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「定型発達」第4回-発達障害と定型発達の位置づけ

発達障害(アスペルガー)当事者から見た普通の人達(定型発達)の不思議な特徴とその理由について書いていきます。連載。

・発達障害と定型発達の位置づけ
・発達障害は障害か?
・社会的多数派であることの意味

・発達障害と定型発達の位置づけ

 第3回の最後で「群れの一員であろうとする」ための問題点について書いていく、と書きましたが、その前に、発達障害と定型発達の位置づけについて私自身の持つイメージを書いておこうと思います。
 一般的に「○○障害」という言葉は、あることの欠損あるいは不足故に不便が生じている状態であることを指します。しかし、私の抱く発達障害のイメージはやや異なります。

 人は、発達障害の「自閉症スペクトラム(アスペルガー)」「ADHD(注意欠陥多動障害)」と「定型発達」をそれぞれ頂点とする三角形のどこかに位置する、というのが私のイメージです。(もう一つの発達障害である「LD(学習障害)」はやや異なるベクトルを持っているように思われます)

 定型発達と発達障害の間には明確な境界はなく、「ADHD傾向の定型発達」や「アスペルガーっぽい定型発達」の方も多くいると思われます。
 アスペルガーとADHD両方の特徴を持つ人もいます。

・発達障害は障害か?

 図では定型発達を上部に書いていますが、これは優劣を表しているのではなく、異なる特徴を持つ3種類のタイプのひとつという位置づけです。
 それぞれの特徴にはメリットもデメリットも存在します。
 では、「発達障害」は「障害」ではないのではないか、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
 実際、「発達障害は『障害』ではなく『個性』である」という意見も見られます。
 しかし、私は発達障害は「障害」と考えられるべきだと思っています。なぜなら、発達障害者が社会で生きて行くには数々の困難があるからです。

・社会的多数派であることの意味

 この三角形は実際には上部(定型発達)が非常に数が多く、アスペルガーやADHDの人数は僅かです。そのため、社会は多数派である定型発達向けに出来ています。

 これは日本における右利きと左利きの関係に似ているといえるでしょう。
 左利きは障害とは言われませんが、大半の道具は大多数である右利きに便利なように作られており、右利きの人にとってはそれは「当たり前のこと」に過ぎません。
 利き手と違い発達障害はよりわかりづらく、定型発達の人にとって「異なる特徴を持つものがいる」という認識は難しいだろうと思われます。

 そのため、発達障害者は、まず存在に気づいてもらい、特徴を理解してもらい、必要なサポートを依頼する、といういくつものハードルを越えなくてはなりません。

まとめ

定型発達とアスペルガーおよびADHDが三角形の頂点を占めるという私のイメージおよびそれぞれに上下はないが定型発達が多数を占める社会は発達障害者には困難があることを書きました。
 前回書いた定型発達の「グループの中にいたい」という特徴は、発達障害者の社会参加を難しくする面があるように感じられます。次回はその具体的な内容を書いていきたいと思います。

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注意:この文章は著者の個人的な考えによって書かれています。
「すべての」定型発達の人に当てはまるわけではありません。
発達障害には「自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群を含む)」のほか「ADHD」および「LD」があります。ここではアスペルガーである私の視点からの記述のみを行っています。

#発達障害 #定型発達 #アスペルガー #自閉症スペクトラム


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