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「定型発達」第1回-定型発達は「何となく」行動できる

発達障害(アスペルガー)当事者から見た普通の人達(定型発達)の不思議な特徴とその理由について書いていきます。連載。

・はじめに
・定型発達は「何となく」行動できる
・考えずに行動できることのメリット・デメリット

・はじめに

 あるツイートに「『はじめてのアスペルガー』や『はじめてのADHD』のような『はじめての定型発達』がほしい」とありました。
 たしかに、定型発達(発達障害でない人)の特徴を説明した本があれば我々発達障害者(特にアスペルガー)は大変助かります。
 なのに、それは見あたらない。
 なぜなのでしょう。

 そのことも含めて、私がずっと考えてきた「定型発達」の人達の不思議な特徴とその理由について順々に書いていきたいと思います。
 なお、私は自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の診断済みの成人です。
 この文章が同じ悩みを抱えている人達の参考になれば、と思うと同時に、アスペルガーの考えていることがわからずに困っている定型発達の人達の役に立てば幸いです。

・定型発達は「何となく」行動できる

 定型発達の人達と接していて一番不思議なのは、彼らが「特に考えなくても行動できる」ということです。
 私は何をするにしても、その前にやり方を考え、検討し、準備し、それから実行します。それが省けるのはよほど手慣れたこと(目が覚めたときに起き上がるとか行き慣れた場所に歩いて行く)だけです。
 しかし、彼らは行動の大半を特に考えることなく楽々とやっています。
 そのため、なぜそれをやっているかをたずねると「何となく」とか「さあ?」という答えが多いのです。

 どうやら彼らは無意識のうちに何をするか決めているようです。
 そこで大きな役割を果たすのは「気持ち」です。
 定型発達の人は、自分の感じる気持ちにそってものを言い、行動する。なので、特に考える必要がない、ということのようです。

・考えずに行動できることのメリット・デメリット

 考えずにいわゆる「直感的に」行動できることには大きなメリットがあります。あれこれ考える時間がかからないので速くて楽なのです。
 特にスポーツやゲーム、家事などの日常動作はなめらかです。また同時に多数のことを進められます。

 しかしデメリットもあります。十分に検討されないためつじつまが合わないことがあったり、込み入った考えが苦手な人がいたりします。もちろん、すべての人がそうなのではなく、慎重な考えと直感力を合わせ持つ定型発達の人も決して少なくないと思われます。

 また、定型発達の多くの人にとって「考える」ことと「感じる」ことを分けることは苦手なようにみえます。彼らは「思う」という言葉に両方の意味を載せ、考えが気持ちによってしばしば引きずられるようですが、そのことに無自覚な傾向が見られます。

まとめ

アスペルガー当事者から見た定型発達、第1回は「定型発達はいちいち考えず直感的に(気持ちに従って)行動することができる」という特徴について書きました。
「何となく」行動するのは危険に見えますが、彼らはそのリスクを上手に減らしています。これについては次回以降に書きたいと思います。

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注意:この文章は著者の個人的な考えによって書かれています。
「すべての」定型発達の人に当てはまるわけではありません。
発達障害には「自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群を含む)」のほか「ADHD」および「LD」があります。ここではアスペルガーである私の視点からの記述のみを行っています。

#発達障害 #定型発達 #アスペルガー #自閉症スペクトラム


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