九九ができない私

小学校で九九を習ってから何十年経つだろうか。

小学生の頃、算数の時間に先生から「今週は二の段を覚えましょう」と言われると、みなで声をそろえて「ににんがし、にさんがろく...」とやっていた。なぜか小さい数字から順番に上がっていくのではなく、五の段をやってから、次は二の段と変な順番で進んだ記憶がある。今時の小学校ではどうなのだろうか。

最近になって気づいたことがある。どうも自分は、九九を半分ほどしか覚えていないようだ。

九九は9×9個だから全部で81個の組み合わせがある、自分はその内、半分程度しか覚えていない。いや、正確に言うと、頭の中でしっかり音が響いているのが半分ほどしかない。

つまり、例えば、2×3を見たとき、頭の中では「にさんがろく」という音が響く。だから自信をもって6という答えが出せる。でも逆の3×2を見ても「さんにがろく」は小さな音でしか響いてこない。「ろっくごじゅうし(6×9=54)」は大音量で響いているのに、「くろくごじゅうし(9×6=54)は蚊の羽音ぐらいでしか聞こえない。「くはちななじゅうに(9×8=72)」に至ってはまったく無音だ。

しかたがないので、9×8を計算するときは、頭の中で瞬時に8×9に変換して「はっくななじゅうに(8×9=72)」を響かせて何とか答えを出している。変なのかな?

生活していく上でこれまで困ったことがなかったので、自分の頭の中で起こっていることにずっと気づかなかった。もちろん人に言うこともなかった。

今更このやり方は変えられない。

だから、だれかから「9×7は?」と聞かれたとしたら、頭の中では「しちくろくじゅうさん(7×9=63)」と計算して、涼しい顔で「63」と答えていくことになるだろう。そんな場面があるかどうか知らないけど。

やっぱり変なのかな?

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