ため池の亀

自宅から歩いてすぐ近くに小さなため池がある。横に水田があるので、その農業用水を溜めるために使っているようだ。全長は10メートルほどで、水たまりと言ってもよいような小さな池だ。周りの雑木林から落ちた枝などが水面から出ている。泥水のような水中に魚が住んでいるのかは、外から見てもわからない。

先ほど、この池の横を通りかかったときにふと見ると、折れた枝か何かの上に何匹かの亀がいた。甲羅干しをしているのか。首を長く伸ばした亀が皆同じ方向を向いてじっとしている。

ここで疑問がわいた。この亀たちはこんな孤立した池にどうやってやってきたのだ?

近くに大きな池や川があるわけではない。羽のある虫ならわかる。蛙ならどこかの池から草むらを跳ねながら、遠路はるばる旅して運よくたどり着くのがいるかもいるかもしれない。でも亀がのそのそとそこら辺の道ばたを歩いて移動している姿なんて見たことがない。

何かの記事で、孤立した池に魚がいるのは、魚を食べた鳥の糞の中に運よく生き残った卵が残っていることがあり、池に落ちた糞の中の卵が始祖となって繁殖していった可能性があるというのを読んだことがある。でも魚の卵は鱈子や明太子などから想像がつくが、亀の卵はもっと大きいのではないか。クサガメの卵を実際に見たことはないが、テレビで映るウミガメの産卵場面などで見る卵の大きさから想像するに、そこそこの大きさはあると想像できる。もしかしたら巨大な大鷲や鷹ぐらいなら亀一匹ぐらい飲み込むことがあるのかもしれないが。

といろいろ仮説を立ててみるが結論は出そうもない。

一番ありそうなのは、夜店か何かで売っている亀が逃げ出したか、誰かが飼いきれずに放した亀が野生化して繁殖しているかだ。

見たところかなり大きな亀だ。十分な餌はあるのか、ちょっと心配になってくる。もちろん、長寿で知られるたくましい亀のことだから大丈夫だろうけど。

結局、亀に直接聞いてみるしかなさそうだ。

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