒したい

  • 敵が3人遊撃に出ているから、早く現地にプッシュしたい

  • ここから先の情報がわからないから、ドローンを回してほしい

などなど

こちらも事実のVC同様、例を挙げればキリがないですが、提案のVCをすることで、チーム全体でどこにどうアプローチするかというフォーカスが合い、より高度な連携をとることが可能になるという点で非常に重要なVCです。

2.VCの最適なバランス

第一章ではVCには事実と提案の二種類があることを説明しました。後述しますが、これらのVCは相互に関係しており、どちらかが多すぎたり少なすぎたりするとVCのフルポテンシャルを発揮することはできません。

では結局どれくらいのバランスが最適なのか、というのがポイントになるわけです。これには絶対的な答えがあるわけではないですが、第二章で自分なりの「答えのようなもの」を提示できればな、と思います。

2-1.2種類のVCの関係性

事実のVCと提案のVCの2種類があることをこれまで書いてきましたが、この2つのVCは相互に関係しており、どちらかだけでは意味を成しません

下の画像を基に説明すると
事実のVCは「マグロ、イカ、エビの3つのお寿司がある」という状況について、チームの共通認識を形成するためのものです。
提案のVCは「3つのお寿司がある中でマグロにフォーカスを当てよう」という、チームのフォーカスを一点に絞るためのものです。

この中だとマグロが好きです。

事実のVCのみだと「マグロ、イカ、エビの3つのお寿司がある」という状況についてチームの共通認識を形成することはできますが、チームのメンバーがフォーカスを当てているポイントはバラバラになりがちです。(Aさんはマグロにフォーカスしていて、Bさんはエビにフォーカスしているといったイメージ)

提案のVCも同様で、単体では成り立ちません。
1-2でも説明した通り、提案のVCは基本的には「○○だから、××したい」というような形をとりますが、この「○○だから」の部分は事実のVCからのインプット情報を前提としているので、事実のVCなしでは提案のVCをすることは実質的に不可能です。

2-2.どちらかのVCが多すぎる場合に発生する問題

事実のVCが多すぎる場合に発生する問題は2-1で説明した通り、チームのメンバーごとにフォーカスを当てているポイントが異なり、連携をとることが難しくなることが主要な問題であると言えます。

提案のVCが多すぎる場合に発生する問題はいわゆるPersonality Clashです。
Personality Clashとは「モノに対するアプローチや考え方などが異なる複数人の意見の衝突」です。

なぜPersonality Clashが発生するかというと、提案のVCが多すぎる場合には一つの事実に対して複数個の提案が出ているケースがほとんどだからです。
複数個の提案が出ること自体はチームにとって良いことなのですが、このときに複数個の提案の中から一つを選び、チーム全体でそれにコミットするということを迅速に行う必要があります

それができずに「こっちの提案がいい」「いや、あっちの提案の方がいい」などと意見を衝突させていると、いたずらに時間を消費してしまうだけでなく、VCの中にノイズが多くなってしまい、結果的に勝利につながるVCではなくなってしまいます。

※VCにおけるノイズの話については詳しくはこの記事を参照↓
シグナル&ノイズ ~情報のとり方・伝え方~|おふとん|note

2-3.最適なバランスは何か

結論から言うと個人的には事実:提案=7:3の割合が最適であると考えています。もちろんこれは主観的なものなので、最適なバランスについての解釈には幅があると思いますが、なぜ自分がこう考えるのかをこれから説明したいと思います。

まず事実と提案のどちらが多いのが理想かと言うとこれは事実>提案です。2-2でも説明した通り、一つの事実に対して複数個の提案が出ている状況ではPersonality Clashが発生し、VCが混線している可能性が非常に高いため、複数の事実から一つの提案が出ている状況が理想であると言えるでしょう。

しかし、一つの提案をするのにあまりに多くのVCが必要な場合もよい状況とは言えません。
例えば事実:提案=9:1の割合であった場合、一つの提案を出すのに9つもの事実を必要としていますが、「その提案をするにあたってその9つの事実は本当にエッセンシャルであるか?」と考えると個人的には首をかしげざるを得ません。おそらくその事実のVCの中には提案をするのに必要がないノイズが紛れ込んでいる可能性が高いです。

以上の観点から個人的には事実:提案=7:3の割合が最適であると考えています。
これはあくまで個人の考え方やチーム状況によって差があるので、6:4や8:2が最適なケースも当然あると思いますが、最適なバランスが7:3から大きく外れることはあまりないのかなと思います。


いかがだったでしょうか

今回のmajorの試合内容に象徴されるように、決まった作戦を遂行するオールドスタイルからメタが変遷し、その場その場で柔軟な対応が求められる現代のシージではコミュニケーションの重要性がどんどん増してくると思います。

チームのコミュニケーションのレベルの向上にこの記事が少しでも寄与できれば何よりです。

ちなみに最近少し更新頻度が落ちていますが、以前の週1更新のペースは今までの自分のストックがあったからこそできた部分もあるので、今後は月2更新くらいのペースに落ち着くと思います。
何卒ご理解いただければ。

それではまた

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