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漠然とした課題をクリアにして解決の糸口が見つかる | 『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』(著者:今井むつみ)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

なぜ何回説明しても伝わらないのか?ということは会社や家庭で漠然と課題には思っていたけど、なぜ起こるのかということについてはふわっとしたままで、改善されることもなく放置に近い状態であった。そんな中SNSのタイムラインに流れてきた本書を見て、読むしかないなと思った次第である。

【★売れてます! 発売1週間で3万部突破!】
『言語の本質』(中公新書)で
「新書大賞2024」大賞を受賞した
今井むつみ氏の書き下ろし最新刊!

間違っているのは、
「言い方」ではなく「心の読み方」

ビジネスで 学校で 家庭で ……
「うまく伝わらない」という悩みの多くは、
「言い方を工夫しましょう」「言い換えてみましょう」
「わかってもらえるまで何度も繰り返し説明しましょう」では解決しません。

人は、自分の都合がいいように、いかようにも誤解する生き物です。
では、都合よく誤解されないためにどうするか?
自分の考えを“正しく伝える”方法は?

「伝えること」「わかり合うこと」を真面目に考え、
実践したい人のための1冊です。

Amazon公式より抜粋

認知科学の観点からコミュニケーションの本質へとアプローチしている本書は、全体的にわかりやすく豊富な事例と共に紹介してされている。その中で誰もが共感したり、納得するものが一つはあるはずだ。自分自身は特に「枠組み=スキーマ」と「メタ認知」「直感」についてはビジネスにおいて非常に重要なキーワードであり、これらを意識するだけで結果が大きく変わるエッセンスだと思った。

言葉を発している人と、受け取っている人とでは、「知識の枠組み」も違えば「思考の枠組み」も異なるため、仮にすべての情報をもれなく伝えとしても、頭の中を共有することはできない

本書P28より

周りのメンバーや顧客、外部の協力会社など、誰かに何かを伝える時は“情報をもれなく伝える”ことだけに意識をしがちであるが、前提となる枠組みを意識することが重要である。そこがズレているといくらもれなく伝えたとしても、きっと齟齬が起きるはずだ。

「枠組み=スキーマ」を意識してコミュニケーションをするというのは簡単そうに見えて、実はかなり難しいと思う。
が、重要である。

これはビジネスシーンでも同じだと思います。人は、つねに自分の専門とする分野、自分が詳しい業務、これが自分の仕事だと思っている範囲に偏った考え方をするものです。そして、そうした偏った視点や考え方を持った者が集まって、仕事は進んでいきます。意見を擦り合わせたり、歩み寄ったりすることで、より広い視点を獲得することができるのです。

本書P110より

様々な立場や役割の人間が集まって、プロジェクトを進行することがビジネスでは当たり前である。そして参加メンバーは上記のように自分よりの思考になりがちである。
そのため重要になるのがファシリテーション(進行)だと思う。中心となって舵を取るものが上記のことができるように試行錯誤しながら、物事を進めていかなくてはいけない。

それを担う者は業界や案件によって、PMやディレクターなどで呼ばれると思う。プロジェクトの成功可否はここに依存してしまう部分が多いのは否めない。

「自分の思考の過程や、出した答えを振り返る」というのは、自然にできることではない

本書P181より

社会に出てみると「確認」ができないという者が想像以上に多いことに驚く。
誤字や脱字といったものではなく、決まったフローに沿わなかったり、工程を省いたり、自分自身の作業を確認しないというレベルでのことである。おそらくはそのリスクを想像できないといった類のものではなく、振り返るということ自体が何かをわかっていないのでは?と思う次第である。そういう場合は「確認をしろ」ということを何度説明しても伝わらない。そもそもの枠組みを違うからである。

そうなると自分の認知活動を客観的にとらえることができるメタ認知があるというのは、実は当たり前のスキルではないということを改めて認識する必要がある。

「この内容はおかしいのではないか」
「この数字はチェックしなければならないのではないか」
ということが直感的にわかるのは、日頃の仕事の積み重ねによって直感を身につけているからです。

本書P280より

直感が当たる人というのは少なからずいる。それは単なるヤマカンではなく、日頃の積み重ねによって得られた能力である。些細な違いから滲み出る違和感やこんな感じのはずという感覚を覚えるようになったら、一人前かもしれない。


まだまだ書きたいことがある。
が、そうすると本書を隅々まで紹介することになってしまう。

なので、上記の中で一つでもなるほとど思った者がある方はぜひ本書を読んでほしい。

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