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【取材】芸術家による和文化イベント『瀧の宴 VOL.2』|2023.2.19

日本アーティスト協会(以下、JAA)は、アーティストのキャリア支援、社会課題の解決、芸術・表現活動の魅力を発信する活動をしています。

2023年2月19日、浅草 壽仙院の本堂で、書道家の村野瀧玖(ムラノ ロウキュウ)先生主催の和文化イベント『瀧の宴 VOL.2』が開催されました。

今回は、JAA広報VTuberであるlamb寝が村野先生とご縁があり、当イベントを取材させていただくことになりました。

浅草 日蓮宗 壽仙院(本堂)。ふんだんにあしらわれた金の装飾が美しかったです。
旅する書道家 村野瀧玖(ムラノ ロウキュウ)先生

村野先生は今まで、ルーブル・ロンドン・NYなどに作品を展示したご経験がある、正にグローバルな旅する書道家です。
下の写真に写っている壽仙院の看板は、なんと村野先生のお師匠さんのさらにまたお師匠さんが書かれたのだそう。すごいご縁ですね!

浅草 日蓮宗 壽仙院 入口

瀧の宴、開幕

司会 すみきちさん(声優)

声優で司会のすみきちさんによる進行で、『瀧の宴』は幕を開けました。
本堂に用意された席は満席。老若男女問わず、様々な層の方がこの宴を楽しみに足を運ばれました。

崎津寛光さん(壽仙院 住職)

はじめに、壽仙院の34代目ご住職でいらっしゃる崎津さんからのご挨拶。
壽仙院は、1603年、ちょうど徳川幕府開府の年に法華経を広めるための道場として造られたお寺だそうです。歴史がありつつも、お寺の中にはエレベーターが設置されていたりと、お体が不自由な方への配慮が伺えました。
壽仙院では、『瀧の宴』だけではなく、普段から様々なイベントや講座が行われていています。

1.僧侶×書道家!梅谷彩雲さん

虹嶺庵 梅谷彩雲さん(書道家・僧侶)

トップバッターは、僧侶×書道家としてご活躍されている、梅谷彩雲さん。
静岡県浜松市からこのイベントのためにお越しになられました。
奇しくも、彩雲さんも壽仙院と同じ宗派の僧侶なんだとか。

彩雲さんが筆を取ると、会場が緊張感に包まれます。私も思わず息を呑み、見守ります。観客席からは「素晴らしい…」という感嘆の声が上がりました。

仕上げに印を押す梅谷彩雲さん

そして完成したのが、下の写真の書です。

素人の私が見ても、この書には圧巻されました。
これは『常懐悲感心遂醒悟』と書かれていて、漢文読みをすると『常に悲感を懐きて心 遂に醒悟(しょうご)す』となるそうです。
この言葉にまつわるエピソードを、軽快な話術でお話くださりました。

2.斬新コラボ!クレイジー抹茶ガールみんちゃんさん×漫画家まほろんさん

クレイジー抹茶ガールみんちゃんさん
まほろんさん(漫画家)

続いて登場したのは、クレイジー抹茶ガールのみんちゃんさんと、漫画家のまほろんさん。
みんちゃんさんは『抹茶を「気軽」にする』をモットーに活動されていらっしゃるYouTuberです。
今回は、多摩地域を題材にした漫画がSNSで話題を呼んでいるまほろんさんとコラボしました。

抹茶が好きすぎて抹茶と結婚したと語る程の抹茶愛を持つみんちゃんさん。
そんな彼女が自作したという抹茶ソングを2曲歌いあげるまでの間に、まほろんさんが抹茶をテーマにしたイラストを描くというパフォーマンスです。

みんちゃんさんの可愛らしい歌声に、観客席は手拍子で応えます。
2曲の尺ではイラストが間に合わないとわかったや否や、長めの拍手で尺を伸ばしまほろんさんを応援するという、温かく優しい空間が生まれ、ほっこり。

そして完成したのが、下の写真の絵です。抹茶に腰掛ける狸みんちゃんさん。まほろんさんが連載されている漫画『柿生タヌキ事情』との夢のコラボです。
「抹茶を気軽に」というみんちゃんさんの想いが伝わる、新鮮なパフォーマンスでした。

完成したイラストと記念撮影をするみんちゃんさん(左)とまほろんさん(右)

3.漫才&和踊!GOICHI&マッキンさん

マッキンさん(左)GOICHIさん(右)(漫才・和踊)

三組目に登場したのは、GOICHI&マッキンさん。登場した瞬間から、只者ではないオーラを放っていらっしゃいました。
マイクを司会に預けると、始まったのはなんと漫才。

まさかお寺で漫才を拝見する日が来るとは。GOICHIさんもマッキンさんも、お互いがボケてお互いが突っ込む独特なスタイル。壽仙院にちなんだ内容で、観客の笑いをものにしていました。

お二人のパフォーマンスはこれだけでは終わりませんでした。
なんと、観客からお題を一つもらい、即興で踊るというのです。
出されたお題は『抹茶』。このお題について、後の懇親会でマッキンさんは「冷や汗をかいた」と語ってくださりました。

BGMと共に、即興の踊りがスタート。体、声、表情、すべてを使い、全身全霊で『抹茶』を表現します。
即興とは思えぬほど息の合った二人のダイナミックなパフォーマンスは、大変面白く楽しいものでした。

『抹茶』を体現する様子

4.白衣アート!個性派看護師達によるパフォーマンス


(中央)坂本一城さん(看護師)

4組目に登場したのは、なんと全員現役の看護師さん。看護師といえば皆さん、どのようなイメージでしょうか。清潔な白衣を着ていて、いつもキビキビと病棟で働いている……。
そんな彼らも、一人一人の人生があり、個性がある人ということを、白衣にアートを施して表現されていらっしゃいました。

