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積立投資入門:初心者でも安心して始められる資産運用の基礎知識

1.積立投資とは何か?

積立投資とは、金融商品を一定の金額で定期的にコツコツと購入する投資の手段です。具体的には、株式や投資信託といった金融商品を、定期的に購入していくことになります。

積立投資のメリットは、以下の3つです。

  • 少額から手軽に始められる:積立投資では、月々100円から投資を始めることができます。少額からコツコツと投資できるので、20年、30年という長期で資産形成をする必要がある人に適した投資方法です。

  • 購入タイミングに悩まない:株式や投資信託のように、値動きのある金融商品に投資する際に悩ましいのが、「いつ買っていつ売るか」という売買のタイミングです。積立投資では、金融商品を購入する頻度や金額を予め決めておくと、その設定に従って自動的に買付が行われます。そのため、日頃忙しい人でも買付のタイミングに悩んだり注文の手間をかけることなく投資を続けることができます。

  • 時間分散によってリスクを軽減できる:積立投資では、金融商品を決まったタイミングで定期的に一定額ずつ購入することで、価格のブレを抑え、リスクを軽減する効果があります。これを「ドル・コスト平均法」といいます。「ドル・コスト平均法」では、価格が安いときは相対的に購入する数量が増え、反対に価格が高いときには購入数量が減ることになります。そのため、積立期間中の購入価格を平準化することができ、投資タイミングによるリスクの軽減(=時間分散)を図ることができます。

2.積立投資で成功するためのポイント

積立投資で成功するためには、「長期・積立・分散」という投資の基本を理解して、リスクを低減しながらコツコツと資産を育てる意識を持つことが大切です。

  • 目標設定と期間設定の重要性:積立投資では、目標金額や目標期間を明確に設定することが重要です。目標金額は、老後や子供の教育費など具体的な目的に応じて決めましょう。目標期間は、長期的な視点で考えましょう。一般的には10年以上の長期スパンが望ましいとされています。目標設定をすることで、自分がどれくらいの金額や頻度で積立すべきかが見えてきます。

  • 適切な金額と頻度の選び方:積立投資では、毎月どれくらいの金額でどれくらいの頻度で積立するかが重要です。金額は自分の収入や支出から余裕のある範囲内で決めましょう。無理なく続けられる金額が最適です。頻度は毎月や毎週など自分の好みやライフスタイルに合わせて決めましょう。ただし、頻度が高すぎると手数料や税金などのコストがかさむ可能性があるので注意しましょう。

  • リスクとリターンのバランスを考える:積立投資では、自分がどれくらいのリスクを取れるかを考えて、適切な金融商品を選ぶ必要があります。一般的にはリスクが高いほどリターンも高くなりますが、逆もまた然りです。自分の年齢や家族構成、将来設計などから自分に合ったリスク許容度(=リスクプロファイル)を把握しましょう。また、一つの金融商品だけでなく複数の金融商品に分散して投資することで、リスクを分散させることも可能です。


3.積立投資におすすめの商品とサービス

積立投資におすすめしたい代表的な商品とサービスは以下の5つです。

  • つみたてNISA:主に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。最大20年間、運用から得られる利益が非課税になります。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):公的年金を補完するために自身で拠出したお金を運用して60歳以降に受け取ることができる私的年金制度です。運用益はすべて非課税です。

  • るいとう(株式累積投資):毎月一定の金額で株式を買い続けていく株式投資です。ご自身で株式の銘柄を自由に選び、毎月一定額で買付けたい方におすすめです。

  • 投信積立サービス:通常よりも少額から投信(=投資信託)へ積み立てられるサービスです。プロが運用してくれるため安心感もあります。

  • ロボアドバイザー:ロボット(=AI)がインターネットやスマートフォン上でインタビューした結果から最適なポートフォリオ(=組み合わせ)を提案し運用してくれるサービスです。


3-1.つみたてNISA

つみたてNISAは、2018年から始まった非課税制度で、主に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための制度です。

つみたてNISAの最大のメリットは、投資から得られる分配金や譲渡益が非課税になることです。非課税投資枠は新規投資額で毎年40万円、20年間で最大800万円が上限となります。

ほかの積立投資との大きな違いは、投資対象が限定されていることです。投資対象商品は、金融庁が指定する投資信託のみであり、無制限に商品を選べるわけではない点に注意が必要です。

つみたてNISAは、以下のような人におすすめです。

  • 少額から長期的に資産形成をしたい人:毎月1万円以下でも積立投資ができます。また、最長20年間という長期間にわたって非課税の恩恵を受けられます。

  • 手数料や税金を節約したい人:つみたてNISA専用商品は購入時手数料が0円であり、信託報酬も低めに設定されています。また、運用益が非課税なので、税金の負担もありません。

  • 運用に手間をかけたくない人:つみたてNISA専用商品は長期・積立・分散投資に適した商品が厳選されており、自分で商品を選ぶ手間が省けます。また、口座振替などで自動的に積立が行われるので、毎月の買付も楽々です


3-2. iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)とは、「個人型確定拠出年金」の愛称であり、公的年金を補完するために自身で拠出したお金を運用して60歳以降に受け取ることができる私的年金制度です。

iDeCoの最大の特徴は、60歳になるまでは拠出・運用したお金を引き出せないことです。老後資金を堅実に形成するためにはよい方法ですが、60歳になるまではiDeCoに投資した資金を使うことができない点に注意しましょう。

