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ラジオで喋る準備とその手法についての質問*マシュマロ返信

言い訳でも意味を持たせたいという意味不明の記事を書いて、はや1か月…

更新頻度は上がりませんでしたが、記事の最後にひっそりと質問箱(マシュマロ)を置いておいたら、御二方よりご質問をいただいたので、それぞれに記事を分けて答えてみようと思います。寝かせててすみません_(:3」∠)_

(余談ですが「Peing-質問箱-」の提供が2022年5月31日に終了するとのことで、この記事↑↑を書いた際にマシュマロに切り替えました。ご使用の方はお気を付け下さいませ)

「質問あれば答えますよ~」と書いたものの、いざ質問が届くと回答するのは難しいんだなと思いました(笑) 送って頂いた内容の情報量から何を汲み取って、どういう切り口でお答えするか。その質問の本意は何かを考えると、なかなかの魔境ですね()

ラジオあるあるで、お悩み相談は安易に募集できるんですが、いざ答えるとなると、答える人自身が結構な丸裸にならないと面白くない、という壁が立ちはだかります。質問者の方に真摯に答える姿勢は大事ですが、エンタメにしないといけない。そして本当に欲しかった回答が出来ているか、というとそれもまた難しいのです…などという考えが、逡巡しました(THEめんどくさい人間の思考)。

2022年現在、ラジオディレクターであり、ラジオプレゼンター(パーソナリティ)である、私なりに真面目にお答えします(笑) ねちっこいTHEヲタクが語りな感じになっている可能性がありますので、そこは、先にスミマセン……。


喋る準備とその手法についての質問

質問者さんご自身の喋る時の準備から、ヨシオはどうしているか?自分が使っている手法はラジオで使えないか?という質問が届きました。

どんなお仕事も、見えるのはおそらく氷山の一角で、知らないだけで色んなプロの世界があるものですよね。そういうのを知る機会は本当に面白い…。ラジオの裏側も面白がってもらえたら幸いです。



喋るための資料や原稿作成どうしてる?

さて、さっそく頂いた内容をひとつずつ拾いながら答えていきましょう。

準備段階で資料作るときにに「マインドマップ」のツールとか使ったりしてますか?それとも普通にWordとかの文書作成ツール使ってますか?

私の場合は、番組を作る際、ゲスト出演者⇔営業⇔編成⇔制作⇔各番組ディレクター⇔プレゼンターと、話す内容の情報共有することも多いため、大体がペライチ(大体A4用紙1枚程度)になるよう、Word文書でまとめています。

ただ、方法や使うツールは、人によって様々だと思います。
私が知らないだけで、質問者さんのように、「マインドマップ」を使っているという人もいらっしゃるかもしれません。

マインドマップ(英: mind map, mindmap)とは、トニー・ブザンが提唱する、思考の表現方法である[1]。頭の中で考えていることを脳内に近い形に描き出すことで、記憶の整理や発想をしやすくするもの。

マインドマップ - Wikipedia

「マインドマップ」は、自分の頭の中を整理する(チーム内での情報の整理)のに使える手法だと思うので、言いたいことがまとまらない時や、伝え方を模索するためのベースにするのにいいと思います。

だから、文書を作る前段階として使えるものだと考えるのが良さそうですね。書き出して整理するのが向いている人には、特に有効だと思います。


自分が読む原稿については、PCのメモ帳やWordに直接、思いつく言葉や既に自分の中ではっきりしている文章をどんどん書いて行って、全体像を作ります。その後、言いたいことが伝わるように、筋が通るようにコピペパズルをし、校閲しながら整理、最終的にWordに清書します。Ctrl+CとCtrl+Vの使用率半端ないです。清書前までを頭の中で出来たらなぁといつも思っていますが、原稿書きの作業では自分はこの手順が一番整理できる、というところに落ち着いています。
形は違えど、やってることはマインドマップに近いやり方かもしれませんね。

