米国議会襲撃事件に関するニュース用語

米国の国会議事堂襲撃事件があった頃から現地のニュースをネットで観たり聞いたりすることが多くなった。やはり気になる。米国の大手ニュースネットワークではライブでニュースを配信しているところがいくつかある。

トランプ氏から「フェイクニュース!」と攻撃されていた側は、ここぞとばかり一刻も早くトランプ氏を追い出したいという願望のこもった論調のニュースになる。一方、保守的な論調のニュースサイトでは、バイデン氏の家族と中国企業との関係がどうのこうのという報道の時間が長くなっている。

そういったニュースでよく耳にする単語についての雑感。

"capitol" は、事件前にトランプ氏が聴衆に向けて "we're gonna walk down to the Capitol" (議事堂に向けて行進しよう)とけしかける場面で使い、その時の映像が繰り返し流されている。本人は後に、"totally appropriate"(全く問題ない)と語っていたようだが、どう見てもあれは問題だろう。少なくとも、あのような一種の集団催眠状態の中で聞かされれば、行ってひと暴れしてやろうと考える輩が一定数現れるのは容易に想像できるはず。なお、綴りも発音もよく似た単語に "capital" がある。中学生の頃は「首都」と習った気がする。こちらは意味の広い単語で、ほかにも「資本」や「大文字」などの意味がある。

議事堂で暴れた人たちはニュースで "mob" と呼ばれている。やや見下したようなニュアンスがあるので、まともな人の集団に対しては使わない方がいいかもしれない。

"impeachment" もニュースで繰り返し出てくる。おそらく英語のネイティブでも日常あまり使わない単語だろう。日本語でも同じだ。日常会話で「弾劾」なんて言うことはまずない。読めるけどいざ書こうとすると漢字が出てこない言葉の一つかも。

"remove" は議会の動きを伝えるニュースで何度か耳にした。こちらは日常生活でもよく使う。「取り除く」、「追い出す」、「解任する」といった意味。個人的には、もっと早い時期にかの人物を "remove" しておくべきではなかったかと思うが。

議会関係のニュースに続いて、新型コロナの "vaccine" の報道もよく聞くようになった。いうまでもなくワクチンのことだが、発音は「ヴァクシーン」。日本語のワクチンはドイツ語の "Vakzin" からきているらしい。こちらの発音は「ヴァクツィーン」なのでどちらかというと英語に近い。勝手な想像だが、「ヴ」の音が日本語にないので「ワ」に置き換えて誰かが使い出したのかな。

日本の国会中継をじっくり見ることはあまりないが、このところ米国議会での議員のスピーチを集中的に見ている。内容への賛否は別にして、どれもうまい。スピーチの教科書に載せたいぐらいだ。原稿に目を落としたまま、原稿をひたすら読み上げる議員はまず見かけない。

久しぶりにいい勉強をさせてもらっている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?