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【NO.0131】 ライドシェア解禁・「特定技能」に自動車運送業も

 日本の名目国内総生産(GDP)がドイツに抜かれ年内に4位に。更に、2026年にはインドにも抜かれ5位になるという。
 人口規模から言って、インドには抜かれるのは致し方ないと思うが、G7という先進国と言われるよく似た状況のドイツに抜かれ、さらには今後このままの状況では、イギリスにも抜かれるというのは、日本の経済政策が間違っていたということへの証明となるように思われる。

 そんな中の日本で、第212回臨時国会が始まった。10月24日には、首相による所信表明演説がなされた。

 岸田首相、いつもながら「バラ色の未来の日本は、私が創る」的な発言は相変わらず。内容は、そうした、実現可能かはわからない未来へのグローバル技術を駆使した経済発展へ向けた、首相の思いだけを述べた部分が散在しているように思えたのですが・・・。

 本当に、国民生活を豊かに、しかも安心安全を担保しながら実現していくことができるか?
 これが今、日本に課せられた一番の課題だと思います。経済を活性化するには、先ず政府支出を増やす。所謂、積極財政にするのは必須の条件で、減税措置でと言うなら消費税の減税をまず実現するくらいのことは当然のことと思えます。また、国家の安全保障観点から、その分野を海外への依存を減らし、国産化に力を入れるのは当然のことだと思うのですが、第1次産業分野やエネルギー、防衛に関して、そうした発言は全くなかったですね。
 首相の発言の基本は、グローバリズムのポチとしての役割が明確になった今、全てが、グレートリセットがベースになっており、その縛りから逃げることのできない状態になってしまっている現実が垣間見えると思います。

 今回の国会で、象徴的な案件だと思うのが、「ライドシェア」の導入に関することです。

 この導入に関しては、もちろん、複線があります。

 大阪の路線バス会社の金剛バスが廃止されるというニュースがありました。原因は、乗車人数の減少と人員の確保が困難になったとうことで、都会の近隣でも、こういう事態になってしまう現実が突きつけられたのですが、公共交通については、国が補助していく形をとらないと、特に地方、あるいは隣国と近い地域や島嶼地域では、人が住まない空白部分が増えてくることによる安全保障の問題にも関わってきますので、タクシーも含めて、公共交通という形で残していくことが先決のような気がします。
 しかし、グローバリズムのポチの現政権では、ライドシェアの導入ということの方が先決となるのでしょうね。「Uber」や「パソナ」の影がちらつきます。
 このライドシェアが実際に動き出すと、当然、価格競争を持ち込みます。安さを武器にシェア拡大を目論みます。そうすると、既存のタクシー会社も値下げに踏み切るところが出てくるでしょう。2024年問題も含め、日本人を雇用していたのでは、経営が成り立たなくなってくる可能性があります。そこで、当然のごとく、非正規雇用や外国人を使うという方向になってくるのではないでしょうか。

 さらにはその先もあります。公共交通やタクシーの無人化運航というシステムの開発の完成が、もうそこまで来ています。
 また、スマートシティを全国に広げようともしています。岸田首相の言うデジタル技術を何が何でも使うという姿勢が明確に表れている部分ですね。 
 そうなると、ドライバー自体が要らなくなりますね。各会社人員整理をしなくてはいけなくなります。となると、正規雇用だと解雇しにくいですね。非正規雇用や外国人だと切りやすいですね。「Uber」のようなシステムだと、そんなこともしなくていいですね。雇用関係ないんですから。

 ライドシェア導入では、事故対応など安全や保障の問題が先ず取り上げられるでしょう。
 人の命のかかわること、本来なら、検証を繰り返して、安全を確認して導入という形しなといけないのですが、人の命を何とも思っていないことが明白になってきている今、導入してしまえばよいという、後のことは知ったことではない。この終末的な考えが蔓延している「今だけ、金だけ、自分だけ」社会は、この方向に突き進んでいくのでしょう。

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