誰かと共有する時は会話を想像しながら箇条書きにすることも多いです。言葉表現などは相手に委ねる余白部分を残しつつ、軸の部分だけはしっかりさせられるように整理します。導入部分や締め、抑え等大事なところは、しっかり書きます。
情報を上手く共有するのも、ディレクターの腕……いや、これは作家の仕事かもしれませんが……のひとつかもしれません。

ちなみに、誰かと会話することで整理し脳みそに刻む人もいます。付き合わされる方はたまったもんじゃありませんが(笑) はたから見るのは面白いです←。


準備した2~3割しか使ってないくらいが多分ちょうどいい

自分の場合、「話し忘れ」が多くて反省ばっかりだったんですが準備するようになって少し解消できました

とも書いておられました。
『地方ラジオディレクターのレギュラーとイレギュラー』にも書きましたが、ラジオは準備が8割です。準備してナンボ。それを体感されたんですね。

質問者さんが書いているように、準備したから話せるんです。準備せずに話せているように見える人も、過去に沢山の準備を経験し、今は頭の中で出来るようになっているから、準備していないように見えるだけです。自分の脳みその中にある引き出しのどこに何が入っていて、どう使うか、どうしたら面白くなるかというテクニック(技術)があるから、それが即座に出来る。だからプロなんだと思います。
頭の中で整理しているように見える人も、忘れないようにしようとスマホのメモ帳や手帳に書いていたりもしますし、生活すべてがトークになる意識やアンテナで過ごしていると思います。そう思えば、準備していない人はいないんじゃないかな。準備と言わないだけで、常にそういう体制でいるはず。

そして最初の内は、準備した分の2~3割しか使えなかったくらいが、聞いていてちょうどいい情報量だったりするのが肌感覚としてあります。使えなかった7~8割は、使った2~3割の話の説得力を生むバックボーンになっていたりするというか。
使わなかったとしても、準備した内容も時間も、意味のある存在として残る。その人が準備のために調べたり書き出したことで、知識や話の道標にもなっているっていう。のちの別の話の時に、ふと繋がることもあったりします。
逆に、準備したものを全部使い切ったのだとしたら、準備が足りないかもしれません(効率化や経験によってこの割合は多少変わってくると思いますが)。

ここが、ラジオのトークの面白いところ。

特に一人喋りが面白い人って、話の構成も取り上げるネタもそうですけど、ちゃんと言葉の背景が存在しているので、頭にスッと入ってくるんですよね。これが、伝える力なんだと思います。

映像だと、画に説得力の比重がかかってたりして……いや言葉を適当にしてるというわけでは決してないのですけど、どうしてもやっぱり映像の力が強いんですよ。だから、そういう所は、ラジオの言葉と映像モノの言葉の大きな違いじゃないかなって思います。漠然としてるけど。


それと質問者さんは「話し忘れ」が多くて反省と書いていましたが、その「話し忘れ」によって話の意味が通じない、成り立っていなければ必要な内容だったのだと思いますが、実はなくても話が成立していたりしませんか?

そこは、一度冷静に自分の喋りを聞き直して分析してみるといいですよ。

その「話し忘れ」で、本意が伝わらないことになっていれば、そのトークは破綻していることになってしまう。伝えたいことが伝わっていないと考えるし、「話し忘れ」た部分がなくても成立していれば、それは必要ない部分で、話さなくてよかったのです。忘れたのではなく、無意識に省いたことになります。


ラジオパーソナリティやディレクターで、自分の番組を聴きなおしている人は一定数います。破綻したトークを自分で聴くときほど、死ぬほど恥ずかしいことはないんですが、反省点をまとめて改善していくと、より良いトークになります。

舞台の稽古のような作業を、生放送という本番を重ねてやっているのです……これはラジオ特有な気もします……なかなかな事をやってますよね、今、自分で文字にして、うわーと思いました(苦笑)

でも、だから、ラジオで喋りたーい!と言ったからといって、誰でもすぐに喋れるわけじゃないだろうというのも想像できると思います。誰でもできるけど、日々の努力と、ある程度のメンタルは必要というか何というか……。

