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グループと名曲の条件


突然何を言い出すんだ。

しかも誰だよ。

言われる前に言っておきました。

さて、数々のアイドルグループがこれまで沢山存在していて

ずっと考えていたことがありました。

名曲の条件。

アイドルはほとんどの場合、自分たちで曲を作っているわけではない。その一点において「アーティスト」という言葉と距離を置いて捉えられている。このことは昭和から令和まで、ほとんど変わっていない価値観です。

そのこと自体は「どうでもいい」と思っています。
大切なことは「誰かにとって」「なにがしかの意味」があったかどうか。

具体的な行動の起因とならずとも、大人になっても頭の中を駆け巡ったり、白黒写真のような記憶に鮮やかな色どりを与えたり、それだけでいい。その意味で、世界の名画から日本の歌謡曲まで、実は同じ土俵に上がっているんです。つまり、みんなの記憶に残るかどうか。心に引っ掛かるかどうか。

クラシカルな芸術と現在進行形の流行との差はたぶん、

その寿命の違いなだけです。何世紀経っても人を引き付けるものか、今の時代を駆け抜けるだけか、その違い。そしてどちらかが正しいかどうかなんてたぶん、空から見渡したらほとんど意味はありません。きっと。

勢いで話を広げ過ぎたので収束します。

アイドルグループの名曲

収束しすぎましたかね

アイドルグループの名曲についてよく考えます。ただ人気があっても私は興味を持てない。そしていい曲だなあ、としみじみ思う曲ってどんな曲なのか。

それはユニゾンなんだと気付きました。

つまり歌声。

リズムの隙間に言葉を埋め込むことでも、城壁を突き破るようなビブラートでも、カラオケ自慢が一斉に自慢げにコピーして披露するようなハモりでもなく。
ユニゾン。

全員が同じメロディーを歌う瞬間にこそ

私はグループの存在感が示される

そしてそんな瞬間を生み出す土壌となるような曲が名曲なんだと思っています。

たとえば。

SMAPの「オレンジ」。

ファンでなくても名曲だと知っています。

夕方、西に向かって車を走らせていて、夕焼けに染まった街を見上げなら聴いてごらんなさいな。泣くからw

で、そのユニゾンのエッセンスが更に強く打ち出されていたのが嵐の数々の曲。「トラブルメーカー」って曲を聴いてみればたぶん意味は伝わると思います。個性の違うメンバーがそれぞれ一つのグループとなって、同じ荷物を背負って立ち上がり発した同じ言葉。そんな思いが伝わるのがユニゾン。

逆に言えば。

ユニゾンが弱いグループって、私はとても苦手です。

そのユニゾンのワンフレーズを聞いただけで、グループの顔が浮かぶ。

メンバーの顔じゃなくてグループとしての顔。

モーニング娘。にLOVE☆マシーンという大ヒット曲があります。

あの曲もユニゾンにグループの顔が見える。

メンバーがすっかり入れ替わっても歌い継がれているヒット曲ですが、やっぱりあの当時のメンバーの歌声ではないから、グループの顔が浮かばない。当時気づいたのは、石黒彩さんという早期に卒業したメンバーの声がなくなった時でした。まるで違う曲になって聞こえる。それの良い悪いではなく。
見えていたグループとしての顔がすっかり見えなくなった。

ということは、ユニゾンなんだけど
誰かの声が必ず柱に、あるいは土台になっているってことではないか。
そう思うようになりました。

グループの顔となる声があるかどうか。うまいかどうかではなくてです。

凄く乱暴に言いますが、そんな声の持ち主が存在しないユニゾンしか歌えないグループに名曲は生まれないとも思っています。

最近で言えば、欅坂46というグループがありました。個人的に好きな楽曲が多かったんですが、あのグループにも確かにそんな声が存在していました。誰の声だったかは特定できないまま終わってしまいましたが。

では、改名して新しいグループとなった櫻坂46はどうかというと。

欅のファンから色々言われ続ける宿命のグループですが、私は常々「たぶん大丈夫なはず」と書いてきました。それは、櫻坂になってから顕著になったのですが、ユニゾンにはっきりとした顔が見え始めたのです。支えているのは二人。キャプテンの菅井さんと二期生の田村さんです。他のメンバーとは明らかに前に出てくる力が違う。ユニゾンを引っ張る柱になる声です。

グループの顔とは、周りに頼らない強さであり、楽曲の世界を広げ届ける力です。ユニゾンで揺るがない力を示す声の持ち主。
逆に言うと、それを特定させないほどメンバー全員が際立っていたSMAPと嵐が傑出していたのは当たり前なのかもしれません。

話を櫻坂に戻します。別に「五月雨よ」っていう4枚目のシングルが出るからこの文章書いている訳じゃないんですが、実はこの曲がグループの正念場だとも思います。せっかく顔が見え始めたのに、この曲に菅井さんは参加していません。ミュージカルとスケジュールが重なったせいでもあります。恐らくコロナでスケジュールがずれたのでしょう。例えば2枚目のシングル「BAN」から菅井さんの声がなくなったら・・・あの曲が持っている雰囲気は根こそぎ無くなると思います。それくらい重要な要素であった菅井さんの声がないパフォーマンスをしなければならない「五月雨よ」正直どうなるかと思いましたが、センターの山﨑さんの歌声が思いのほかよかったので驚きました。ただ、BANあたりから彼女の声もユニゾンでどんどん前に届くようになっていたので、なるほどな、とも思いました。最年長である菅井さんにいつまでもおんぶにだっこっていうわけにはグループとしてもいきませんし、本人の進む道にも関わりますからね。

自分が好きな櫻坂46に例えて書いちゃったので「結局そういう文章」気味になってしまいましたが、櫻坂の制作陣は、仮に菅井さんが新しい道に進むことになっても、山﨑さんと田村さん、松田さん、幸坂さんあたりの声に活路を見出している、そんな気がしています。

なかなかブレイクしないグループを推している人はぜひ、「ユニゾン」に注目してみてください。ユニゾンにグループの顔が見えるような響きが、広がりがあるかどうか。そしてそれを支えるような「声の持ち主」がいるかどうか。アイドルグループがダンスパフォーマンスと歌で勝負する以上、避けては通れない山です。坂だと色々贔屓が過ぎるのであえて山と書きました。

それにしても嵐のトラブルメーカーの「are you ready~♪」のところのユニゾンの気持ちよさって図抜けてます。


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