お金持ちほどいい人が多くて、貧乏人ほどクレーマーな現実
貧すれば鈍する、馬痩せて毛長し、仇の金でもあれば使う、世の中にはお金にまつわることわざがいくつもあるけれど、お金の余裕と心の余裕がつながっているよね、という話はそれこそ1000年以上前から言われてきたらしい。
経済的に追い詰められるのはキツい。
督促状に追い回され、今日の支払いのために四苦八苦する。
数々のスタートアップや、起業したての人たちがこうした苦労や悩みを抱えていることだろう。職を選びきれなかった若者や、体調やらメンタルやらでドロップアウトした転職組、時代とスキルのマッチしなかった不運な人々、経済的な悩みを持つ人は尽きない。
かくいう僕も、資金繰りには悩まされている。
それでも、どれだけお金が手離れよく去っていったとしても、心には常にゆとりを持っておきたい。しかし、これがなかなかに難しい。。。
無利益でもゴチソウできる人は実在する
お金持ちってステレオタイプなイメージが強くて、お金持ち=ガメツイとか、守銭奴とか、ケチとか、結構マイナスイメージが多い気がしている。
実際、そういう人もいるにはいるんだろう。でも、僕がこの30年間ほどで出会って来たお金持ちの人たちは、だいたいみんな経済的余裕と心の余裕が比例していて、気配りもできる好人物ばかりだった。
中にはまだ20歳そこそこの若造だった僕に、1本10万円くらいする超高級ワイン(シャトー・ラトゥールのグラン・クリュ)をごちそうしてくれた人もいた。
僕が容姿端麗な女子大生だったなら、下心やなんやらが絡めば高級なお酒をごちそうしてもらえるだろう。でも、僕は特にモデルでもなんでもない、ただの生意気な男子学生だった。
その時に、なぜ自分にメリットがないのにおごってくれるのか?と聞いたら、若い人にちゃんと良いものを教えることは自分にとって楽しいことなんだ、と教えてくれた。
当時は、お金持ちの道楽なのかな?とあまり考えなかったけれど、36歳をこえて、最近ちょっとだけ、あの人の言っていた気持ちがわかるようになってきた。
金持ち喧嘩せずは現実だった
ちょうどその高級ワインをおごってもらうちょっと前、僕は昼間を銀座のパチンコ屋さんで働き、夜や土日の昼間は銀座のカフェで働くという生活をしていた。
さて、ここで質問。
パチンコ屋さんと、おしゃれなカフェ、どちらがクレーマーや厄介なお客さんが多いと思う?
おしゃれなカフェよりも、パチンコ屋さんの方が客層は悪いし態度も悪そうだし、ギャンブルだから負けたらムシャクシャして当たってきそう、女性店員さんはセクハラとかされそう...というイメージを持つ人が多そうだ。僕もそう思っていた。
でも実際は逆だった。
昼間に銀座のパチンコ屋さんに来るお客さんは、暇をもてあました経営者や社長夫人、夜の業界でそれなりに稼いでいる方々など、お金持ちが多かったのだ。
そして、そうしたお金持ちは本当の意味で交遊費としてギャンブルを楽しんでいるので、めったなことでは荒れることもなかった。
一方、1杯200円程度のブレンドコーヒーを出しているカフェでは、わりと日常的にめんどくさいお客さんもいた。
銀座でありながら場外馬券場が近くにあり、完全禁煙のスターバックスに対して喫煙OKのお店だった。
だから土日の昼間には競馬新聞を片手に片耳にラジオのイヤホンをつけて、赤鉛筆で予想をチェックするという、まんま競馬おじさんみたいなお客さんも多かった。
同じギャンブルを楽しむ人でも、1杯200円のコーヒーで競馬にいそしむおじさん達は、お世辞にもキレイな身なりとはいえない擦り切れてヤニ臭さの漂うジャンパーに、日焼けして色あせたキャップをかぶっていた。
彼らのふるまいは品の良さとは真逆で、コーヒーカップにタバコを突っ込んで放置したり、はずれた馬券をコーヒーの中にグシャグシャにしたまま返却してきたりする。テーブルにタバコの灰が落ちても気にするそぶりもない。
おまけに、注文時の言葉も「おい!ブレンド!」などと不躾で慇懃無礼。かたやドル箱に詰まったパチンコ玉を「そろそろ交換しておいてくださらないかしら?」と聞いてくる社長夫人とは雲泥の差だ。
嫌儲をやめて、みんなで稼ごう
この差はどういうことなのだろうか?
あれから10年以上たって、それなりに社会人生活も過ごしてきたけれど、やはりお金持ちの人ほど心に余裕のある人が多かったし、逆にクレーマー気質な人や他責思考の人は申し訳ないけれど貧乏に見える人が多かった。
物質的・経済的な豊かさが、心の豊かさともある程度は連動してしまうとしたら、富める者はますます富み栄え、貧する者は心まで貧しくなってしまうのだろうか?
いやいや、経済的には貧しくても清らかに安らかに生きている人だっている。
でも、そうした清貧でありつつ心の豊かさを保つのは現代社会ではとても難しい。
逆に、ある程度の経済的な豊かさを持つことが選択肢を選べる自由さに繋がり、結果的に心にゆとりをもたらすのは事実だろう。
そうだとしたら...嫌儲精神でお金儲けを批判するのはやめにして、みんなで稼いで心のゆとりを広げていければ、世の中全体が今よりもちょっとだけ生きやすくなるんじゃないだろうか?
心のゆとりを広げていきたいものですね。
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