白衣アートの看護師の皆さん

背中に込めた文字は、村野先生によるものだそうです。

花道を歩く看護師さんたちのエピソードを、このチームのアートディレクターである坂本一城さんが語りました。
皆さんそれぞれ看護に懸ける想いは違えど、情熱と愛を持ってお仕事をされていらっしゃるのだと感じました。

看護現場の厳しさについては、私も従事者だった過去があるので肌で感じてきました。坂本さんは後日、私にこう語ってくださりました。
「僕の思いは、看護師が幸せであること。そして、幸せな看護師がみんなを幸せにすること。世界を幸せにしたい思いです。」

自分が幸せでなければ、人を幸せにすることはできない。
坂本さん達の活動から幸せな看護師がこれからだんだんと増えていき、業界から世界まで幸せの輪が広がるよう、応援していきたいですね。

『治』の文字が書かれた白衣

5.書道パフォーマンス集団!桃源郷

『桃源郷』の皆さん

いよいよ締めくくり。『瀧の宴』主催の村野先生率いる書道パフォーマンスチーム、『桃源郷』のみなさんによるパフォーマンスです。
和風のBGMと司会のすみきちさんの歌声に乗って、おおきな紙にそれぞれ縁起の良い字を書いていきます。

まずは小口佳水さん。佳水さんは、『佳水書の教室』の主宰でいらっしゃります。栃木にお住まいで、このイベントのために浅草までお越しになりました。

桃源郷メンバー 小口佳水さん
真剣な眼差しで書と向き合っています。

完成したのは、『雅』の字。勢いが余って紙が破けてしまったとのことですが、その力強い筆遣いから、これから一年の縁起が良くなるようなパワーを感じました。

続いては、当イベントのトップバッターも担当された、梅谷彩雲さん。
鮮やかな赤い紙に、黒の墨で書をしたためます。

桃源郷メンバー 梅谷彩雲さん

完成したのが、『華』の字。その字の意味通り、赤と黒のコントラストが華やかで、字体もどこかすらっと脚が長く、美しく華のある女性を思わせるような感じがしました。

続いて筆を執ったのは、高橋瀧桜さん。瀧桜さんは、村野先生のお弟子さんでもあります。その名に合った、春を思わせる可愛らしい袴で登場されました。

完成したのが、『楽』の字。この書体は篆書隊(てんしょたい)というそうです。
この字に込めた想いを、後日ご連絡した際に伺えたので引用します。

「今回の瀧の宴を楽しんで頂きたいという想いがひとつ。もう一つは普段、仕事やプライベートのことを相談したりして10年以上お世話になっている仲良しの実業家の方がいるんです。その方が"気楽"を人生のテーマのひとつにされていて……。気が乗るものを選択していく、という意味なんですけど。
ただ、気楽っていうと、「好きにやっちゃおう〜」みたいな、人によってはのんきな感じで、すべて責任負わなくても良いイメージに捉える方もいると思うんです。
けれどその方は、「"自分が一番大切にしたいことを中心に生きていこう"
"周りに流されず、自分で選択していこう"それが自分にとっての気楽なんだ」ということを言ってて、それを聞いたとき、私もそういう生き方をしたいと感動したので、その気持ちも込めて気楽から一文字取って書きました!」

素敵なエピソードですね!このお話を伺って、私も自分が大切にしたいものを軸に生きていきたいと改めて思わされました。

最後に筆を執ったのは、主催の村野先生。
金色の綺麗な紙に、お寺の灰を混ぜた墨を使って、大胆に筆を滑らせていきます。

主催 村野瀧玖さん

出来上がったのは壽仙院の名前にも使用されている『壽』の字。めでたいことを喜び、祝うという意味の字です。力強く、華やかで、見るだけで縁起が良くなりそうです。
司会から「この後、この書はどうされるんですか?」と尋ねられると、「処分します」と返す村野先生。会場からは信じられない!といった驚きの声が上がりました。
最終的に、この書は無事に壽仙院のご住職、崎津さんが引き取られました。


瀧の宴、閉幕

懇親会の様子

パフォーマンスを終えて、演者さん、お客さん共に二階の懇親会会場へ。村野先生の「乾杯!」を皮切りに、皆さん談笑に花を咲かせます。
演者さんのアフタートークが聞けるのも醍醐味。
なにより私が素敵だなと思ったのが、お客さんにも様々な方がいらっしゃって、交流の輪が広がったことです。

たくさんのご友人に慕われ、愛されている村野先生は度々このようにこうおっしゃりました。
「俺は飲み友達が欲しいだけ!みんなが楽しいのが一番よ。瀧の宴だからね。俺の宴だよ!」
この気さくなお人柄が、様々なバックグラウンドを持つ人々を惹きつけ、惹きつけられた者同士がまた繋がる。とても素敵な循環だと思いました。

アートを通じて、友達を増やす。世界を幸せにする。自分の好きなものを広める。百人十色の想いが、この会場には溢れていました。

改めまして、壽仙院の皆さん、主催の村野先生、演者の皆さん、会場にいらっしゃった全ての皆様、素敵な時間をありがとうございました。

『瀧の宴』は今後も続けていくそうなので、JAAとしても、lamb寝個人としても、これからの活動を追わせて頂こうと思っております。お楽しみに!

※本記事は特定の宗派や思想を支持するものではありません。幅広いアーティストの活動の形をお届けすることを目的としております。
また、本記事内でご紹介したイベントやアーティストについては、主催者やアーティスト本人へ直接お問合せください。


主催:村野瀧玖 様(書道家)
取材:lamb寝(JAA広報VTuber)
撮影・写真提供:髙林 隼也(しゅんちゃ) 様(写真家)

<日本アーティスト協会 事務局>
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