コンセッションとホワイエ

ときどき映画館に行く。館内案内図などで「コンセッション」と書いてある。何だろう?と思いながら行ってみると、そこにあるのはテイクアウトの店。そう。映画館の入場口の近くにあって、ポップコーンや飲み物などを売っているお店だ。

普段いきなり「コンセッション」なんて言われても、たぶんほとんどの人は何のことかわからないだろう。なぜ「売店」ではだめなのだろうと思うが、飲食物を売るコーナーとは別に映画のパンフレットや映画関係の小物などを売るコーナーがあることが多いから、あえて使い分けているのかもしれない。英語では "concession"。契約関係の文書で見ることはあるが、おそらく英語のネイティブでも日常会話ではあまり使わないように思う。いわゆる業界用語がそのまま使われているのだろう。

同じように、「ホワイエ」という用語も、一般には通じにくいかもしれない。映画館だけでなく劇場やコンサートホールなどで、開演前や休憩時間などで人が自由に行き来する場所のこと。この語源はフランス語の "foyer" だ。人が集まったり歓談したりするところ、いわゆる「たまり場」の意味で、劇場だけでなく個人の家でも使う。こちらは業界用語というより日常会話でもよく出てくるように思う。英語の「ロビー(lobby)」と同じような意味になるが、もしかすると、業界によっては使い分けている例があるかもしれない。

コンセッションでビールとちょっとしたつまみを買ってホワイエで軽く一杯やってからゆったりと映画を観る。これがちょっとした楽しみなのだが、うっかりすると映画の途中で気持ちよくなって寝てしまうので要注意。

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