また、掛金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となります。掛金全額が課税所得額から差し引かれることで、所得税や住民税が軽減されます。

iDeCoは、以下のような人におすすめです。

  • 老後資金を確実に貯めたい人:60歳まで引き出せない制度なので、老後資金を目的とした長期的な資産形成が可能です。

  • 節税効果を得たい人:掛金は全額所得控除されるので、所得税や住民税が安くなります。また、運用益も非課税です。

  • 公的年金だけでは不安な人:公的年金だけでは老後生活が不安な方は、iDeCoで私的年金を作ることで安心感を得られます。

3-3. るいとう(株式累積投資)

るいとうとは、「株式累積投資」の略称であり、毎月一定の金額で株式を買い続けていく株式投資です。

るいとうのメリットは、少額から投資が可能なので、手軽に始めることができる点です。また、複数銘柄に毎月一定の金額で分散投資することで、先述したドル・コスト平均法による時間分散のメリットを享受するとともに、銘柄の分散によって価格変動のリスクも低減することができます。

るいとうは、以下のような人におすすめです。

  • 自分で株式を選びたい人:ご自身で株式市場や企業情報をチェックして銘柄選びを楽しみたい方や、自分が応援したい企業や業界へ投資したい方に向いています。

  • 株式投資へ少額からチャレンジしたい人:株式投資は一般的に数十万円以上必要とされますが、るいとうでは1万円程度から始められます。また、証券会社や銀行では手数料無料や割引キャンペーンも行っています。

  • 長期的な株主優待や配当利回りを狙いたい人:株式投資では株主優待や配当利回りというメリットもあります。株主優待は企業から株主へ贈られる特典であり、配当利回りは配当金÷株価×100%で表される利回りです。これらは長期保有するほど有利になります。

3-4. 投信積立サービス

投信積立サービスは通常よりも少額から投信(=投資信託)へ積み立てられるサービスです。プロが運用してくれるため安心感もあります。

投信積立サービスのメリットは以下の2つです。

  • 少額から多様な商品へ分散投資できる:通常よりも少額から多様な商品へ分散投資することが可能です。例えば国内外の株式や債券、不動産や金などの商品に投資することができます。また、国内外のプロが運用する商品も多くあります。

    • 手数料や税金を節約できる:投信積立サービスでは、購入時手数料が無料や割引になる商品が多くあります。また、投信積立サービスを利用することで、投信の分配金にかかる税金を節約することもできます。これを「分配金再投資型」といいます。「分配金再投資型」では、分配金を受け取る代わりに同じ投信に再投資することで、分配金にかかる税金を先送りすることができます。

投信積立サービスは、以下のような人におすすめです。

  • プロに任せて運用したい人:投信はプロが運用してくれるため、自分で銘柄選びや売買タイミングを考える必要がありません。また、プロが適切なリスク管理やポートフォリオ調整を行ってくれるため、安心感もあります。

  • 少額から多様な商品へ分散投資したい人:投信は少額から多様な商品へ分散投資することができます。例えば国内外の株式や債券、不動産や金などの商品に投資することができます。また、国内外のプロが運用する商品も多くあります。

  • 手数料や税金を節約したい人:投信積立サービスでは、購入時手数料が無料や割引になる商品が多くあります。また、分配金再投資型を利用することで、分配金にかかる税金を節約することもできます。

3-5. ロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは、ロボット(=AI)がインターネットやスマートフォン上でインタビューした結果から最適なポートフォリオ(=組み合わせ)を提案し運用してくれるサービスです。

ロボアドバイザーのメリットは以下の2つです。

  • 自分に最適なポートフォリオを提案してくれる:ロボアドバイザーは、自分の年齢や目標期間、リスク許容度などをインタビューしてくれて、自分に最適なポートフォリオを提案してくれます。また、市場状況や自分の状況に応じてポートフォリオを調整してくれることもあります。

  • 低コストで利用できる:ロボアドバイザーはインターネット上で提供されるため、人件費や店舗費などのコストが低く抑えられます。そのため、手数料や信託報酬も低めに設定されています。


ロボアドバイザーは以下のような人におすすめです。

  • 自分でポートフォリオを決めたくない人:自分でポートフォリオを決めるのは難しいと感じる方は、ロボアドバイザーに任せることで簡単に最適なポートフォリオを作ることができます。

  • 低コストで利用したい人:ロボアドバイザーはインターネット上で提供されるため、コストが低く抑えられます。そのため、手数料や信託報酬も低めに設定されています。

  • 最新技術を使ってみたい人:ロボアドバイザーはAIやビッグデータなどの最新技術を使っています。最新技術に興味がある方は、ロボアドバイザーを使ってみると面白いかもしれません。

4. まとめ

この記事では、積立投資入門として初心者でも安心して始められる資産運用の基礎知識を解説しました。

積立投資は少額から手軽に始められるだけでなく、定期的に一定額ずつ購入することで価格変動のリスクを軽減し長期的な資産形成を目指すことができます。

積立投資で成功するためには、「長期・積立・分散」という投資の基本を理解しておくことが大切です。また、自分の目標や期間、リスク許容度などから自分に合った商品やサービスを選ぶことも重要です。

積立投資におすすめしたい商品やサービスは、「つみたてNISA」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「るいとう(株式累積投資)」「投信積立サービス」「ロボアドバイザー」です。それぞれ特色やメリット・デメリットが異なりますので、ご自身のニーズに合わせて検討してみてください。

積立投資は初心者でも始めやすい方法ですが、それだけでは十分ではありません。常に市場動向や自身の状況をチェックし、必要に応じて見直しや調整を行うことも大切です。

積立投資は一朝一夕では成果が出ません。コツコツと続けていくことが大事です。積立投資で豊かな未来を目指しましょう!

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