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「定型発達」第2回-定型発達は読心術者?

発達障害(アスペルガー)当事者から見た普通の人達(定型発達)の不思議な特徴とその理由について書いていきます。連載。

・定型発達は読心術者?
・非言語性コミュニケーション
・「空気」の正体

・定型発達は読心術者?

 定型発達の人とのコミュニケーションには大きな難しさがあります。
彼らはこちらの質問に対して、しばしば答えではない返事をしてきます。
質問をしたのに「すみません」と謝られることもあります。
「はい」と答えたのに実際は「いいえ」だということすらあり、しかもそのことに気づいて当然だと考えているようです。

 アスペルガーである私から見ると、相手の心を読んでいるように見えます。定型発達同士の会話は、省略が非常に多く、話が飛び、理解することが難しいものです。理解したと思うと、実は全く別の意図で話が行われていることもあります。

・非言語性コミュニケーション

 定型発達のコミュニケーションが不可解な理由は、彼らが言葉と並行して言葉以外のコミュニケーション手段を使っているからです。
 言葉の言い方(声の高さやアクセントなどの口調、間の取り方その他)、表情、視線、身振り、場合によっては服装や場所。様々な言葉以外の手段で情報が半ば無意識にやりとりされていて、言葉の内容はその一部に過ぎないようです。

 なので、言葉だけを聞いていると、内容が不可解なのは当然と言うべきでしょう。言葉の使い方もしばしば厳密ではなく、それを指摘しても不思議な顔をされます。
 逆にこちらの話はしばしばくどく感じられるようです。これは定型発達の人が無意識に内容を補って先に結論を「わかって」しまうからのようです。

・「空気」の正体

 彼らの殆どが、その無意識の推測を根拠なく正しいものと感じているように見えます。それが定型発達の「普通の」コミュニケーション方法だからです。
 あまりにも当たり前なので、彼らはそれを自分の能力であると考えづらいらしく、そういうものがあたかも(誰にでもわかるものとして)外部にあるとさえ思っているようです。
 これを彼らは「空気」と呼んでいるのではないでしょうか。

 この「空気」という概念は大変に便利ですが、実は定型発達の人達が思っているほど実際に共有されているわけではありません。
 我々アスペルガー症候群などの他、別の慣習を持つグループ、文化、国民・民族どうしでは、むしろ通じないことが多く、その場合、言語できちんとコミュニケーションを取ることが必要なように思います。

まとめ

 定型発達の人々のコミュニケーションに非言語性コミュニケーションが併用されていること、それを彼らが当然のことと考え「空気」と呼んでいるらしいことを書きました。私は「空気」がわかりませんが、言葉できちんと言うことも場合によっては必要なのではないかと考えています。

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注意:この文章は著者の個人的な考えによって書かれています。
「すべての」定型発達の人に当てはまるわけではありません。  
発達障害には「自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群を含む)」のほか「ADHD」および「LD」があります。ここではアスペルガーである私の視点からの記述のみを行っています。

#発達障害 #定型発達 #アスペルガー #自閉症スペクトラム #空気


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