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「定型発達」第11回-「定型発達」は答のいらない質問をする

#発達障害#アスペルガー )当事者から見た普通の人達( #定型発達 )の不思議な特徴とその理由について書いていきます。連載。

・質問に答えたのに
・質問でない質問
・相づちを打つ

・質問に答えたのに

 第8回でも書いたように、定型発達の人はよく人に質問をします。
 私は質問されるとどうしても答えたくなるので、その質問がかなりあいまいであっても答えようとします。
 しかし、その「答」が的外れ(相手の意図と違う)であったり、なぜかいやがられたりという事がしばしば起こります。
 また、よりよい「答」を出すために質問をすると、怒られたり、逆に謝られたりして、答えが返ってこない事もあります。

 これは一つには、相手の出している非言語性メッセージを受け取れていなかったり、相手が常識として省略している部分に気づかなかったりするためだと思われます。

・質問でない質問

 もう一つの可能性は「その言葉はそもそも質問ではない」というものです。
 前にも書きましたが定型発達は仲間とのコミュニケーションそのものに強い楽しみを感じます。たまたま形式が質問の形を取っているだけで、「答」を求めていない可能性があります。※

 そういうものに正面から「答」を返してしまうと、コミュニケーションの流れが途切れてしまうため、言った本人は困惑してしまうようです。
 質問が実際の(答を求めている)質問かどうか見分けるのは難しいですが、このようなケースもある事を考えて対応するほうがトラブルが起こりにくいと思われます。

※「なに、あの変な雲?」という発言は雲の種類をたずねているのではなく「雨が降るかも知れない」とか「行動を変更しよう」という意味である場合がある。積乱雲の構造に興味がない可能性は高い。

・相づちを打つ

 「答」を求めていない会話に参加するにはどうしたらよいでしょう。
 その一つの方法が「相づちを打つ」ことだと思います。
 前にも書いたように定型発達は「理解」と「同意」の区別があいまいなので、特に考える事なく肯定的な相づち(「そうだね」「わかる」など)を多用する傾向が見られます。

 しかし、特に同意を含まない相づちの言葉もあります。
 「なるほど」は、相手の言った事を否定しませんが、同意でもありません。
 「それで?」はイントネーションがやや難しい(否定的だと思われる事もある)ですが、話を続けてほしいという意味の相づちとなります。

 質問の形をした質問でない発言には、質問形の相づちを打つ方法もあります。「どうだろうね?」とか「そうなの?」というような形です。
 例えば定型発達の人が
「○○はどうなっているんだろう?」
と言って、自分が○○についてよくわからない時
「わからない」
という「答」を返すのでなく
「どうなっているんだろうね」
というような相づちを返した方がコミュニケーションがうまく行く事があるようです。

まとめ

 質問形の発言が必ずしも「答」を求めていない事、そのような会話に参加する方法としての「相づち」について書きました。
 相づちの言葉が難しい場合には、話している人のほうに顔を向けて、言葉の切れ目でごくわずか頷く動作をするのも効果があるようです。

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注意:この文章は著者の個人的な考えによって書かれています。
「すべての」定型発達の人に当てはまるわけではありません。
発達障害には「 #自閉症スペクトラム (アスペルガー症候群を含む)」のほか「ADHD」および「LD」があります。ここではアスペルガーである私の視点からの記述のみを行っています。


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