"ear" と "year" の発音

翻訳の仕事で英語の読み書きはずっとやっている。しかし英語を話したり、聞いたりする機会はほとんどない。だからいわゆる「英語耳」は鍛えられていない。今さら鍛えてもという気持ちもあるし、そもそもネイティブではないのだからという諦めの気持ちもある。

だから、"ear" と "year" は聞き分けられないし、よほど意識しないと言い分けられない。言うまでもなく、まったく別の意味をもつ単語だから、聞き分けや言い分けが正しくできていないと、場合によっては互いに意図を取り違う恐れはそれなりにある。

辞書を引くと発音記号が載っていて、"year" の方は頭のところに短母音の記号が付いている。つまり、母音を発音する前に無音だが口の形だけ「j」を作ってから音を出す。頭にごく微妙な間がある。これにに対して、"ear" の方ではいきなり音を出す。英語ネイティブなら意識せずとも簡単にできるのだろうが、非ネイティブではそうもいかない。

非ネイティブの耳にはどちらも同じ音に聞こえてしまう。言い分けもなかなかうまくできない。

しかし、それでも何とかコミュニケーションが取れるのは、発音を間違っていても文脈で意味を補って全体の意図を互いにとらえることができるからだ。

ということで、大きな実害はなさそうなので、"ear" と "year" は同じような発音のまま今後も使い続けることになる。

同じように、日本語の非ネイティブにとっては、「病院」と「美容院」を正確に聞き分けて発音するのはおそらく難しいと感じているだろう。しかし、これもたいがいの場合、文脈で意味を判断できるので実際にはあまり困らないはず。

ただし、例えば、タクシーに乗って「○○病院」に行くつもりだったのに、たまたま「〇〇美容院」というのが近くにあったりすれば、違う場所に連れていかれる恐れはあるのだが。

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