ガス業界の企業分析

ガス業界、あんまり馴染みないですよね。
エネルギー関連企業はパッと見華がないですが、行っているプロジェクトの規模はとても大きいです。今回はそんなガス業界の企業分析をnoteにまとめてみました。

ガス会社での業務は海外資源の投資・調達から、LNG基地の運営を経てパイプライン、お客様に届きます。

事業は主に「上流事業」「中下流事業」に分けられます。「上流事業」では、ガス田開発にも投資・参入し、プロジェクトの進捗管理を行います。「中下流事業」では、LNG基地の建設やパイプライン敷設、発電事業といったインフラ整備に参入しています。

海外の「原料調達部門」は「調達先の多様化」「契約内容の多様化」「LNGネットワークの多様化」を進めることにより、原料の調達を実行します。具体的に、LNG(液化天然ガス)などの都市ガスの原料を海外の産出国から日本へ調達するための契約交渉を行います。ただ、他の会社の調達部門と異なり、法務の面で高い専門性が問われます。


おおまかなビジネスの流れとして、調達したLNGを海外から輸入して、まずはLNG基地に保存します。

その際に、主に2つの部隊に分かれ、仕事を行います。
LNG基地部隊(エンジニアリング部隊)はLNG基地の様々な設備について設計・維持管理を技術的に検討します。
その中にエンジニアリング部隊とは別途に専門的に、LNG基地の多岐にわたる設備の運転や監視業務といったオペレーション、設備の定期的なメンテナンスに加え、突発的なトラブルの修理にも対応する部隊があります。

LNG管理部隊(管理・企画部隊)ではLNG基地において、LNGタンカー配船計画の立案、基地設備の戦略的な増強計画、災害・経年対策など統括的な管理を行います。

保管が終わって、LNGを都心部・工業団地まで送るパイプ専門部隊がまた存在して、パイプライン関連の理系部隊が存在します。
具体的に、配管の強度計算やルート選定、安全にガス工事ができる工法を検討する「パイプライン(導管)エンジニアリング」
地域の需要を賄うためのガスの送出能力の検討、維持管理しやすい配管形状などを設計する「パイプライン関連設備の設計」
ガス工事の現場をより高度化・最適化するための製品・工法を開発する「ガス設備・材料・工法に関する技術開発」に分かれています。


その後にお客様への営業部隊があります。法人営業が主で、機器およびサービスなどをマンションディベロッパーやハウスメーカーに提案します。

上記の中でも難しい案件を扱う営業の技術支援部隊が存在して、より専門性求められるクライアントへの営業の場合は、この部隊が営業を引き受けて営業を行います。

具体的に、学校・病院・官公庁・ディベロッパー・設計事務所・地域の飲食店などはニーズが複雑なケースが多いです。何故ならば、法令から安全性・コスト面で厳しいので、ガス・電気・サービス等の総合的にソリューションになり、省エネ、エネルギーコストの低減、省力化実現が必須不可欠である為です。例えば、ガス事業法や建築基準法などの関係法令の遵守はもとより、現場や営業からのニーズを受けとめ、メーカー開発部門とともに、新しい工法や工材の採用検討を行います。

最後にガスの利用中に生じる、様々なトラブルに対応するサービス部隊があります。お客さまからのお申し出の受付対応や、ガス機器等の保安業務、協力企業への委託業務(定期保安点検・開栓・市場対応業務等)の管理を行います。また、場合よって、お客さまに低コストで品質の高い暮らし、空間をご提供するため、メンテナンスを通じて営業や現場を技術面から支援します。

上記のようにメインの仕事はLNG関連以外に、電力やIT関連の業務も存在します。


電力

ただ、調達もLNGのみではございません。実は電力も調達しなければならないのです。そのために、電力事業推進の中心を担うのが電力事業計画・エンジニアリングもします。再生可能エネルギー等の新たな電源の開発・調達等に係る企画立案・推進、電力マーケティング・小売事業、発電所の建設・運営などを行います。


技術開発・IT

事業を支える基盤技術と将来事業を創造する先進技術について研究開発しています。研究開発業務は多種多様で、金属・高分子材料、ガス分析、熱流体シミュレーション、耐震性評価、水素製造技術、再生可能エネルギー、燃料電池、超音波ガスメーター、無線通信技術、燃焼技術、コージェネレーションシステム開発、家庭用ガス機器開発、スマートエネルギーネットワークの構築、ライフスタイル研究など様々な研究開発に取り組んでいます。ITの側面は、ガス業務に対するITコンサルティング、デジタル技術を活用した業務改革、各種システム整備を行い、東京ガスグループにおけるIT環境の安定稼働を担っています。

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