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「定型発達」第3回(改)-定型発達はグループを作りたがる

発達障害(アスペルガー)当事者から見た普通の人達(定型発達)の不思議な特徴とその理由について書いていきます。連載。

・定型発達はグループを作りたがる
・「ぼっち」は不安を表す言葉
・グループの一員でいるために

・定型発達はグループを作りたがる

 定型発達が「何となく」行動しても比較的安全なのは、彼らが非言語性コミュニケーションを含めて他者と常に情報交換し合っているからのように思われます。
 これを可能にするために、彼らは出来るだけ仲間と一緒にいようとします。あるいは、自分を「特定のグループの一員」であるとみなしたがります。

 実際、グループの一員であることには多大なメリットがあります。一人で出来ないことでも大勢で力を合わせれば出来ることもあるし、安全性も高くなります。
 彼らは非言語性コミュニケ-ションでいつも仲間と「気持ち」を共有し(あるいはそのように感じ)、グループの中にいることでリラックスできます。

・「ぼっち」は不安を表す言葉

 そのためでしょうか。定型発達はひとりでいることに不安を感じます。
 「ぼっち」という言葉があります。
 おおむね友人または同行者がいないことなどを嘲るような意味で使用されているようです。
 私にはなぜ彼らがそれを嘲るのか不思議でした。必ず同行者がいなければ困るとしたら、どれだけ不便か私には想像もつきません。遠方の博物館・美術館の展示や講演などのイベントに興味を持った場合、同じ興味を他者が抱くとは限りません。外で食事することすらできないことになります。

 これはどうやら定型発達の「グループの中にいたい」という気持ちから出た言葉のように思います。彼らは自分が単独でいることが不安なだけでなく、単独でいる他者を見ることにも不安を感じるのです。
 この、他者の行動を自分のことのように感じること自体も定型発達の特徴と思われます。

・グループの一員でいるために

 定型発達の人達にとっては「グループの一員であること」は何よりも大切なことのようです。
 グループの中にいられるよう、大変な努力をしているように見えます。
 例えば「遠方の博物館・美術館の展示や講演などのイベントに興味を持った場合」どうするか、ですが、通常彼らは仲間が興味を持たないものにはそもそも興味を持たないようなのです。従ってその問題は起きない。
 どうしても行きたければ仲間を誘います。誘われた人は「仲間が誘ったから」という理由で同行します。彼らは「一緒にいること」自体が楽しいので、内容はさほど気にならないように見えます。

 また、グループのメンバーの情報をできる限り得ようと努力します。そしてよく覚えています。彼らはしばしば「雑談」し、互いの情報を交換し合います。
 特にテーマもなく会話をする「雑談」は私にとっては不思議に思える行為ですが、それ自体が気持ちの共有を行うためのものであり、「グループの中にいる」ことを強く感じられるため、定型発達にとっては大変快適なことのようです。

まとめ

 定型発達は「グループの中にいる」ことを大変重要視しています。単独でいることに不安を感じ、「雑談」などを通じて気持ちを共有し、グループの一員であろうとします。
 しかし、グループの一員であろうとする定型発達の特徴は、問題を引き起こしている面もあるように思います。次回はそれについて書きたいと思います。

※2018/8/26 「群れ」という言葉が意図にそぐわないイメージを引き起こす可能性について御指摘を戴いたので、「グループ」に統一し、またその周辺の字句等を変更しました。
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注意:この文章は著者の個人的な考えによって書かれています。
「すべての」定型発達の人に当てはまるわけではありません。
発達障害には「自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群を含む)」のほか「ADHD」および「LD」があります。ここではアスペルガーである私の視点からの記述のみを行っています。

#発達障害 #定型発達 #アスペルガー #自閉症スペクトラム


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