漠然とした課題をクリアにして解決の糸口が見つかる | 『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』(著者:今井むつみ)
こんにちは
イデアレコードの左川です。
なぜ何回説明しても伝わらないのか?ということは会社や家庭で漠然と課題には思っていたけど、なぜ起こるのかということについてはふわっとしたままで、改善されることもなく放置に近い状態であった。そんな中SNSのタイムラインに流れてきた本書を見て、読むしかないなと思った次第である。
認知科学の観点からコミュニケーションの本質へとアプローチしている本書は、全体的にわかりやすく豊富な事例と共に紹介してされている。その中で誰もが共感したり、納得するものが一つはあるはずだ。自分自身は特に「枠組み=スキーマ」と「メタ認知」「直感」についてはビジネスにおいて非常に重要なキーワードであり、これらを意識するだけで結果が大きく変わるエッセンスだと思った。
周りのメンバーや顧客、外部の協力会社など、誰かに何かを伝える時は“情報をもれなく伝える”ことだけに意識をしがちであるが、前提となる枠組みを意識することが重要である。そこがズレているといくらもれなく伝えたとしても、きっと齟齬が起きるはずだ。
「枠組み=スキーマ」を意識してコミュニケーションをするというのは簡単そうに見えて、実はかなり難しいと思う。
が、重要である。
様々な立場や役割の人間が集まって、プロジェクトを進行することがビジネスでは当たり前である。そして参加メンバーは上記のように自分よりの思考になりがちである。
そのため重要になるのがファシリテーション(進行)だと思う。中心となって舵を取るものが上記のことができるように試行錯誤しながら、物事を進めていかなくてはいけない。
それを担う者は業界や案件によって、PMやディレクターなどで呼ばれると思う。プロジェクトの成功可否はここに依存してしまう部分が多いのは否めない。
社会に出てみると「確認」ができないという者が想像以上に多いことに驚く。
誤字や脱字といったものではなく、決まったフローに沿わなかったり、工程を省いたり、自分自身の作業を確認しないというレベルでのことである。おそらくはそのリスクを想像できないといった類のものではなく、振り返るということ自体が何かをわかっていないのでは?と思う次第である。そういう場合は「確認をしろ」ということを何度説明しても伝わらない。そもそもの枠組みを違うからである。
そうなると自分の認知活動を客観的にとらえることができるメタ認知があるというのは、実は当たり前のスキルではないということを改めて認識する必要がある。
直感が当たる人というのは少なからずいる。それは単なるヤマカンではなく、日頃の積み重ねによって得られた能力である。些細な違いから滲み出る違和感やこんな感じのはずという感覚を覚えるようになったら、一人前かもしれない。
まだまだ書きたいことがある。
が、そうすると本書を隅々まで紹介することになってしまう。
なので、上記の中で一つでもなるほとど思った者がある方はぜひ本書を読んでほしい。
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