書いててだんだん自分の首を絞めてる気がしてきましたので、そろそろこの辺にしましょうか( ˙-˙ )

私自身、準備したものを何とか詰め込もうとして、聴いている人に何も印象が残らない、長い喋りをしがちなんですよね……これはいつも反省しています。「お前はいらんことまで喋り過ぎる。」はよく言われることでして……トークには取捨選択、わかりやすい言葉、シンプル・イズ・ザ・ベストも大事なんですよね……年を重ねると、その人の喋りの癖は悪い意味で濃くなる傾向がある事もディレクターとしてはわかっているので……日々、反省です。そして、何十年もフレッシュなトークが出来る人は、本当に尊敬します。


メールを読む際にマインドマップを活用できないか

メッセージ読んだりするラジオ番組だと、時間が空いた時にPC使って、情報ツリーの中に、メッセージからふくらませることとかもささっと挿入できないかなとか思ったりしました
やっぱり本番中は忙しいはずだから難しいですよね?

リスナーさんのメールを読むときに「マインドマップ」を使うのはどうかという提案。
たぶんラジオパーソナリティの多くは、これに近いものを無意識に頭の中でしていると思います。

質問者さんが「やっぱり本番中は忙しいはずだから難しいですよね?」と書いている、まさにその通りで……番組を進行するのって、メールを読むだけじゃないんですよね。

生放送だと、今流れてる放送も耳に入れながら、俯瞰で全体の進行も意識しますし、次の次の展開を考えて放送中も段取りを整えたり、周りの変化も観察してたりします。
ワンマンパーソナリティはそれに加えて、音出し操作や選曲、タイムキープもせねばならないので、頭の中は意外とフル回転で、その中のひとつが、どのメールを読もうかな、このメールはどう読もうかな、だったりします。
だから、語弊があるかもしれませんが、それだけに時間のすべてを割かないという意味でも、情報ツリーを"書く"ことはあまりないかなと思います。

また、瞬発的に自分から出るものを大切にしている、その方がリアクションが新鮮で面白いという考え方の人もいます。放送で読む時が、投稿メッセージの初見になるようにしているラジオパーソナリティもいるくらいです。ネタコーナーとか特にそうですね。

私が敬愛する西川貴教さんもそういうメールの読み方なんですが、これはかなり頭の回転が速いタイプの人がなせる技だと思います。誰でもできるものではないと思いますが、やってる事は一緒で、それが瞬時にできるんだろうなと思っています。


余談ですが、ここで”メッセージを読んでいる行為”に違和感のない人は、喋りやアナウンスの技術や訓練が、ちゃんとあります。聞いてる方からすれば、当たり前でしょ?何をおっしゃる……と思うかもしれませんが、下手な人が読むと、メッセージの内容が頭に入ってきません。
また、メッセージを書いてあるそのままで読むと伝わらないこともあり、読む前にちょっとずつ修正(校閲)してたりもします。これも伝える力のひとつかなぁ。


話が逸れました。


もちろん、時に熟考してお答えした方がいいメッセージもあるので、「マインドマップ」や「情報ツリー」といったものを使うことはないとも、一概には言い切れません。

情報ツリーを整理することにとらわれると、逆に視野が狭くなる可能性も高いですしね。

そう考えると、事前の準備では有効だと思いますが、分単位で動いていく流れの中する作業ではないかもなぁと思いました。


締めに

喋る準備とその手法についての質問への回答になったでしょうか。

少し話が脱線しましたが、自分も書きながら「あぁ、こうして作業するなぁ」「もっと効率やひらめくやり方ってあるのかもしれない」などと思いました。

ご質問、ありがとうございました。私自身考えるのが楽しかったです。


もう1つの質問は、次回更新します。


もし、読者の方で、ラジオ制作に興味があって記事の中で気になることを質問したいなどあればマシュマロで教えて下さい。出来るだけお答えします。
※必ずしもすべてにお答えできるわけではありません。予めご了承下さい。

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