見出し画像

事前予約したホテルが満室で宿泊拒否された話@ケープタウン

飛行機もホテルも予約があるにもかかわらず
当日何らかの事情でキャンセルする人がいる。
ドタキャンというやつだ。

航空会社やホテルは、ある一定数のドタキャンを見越して
座席や客室の定員よりも多くの予約を受け付ける。
なるべく座席や客室を客で埋めた方が儲かるからだ。

ただ、予想よりもドタキャンが少なく、
定員以上の客が実際に来てしまうことがある。
これがオーバーブックと言うやつだ。
客の立場からいうと迷惑極まりない話だ。

だから、航空会社はオーバーブック時は、
たいてい空席のある上位クラスに変更してくれる。
ご搭乗便のエコノミークラスが満席のため、
ビジネスクラスでお席をご用意いたしました。
と言われるやつだ。内心ニヤニヤがとまらない。

事前にメールが届くこともある

そして、ホテルの場合。
それはケープタウンでの出来事。

ケープタウンでは、同じホテルに連泊したのだが、
最後の1泊だけホテルを変更した(以下Aホテル)
Aホテルは空港行きのバス(乗り合いバンだったかも)の
乗り場のすぐ近くにあるため、
チェックアウト後の動きがスムーズになるからだ。

そのAホテルには、たしか夕方6時ごろに行ったと思う。
インターネットの旅行代理店経由で事前予約をしていた。
レセプションのお兄さんがチェックイン作業を進めはじめた。
と思いきやこう言った。

「あなたをBホテルにご案内できることを光栄に思うYO」

一周回って「へー、英語ってこういう表現するんだ」
と妙に感心してしまった。
感心してるどころではない。
すぐに「ちょっ、待てよ・・」と我に返った。

レセプション兄の言うことには、本日は満室御礼、
同じグループのホテルで市内にあるBホテルにご案内。
Bホテルまでは車で送っていくよ。エンジョイ!

いやいやいやいや。
私は知っていた。Bホテルの方がランクが下。
宿泊費も安く、ロケーションも悪い。
Aホテルを予約するときに、Bホテルも
候補の一つではあったのだが、
ロケーションの悪さから断念したのだ。

レセプション兄はランクやロケーションについて
一切説明しなかった。どころか、
あなたはアップグレードされたラッキーな客だ
と言わんばかりの勢いでまくし立てた。

「私はAホテルの予約をもっている客だ。断る」
私は冷静にレセプション兄に伝えた。
「いや、満室だYO。あんたの泊まる部屋もうないYO」
レセプション兄も一切退かない。

私が交渉上手なら、ここでやり取りをしたあと、
空室のスイートルームに泊まることができたのかもしれない。
でも実態はシャイな東洋人in South Africa
交渉が難航するほど面倒になるんだよね。

消極的に次のカードを出す。
「私は知っている。AホテルよりBホテルの方が安い。
Bホテルに泊まるが、その分の差額を返してくれ」

レセプション兄はこう切り返してきた。
「あんたの予約方法(ネット代理店経由)だと、今ここで
正確な支払い額がわからないから差額を計算できないYO」

レセプション兄は一歩も退かない。
かといってこのままおとなしくBホテルに泊まってしまうと
東洋人はちょろいという先例を作ってしまい、
後続の東洋人旅行者に迷惑になってしまう。

しょうがない、差額が返ってこないのなら、
労働で返してもらおうじゃないの。

「私は明日、チェックアウト後に空港に行く必要がある。
Bホテルはロケーションが悪く、空港からも遠い。
これが私がBホテルに泊まりたくない大きな理由だ。
だからあなたが明日の朝、私を空港まで送ってくれるのなら
私は今夜Bホテルに泊まることを前向きに考える」

あの一歩も退かないレセプション兄が
Certainly(合点承知の助)と即答だった。
ようやくの合意形成。
翌朝9時のピックアップを忘れるなと3回は確認して
AホテルのバンでBホテルに移動。

到着したBホテルでもしつこくピックアップの確認をし、
(ここは海外、日本の常識は世界の非常識)
翌朝は無事に空港まで送ってもらえたのだ。


ま、予約をもっていても最後まで安心するなという話です。
ホテルへのチェックインが夜遅くになる予定の場合には
「チェックイン時刻が遅くなるけどキャンセルしないよ」と
宿泊の意思を表明する電話を当日したほうがベターとの噂。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?